「烏に単は似合わない」2021/07/24 11:43

長距離通勤電車読書に、芥川龍之介全集第一巻(ちくま文庫)をチョイスしたのは誤りだったか。芥川初期作品の土台にあるシニカルっていうか底意地の悪いモノの見方に毒されてくる。「鼻」なんかようやく坊さんの念願が叶ったのに周りから「あの人整形なんかしちゃって、ぷぷぷ」ってリアクションされて前よりも不愉快になってしまう、可哀想だ。でも妙に説得力があって、刺さるって意味では確かに傑作なんだけど。
でも、ちょっとキツイ。もっと軽い読み物を。




思っていた以上に軽い、ライトノベルでした。
史上最年少松本清張賞受賞、続巻も次々発表されていて、前から気になっていました。文藝春秋社がラノベファンタジー分野の開拓に乗り出し、押してきた看板作品。
登場人物は人間じゃないけど使用言語は日本語な、和風ファンタジー。内親王の名前(藤波)からタイガースの速球派投手を連想してしまう時点で、ちょっと自分には厳しい世界観。
ストーリーはこれだけでは完結していません。なんか色々欠け落ちていると思ったら、続編で舞台裏が明かされる構造(未読)。
ほんの幼い時分に抱いた思慕の情が、年ごろになってからも大きな影響力を発揮する。人生を大きく左右するほどに。
そういうことはあるでしょう、そういう人がいても不思議とは思わない。でも主な登場人物みんなその傾向があるのは不思議。そういう世界観(カラスだから?)なのか、著者・阿部智里さんの恋愛観か。幼馴染万歳主義者かな。

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