「メルトダウン」2011/04/14 00:23

 図書館で偶然見かけたこのタイトルが、とってもタイムリーに思えて借りてきた。
 94年小説現代新人推理賞受賞作品で、作者・高嶋哲夫さんは慶応の工学部出で原子力の研究所にも所属していたという経歴。うちの母は以前にこれを読んだ事があるそうで、さらに「この作者の人、この間TVに出てたよ」
 やっぱり、このタイトル……
 でも、内容の方は残念ながら期待はずれで、原発問題よりもどちらかといえばウィキリークスの公文書暴露の方を連想させます。しかし、科学者のエゴに付き合って原子爆弾の製造方法を新聞に載せようとする神経が私にはさっぱり理解できませんでした。それを表現や言論の自由と言うのはヘンですよ。
 新聞記者さんの仕事へのこだわりは独特のものがあると、「クライマーズ・ハイ」を読んだ時も思いましたが…
 舞台はアメリカ。西海岸での原爆問題と、東海岸で起きた殺人事件が話の大筋なのですが、その両者がなかなか結びつかない。人物描写もストーリー展開も事件の真相も都合がいいっていうか、甘くって。
 今、日本で起こっている現実の事件の方がよっぽど深刻でセンセーションで恐ろしい。
 テロを起こすなら核関連施設が効果的。
 というご意見は、大いに賛同しました。日本人なら誰もがそう思うはず。

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