「サガン-悲しみよ こんにちは」2011/04/30 00:58

 破滅するのは、私の自由。
 18でデビューし、名声と巨額の富を得たサガン。しかし映画の冒頭は、そんな彼女が淋しく弱弱しく老いたところから始まる。
 割と普通、というか。その才能でしこたま稼いだのにゴージャスな放蕩三昧で借金に追われるってケース、結構あるんですね(小室某とか)。天性のアーティストっていうのはそのくらい節制のない精神の持ち主でなければつとまらないのですかねえ。
 そんなサガンの精神構造というか人間性を深く掘り下げたものを期待していたのですが、正直、前半はけっこうウトウトしながら見ていました。ドキュメンタリー調というか、ぽこぽこと事実を積み上げていって、ターニングポイントでは彼女の、いかにもフランスっぽい格好つけたモノローグが入る。
 でもそこは、モノローグだけで次の場面へ向かわないで、その山場をどう乗り越えて行ったかをもう少し見せてもらいたかったなあ。
 陰鬱な音楽といい、人生の虚しさを感じさせます。