「ブラス!」2011/10/01 21:57

 地デジになってから京都TVが映らなくなっていたのですが、最近、何故か観られるようになったのに気付きました。
 この局、マイナーなんだけど良質な映画を、結構放送してくれるんですよねえ。

 96年、イギリス映画。
 実在のブラスバンドをモデルにしていて、この手の映画の鉄則として、音楽がとても効果的で、美しい。
 しかしその美しい音楽は、悲しい敗北宣言であり、痛烈な社会批判なのです。
 炭鉱の町で、炭坑夫たちによって結成された歴史あるバンド。
 しかし、炭鉱は閉鎖問題の真っ最中、バンドメンバーたちは失業の危機に立たされていた。
 炭鉱は時代遅れ。炭鉱の存続をかけて経営陣と戦うか、諦めるか。
 バンドの指揮者は言う。音楽がすべてだ、と。
 その指揮者の息子は、借金を負って家財を差し押さえられているのに、新しいトロンボーンを購入してしまう。
 生活と。
 音楽。
 どちらも大切ですが、でも当然、前者が無ければ後者は続けられない。
 威風堂々、格好良い演奏を前面に出しながら、その基盤となるものを経済成長の名の下に切り捨てていく社会を、一刺しした映画。

おおふり17巻2011/10/03 13:37

「負けて礼言われるってどーよ」
「……屈辱」

 新刊は先月には出てたんですが、読んでみたら春日部戦のそれまでの展開が全然思い出せなくて、中断。16巻を引っ張り出して、改めて。
 スクイズに、本塁打に、延長に、投手交代の難しさに。
 ほんと、「普通の高校野球」なナイスゲームなんですが。
 ただ一人、榛名だけは、いかにも「高校野球漫画の主人公」って感じの格好良さ、頼もしさ。ぶつけて怪我させることは恐れても、自分の球を打たれることはコレッポッチも考えにない投手……
 そんな、清清しいまでに強気な榛名とは対照的に、元・バッテリー組んでた阿部君の屈折してること。イチイチ発想が小さい。阿部君がそんなだから、三橋くんもイロイロ気にしてしまうんじゃないか。
 けっこう前に三橋が、「阿部君は榛名さんに、自分にとってのエースでいて欲しかった」てなことを考えていましたが、全く、そのとおりなんだろうなあ。
 彼のこういう感じはまだしばらく続くでしょうが。
 次巻、ちゃんと十一月に出てくれるかな!

 台詞とか構図とか心理描写とかが相変わらずツボなおおふりですが、今回一番トキメイたのが、オマケページでピアノ弾いてる花井君と意外と骨太な字を書く沖君でした。

「獣の奏者 闘蛇編・王獣編」2011/10/06 11:53

 人は、獣は、この世に満ちるあらゆる生き物は、ほかの生き物を信じることができない。心のどこかに、常に、ほかの生き物に対する恐怖を抱えている。
(中略)
互いを縛り合ってようやく、わたしたちは安堵するのだ……

 NHKでアニメになっていたのを観ていたので、ストーリーは分かっているわけですが、こうして原作読んでみると今更ですが、よくできたアニメだったと思います。それと同時に、子供向けアニメにするにはあまりにも難しかったなあ、と。
 ヒロインの少女時代や学生生活なんかにオリジナル入れてカワイイ感じにしようとしているのですが、それに政治的なアレコレが絡み、イロイロと物事を理解していくにつれ、どんどん悲壮感を深め、冷めて、達観していく彼女。
 そういう暗い部分も原作のニュアンスをできるだけ忠実かつ分かりやすく再現しようとしていたんだなって思って「良質なアニメやった」と再評価したわけですが。
 でもやっぱり、難しいわ、テーマが哲学的過ぎて。
 主なテーマは、自分と異なる他者、他の存在とのかかわり方ってやつですね。ヒロインが思い入れる王獣・リランとの接し方がメインですが。ヒロイン自身、「霧の民」と呼ばれる一族の出だってことで、周囲から偏見の目で見られるような経験をしています。
 自分たちと異なる要素。それを認識した上で相手のありのままを認めることが、互いに心を通い合わせる第一歩。
 ヒロインの望みは、生き物が、その自然な有り様を保ったままで生きていくということなんですが、これが案外、難しいわけです。世の中には物事を回すための法則っていうかルールがありますから。
 それぞれの望み・思惑のために既存のルールを覆し変えていこうとする人々。
 その果てに生じる混乱。
 でも、混乱するだけってわけでは、ないんですよね。新たに生まれる絆もちゃんと描かれているから、やたら人死にの出るこの物語はなんとか、救われています。
 それと、今のこの時代では、王獣=大きすぎる力の効力および弊害ってことも、どうしても、考えてしまいますね。使い方次第ではたしかに有用なんだけど、でも、封印したほうがいいよねって。核問題になぞらえて。

「彩雲国物語 はじまりの風は紅く」2011/10/23 13:33

 久々にかるーいライトノベルにしようと、図書館で手に取った一冊。最近完結した、長く続いていたシリーズものの第一巻。
 TVアニメ版をちらりと見て、中国風の人の名前がぜんぜん覚えられないしキャラの顔もみんなおんなじように見えてしまって視聴をやめたことがありました。
 原作を読めばまた印象が変わるものかなあ。
 と、思っていたのですが、そうでもなかったですね。
 貧乏貴族のお嬢さんが、仕事したがらない王様の教育をするために後宮へ入ることになり、王様と仲良くなったりケンカしたり陰謀に巻き込まれたり……
 てなお話しですが、ストーリーにも、キャラクターにも、あんまり面白みがないなあ。なんか、ムリヤリ感があって。サブタイトルもなんかコッパズカシイ。
 世間のオトメたちは、こういうのにトキメイているのだなあ

2011ドラフト2011/10/28 16:37

 昨日行われたドラフト会議は、世間で多くの注目集めていたのは大学生選手。あと、なんかソフトボール部のヒトがいたり、こないだ社会人野球で感動的な完全試合を成したJR東日本の投手がいたり、鈴木大地って名前の選手がいたり。
 その中で、ジブンが目を留めたのが、野村投手ですね。見に行ってましたからねー、夏の甲子園決勝戦で、佐賀北に逆転満塁本塁打打たれたとこ。広陵から明治大に進学して、再び広島の地へ戻ってくる。
 他、自分の好きな選手で言えば、九国の高城捕手が横浜、三好投手は楽天へ。楽天には、金沢の釜田投手も行きました。夏に釜田と投げ合った歳内は、阪神へ。
 横浜には、横浜高校で一番キャプテンだった乙坂(顔が日本人ぽくなくて印象的)や、帝京の伊藤投手も行きましたが。横浜の、くじ運……今年もチームの成績も状況もアレやったんですが、スポンサーも変わって、心機一転、若い選手たちがガンバレるチーム作りをやってもらいたいもんです。