東欧の風2019/06/23 09:18

夏至の午後荒野の熱風ヤナーチェク

村上春樹の小説に出てくる?それは知らないが、ヤナーチェクは昨年聴いた弦楽四重奏も先週放送のクラシック音楽館も格好良かった。もともとそんな予定ではなかったのだけど、無性に聴きたくなって当日券を求めてシンフォニーホールへ。
同じような人が多かったのか(春樹ファンもいるのか)、マイナー曲の割に、思ったよりお客さん入っている。指揮はヨエル・レヴィ氏、イスラエルの人。
オープニングは、チェコつながりでモーツァルトの38番「プラハ」。何度か聴いたことあるけど、今回が一番楽しく感じた。美しいプラハの街並みが目に浮かぶよう(行ったことないけど)。
休憩を挟んで、狂詩曲「タラス・ブーリバ」。ゴーゴリの小説を元にしたという。昨年聞いた弦楽四重奏「クロイツェル・ソナタ」はトルストイの短編小説を元にしているし、ロシア文学の影響受けた作曲家さんなのだ。軍人さんのお話なだけあって、猛々しさと悲劇性(かんかん鳴るのは弔いの鐘なんだろうか)が入り混じる。
直訳すれば「小交響曲」なシンフォニエッタ。30分足らずのサイズだけど、編成は「プラハ」よりもずっと大規模。オープニングのズラリと並んだトランペットのファンファーレだけで笑える。ヤナーチェクが同じチェコのスメタナやドヴォルザークさんに比べて日本で知名度低いのは気持ちよく鼻歌できるような印象的なメロディ重視じゃないからでしょうが、このファンファーレは、「タルカス」を思いだした。ロックだ。
激しく荒々しい音楽。荒野を吹き抜ける、熱風のように。