「夜は短し歩けよ乙女」2014/10/06 23:29

 京都の大学生が主人公で、人外の皆さんとも一緒になって、夜の街を飲み歩いたり古本市で我慢大会やったり学祭でゲリラ演劇したり風邪が大流行りしたりするコメディ・ファンタジー。
 森見登美彦といえば、自虐と開き直りを繰り返すヘタレ屁理屈男子を書かせたら漱石をも凌ぐほどの実力の持ち主ですが、本書ではカワイイ女子大生までダブル主人公として登場します。
 ストーリーは「ご都合主義」なのですが、それは欠陥ではなく「持ち味」として使っちゃうのが上手いというか狡いというか。
 とにかく、楽しい。そしてカワイイ。
 ニヤニヤしながら読める、愛すべき小説です。

「バディ・コンプレックス」2014/10/08 23:48

 とても感じの良かった若者が、嫉妬に狂ってDVじみてきて変な実験台にまでなって、しまいには時空を超えたラスボスとなって帰ってくるお話。その可哀想っぷりは某果物仮面ライダーのミッチ君の比ではありません。70年間恨みを抱え続けて、ヒドイことしちゃってはいるのだけども、それでも無情なトドメの一撃を食らってしまったシーンは、なんだか哀れでした。タイトルからしても、この人が裏主人公と言っても過言ではないのです。
 サンライズのトンデモロボットアニメ。
 ストーリー自体は結構面白い。表主人公は少々突っ走り気味ですが基本イイ人ですし、何より周囲の人たちが冷静なのでちゃんと適切に対応してくれます。特に敵味方共現場指揮官がなかなか有能なので戦術的な面で粗が無く、戦闘シーンも良かったです。
 しかし、それなのに、笑い無しには視聴できません。
 主に、戦闘兵器のメカニズム設定がトンデモすぎで、おそらくはちゃんと真面目に笑いを取ることを計算した上での設定だと思うのですが。
 第一期放送がとても面白かったので、続きをとても楽しみにしていたのですが。
 第二期、ではなくて完結編前後編ってのが・・・・
 第一期終了時点のすぐ後からお話が続いていたり、主題歌が第一期と変わっていなかったりとか、なによりも、回収され残した伏線を放置しないでまとめてくれたことに大変満足だったのですが。
 でもやっぱり、駆け足すぎた。上手にまとめた総集編になってしまった。面白かっただけに、残念。ちゃんと二期として作って、非戦闘時のホノボノ感とかヒロイン視点でのタイムリープとかキチンと描いてほしかったのですが・・・色々、売上がよろしくなかったのかなあ。
 ガンダムの方に予算と人員取られたのかなあ・・・・・

嵐の中のベルリオーズ2014/10/13 23:38

 京セラドームのはずなのに今夜のオリックス戦が中止とTVにあって、もしかしたらと思って大フィルのホームページを確認。
 本日のコンサートは予定通り、とあって一安心。そうだよねえ、JRはずいぶん早々に運行中止を決めたけど、他の私鉄はちゃんと動いているし。
雨風が酷くなる前に帰宅できました。


 一曲目はチャイコフスキーの超メジャーなヴァイオリン協奏曲。華やかなです。楽章の間は拍手しないのがマナーだって分かっているのですが、ついつい第一楽章の後に手を叩いてしまう、つまりは初っ端から盛り上がる曲。
 朱のドレスに身を包んだ南紫音さん(美人さんだ!)のストラディバリウスが、とっても深く、よく響く。
 ただ、私ヴァイオリンの高音域のキインとした音は苦手なんですよねえ、低めに抑えた音色の方が好き。
 指揮:小林研一郎。この方も人気があるから、一度聴きに行きたいと思っていたのです。
 二曲目が、「幻想交響曲」。フランスの作曲家・ベルリオーズの代表作っていうか、ベルリオーズってこの曲しか知らない私。
 でも好きな曲です。自由自在な曲の展開が、正に幻想的で。
 女に振り向いてもらえないのに絶望してアヘン服毒自殺を図って、死に損ねた若者の幻想。つまりは薬物でラリった精神だったんですねえ、ベルリオーズさん。コバケンいわく、狂ってなんぼ、狂気の世界。
 ・・・・アーティストが覚醒剤に走って創作インスピレーションを得ようとするのって、ある意味合理的なのかなあって気もしてきます。
 弦を引き千切るような勢いで思いきり弾くコントラバスや、心細げに主旋律を奏でるクラリネット(たぶん)が印象的。
 最終の第五楽章には「ワルプルギスの夜の夢」(原題ではサバトの夜歌?)で、魔法少女のイヌカレー戦闘シーンを思い出していました。ホントにあんなイメージの曲だなあ。