「ナイチンゲールの沈黙」2012/04/08 16:34

 今日の「題名のない音楽会」は、録画しておけば良かった。平原綾香のボイスパフォーマンスが、格好いい。ベーシストさんとのデュオ。もともとジャズの勉強していた人なんやなあ。
 人の声は、美しい楽器である。

 医療ミステリーのふりしたキャラクター小説、「チーム・バチスタ」シリーズの第二弾。大げさなあだ名をつけて気取った修辞で綴られるのは、この作者の特徴のようで、前回は一人称だったから「語り手がそういうキャラクターだから」と思えたわけですが、三人称でもこういう文章で突き進むようです。
 それだけならまだしも。
 歌によって、聞く人に鮮明なイメージ映像を見せることができるってのは、やりすぎなんじゃないでしょうか……
 医療ものであり、ミステリであり、キャラ小説であり、ファンタジーであり、さらにショタ(年の差……アカンやろ、小児科ナース)にまで領分を広げるとは。
 重い運命を背負った小児科病棟の子供たちと、ネグレクトな父親が殺害された事件ってのが本筋なので、そこに絞ればよいものを。いろんな要素が含まれる小説は嫌いじゃありませんが、この作者にはそれらをバランスよく配置しきれないんじゃないでしょうか。
 だから、前半はかなりタルいペースで、それを突き破るキャラクターが登場してくる後半から、ようやく話に引き込まれてきます。
 子供相手に大人げない白鳥捜査官に加え、型破りエリート警察官僚も登場。もちろん愚痴外来のグッチーも前作と変わらずイイ人です。
 そして、ほんのチョイ役でしか出てきてない「ジェネラル」速水医師が、ホントにほとんど出番がないにも関わらず、格好良い……
 このシリーズ、第三弾もそのうち手を出すことになりそうです。

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