「さまよう刃」2012/08/14 22:50

 せっかくのお盆休みなのに、雨で高校野球中止やなんて……
 明日は、大丈夫だろうか。

 東野圭吾作品は、TVドラマや映画や、たくさん映像化されていますね。
 着眼点がいいなーと思います。シンプルで分かりやすいテーマ、それを深いところまで突っ込んでいくことで物語に厚みができて。そして、ある程度以上に、納得のできる答えを提示してくれる。

 こないだの日曜日はオリンピックのために大河ドラマがお休みだったので、代わりに観ていた09年の映画。
 娘を殺された父親が、その犯人の命を付け狙う。寺尾聰が、なんか死にそうな演技をしています。「復讐鬼」って感じじゃないのです。
 父親の心にあるのは、怒りじゃなかったんですね。
 父親にとって、娘の存在こそが、全てだった。それを奪い取られて、彼にできることは何なのか。
 いかなる理由があろうと、犯人の少年を殺すことなど正当化できないのではないか。
 しかし、ひどい悪行をなした者が、未成年であるがために軽い罰しか受けないなんてことも、赦されないのではないのか。
 結構重いテーマで、父親や、警察捜査員の苦悩なんかもあるのですが、その辺は淡々としていて、もっとパンチの利いた演出があってもよかったんじゃないかと思います。重要なことだと思うので。
 クライマックスシーンは、さすがに盛り上がっていましたが。父親が犯人を殺すのか、警察がそれを阻止するのか……てな流れなんですが、でも、やっぱりこのお話で重要ポイントなのは、そういうサスペンス要素じゃないんじゃないかと思いました。
 罪と、罰と、裁く方法。
 その辺をめぐる人の苦悩を、思い切って重苦しく描いてほしかったかなあ。

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