「護られなかった者たちへ」2022/01/23 21:59

重い。タイトルからして重そうで、中身も看板を偽ることなくちゃんとヘヴィです。
津波被害で、身も心も、空間全体がボロボロに痛めつけられた光景。そして年月が過ぎ、この地で陰惨な連続殺人が起きる。
観る者の感情を突き刺す始まり方で、しかし物語の中心に据えられたのは生活保護制度という社会問題でした。瀬々敬久監督はそういう社会派サスペンスのイメージ強いなあ。
このお話のどの辺りがノレないかというと、「確かに可哀想だけど制度の窓口担当者に恨みをぶつけてもしょうがないよ」という道理があるからで、では大切な人を失った悲しみをどう扱えば良いかってなると、そこに絶対の正解はないのでしょう。重い、重いよ。
ある登場人物が訴える。声を上げてください、人間捨てたもんじゃない、助けてくれる人がきっといる。
全くその通りで、みんなで助け合えばいいことなんですが、しかし、どうもこの国では、SOSの声を聞いてくれる善良な人ほど、自身の窮地に助けを求めるのを遠慮するような気がします。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://mimikaki.asablo.jp/blog/2022/01/23/9458456/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。