「るろうに剣心 京都大火編・伝説の最期編」2014/09/20 00:26

 観客の目を釘付けにするアクション、それをさらに盛り上げる強烈な音楽、芸達者なキャスト。屋根の上を走る健くん、馬で疾走する健くん、チャンバラな健くん。
 前編を観て、これは今年一番の傑作だ!と大興奮で、期待して後編も観に行きました。
 そして、一つ分かりました。アクションも音楽も役者の芝居も大切ですが、その土台となる脚本がしっかりしていないと、文字通り台無しになってしまうのだ、と。
 映画として時間の制約もあるでしょうから多少の改変は仕方がないのですが、前編は基本的に原作のオイシイところをきちんとおさえた、うまい脚本だったのです。
 しかし後編はオリジナル要素が多くて、なんか弱い。いいセリフなのに何故かとってつけたように上滑りしてしまうのは、説得力が薄いからでしょう。
 だいたい剣心は、薫殿が死んだかもしれない時にすっぱりと奥義の修行に頭切り替えられるほどタフではないでござるよ。
 戦いが終わった後は仲間たちの笑顔が迎えてくれれば良いのであって、手のひら返したお偉いさんたちの敬礼(わざとらしい)なんていらないでござるよ。
 ボコボコにやられて京都で療養していたはずの人がいきなり東京での戦闘に乱入してくるとは、クライマックスシーンのはずなのに失笑ものでござるよ。
 おかしな設定や大勢の雑魚キャラを減らして、主要キャラの見せ場をもっと増やしてくれれば良かったのでござる。
 本当に、前編の評価と後編への期待が高かった分、余計に残念。
 ストーリーはギャグだと割り切って、役者さんのアクションを楽しむ映画。