第83回センバツ、六日目―やっぱり悲壮だ2011/03/28 20:51

 帽子の庇に書かれた「2011.3.11東日本大震災」……ああ、そうだよね。野球ができる幸せ、なんて言っても、野球に集中できるわけないよね。

第一試合
 試合開始のサイレンが鳴り終わらぬうちに、スタンドに飛び込んだ初球本塁打。
 主将でエースで四番打者、な東北・上村投手の調子が上がらぬうちに、畳み掛けた大垣日大打線。初回に5点もぎ取って、六回にもダメ押しの2点。
 練習どころか、震災直後はライフラインも途切れ、食事だって育ち盛りのスポーツマンに適したものなんてなかったはず。もろもろの影響もあったでしょうが、しかし初回以降、打たれながらもよく踏ん張って、バックも練習不足を感じさせない動きでした。
 ただ、大量失点のあとに、元々打率はそんなに高くない東北打線が、昨年4強・大垣日大の葛西投手に挑むのは、やはりしんどかった。4安打、完封。
 東北野球部の、夢の時間はゲームセットとなりました。これからは現実の、普通の生活と普通の野球ができるようになるための、もっと長くてしんどい戦いが、再開されます。
 球児たちのプレーで被災地に勇気を。
 なんてダイソレタことを考える必要はないのです。
ただ、この度の夢が、あなたたちの次の戦いの力となることを、祈ります。

第二試合  ここから、二回戦に突入
 新潟・日本文理といえば、一昨年の夏決勝、球史に残る追い上げが思い出されますが。今回は九回表、犠牲フライの1点どまりでした。
 日本文理の好投手・田村と一回戦で4本塁打の九国打線との勝負でしたが、今回も11安打。四回に1―1の同点に追いつかれたその裏に3点とって突き放したのが効きました。

第三試合
 川上から流れてきそうなお名前、松本桃太郎くんの代打タイムリーで、1―0で北海の勝利。
 7安打打たれながらも、天理打線を完封した玉熊投手は、準々決勝であたる九州国際大付属の好調な打線を、抑えられるか。