夏、終って2010/08/22 23:24

 本当に今年の夏は、例年より麦茶を冷やす回数も冷凍庫の氷の使用量も明らかに多くて。
 まだまだ暑いですが、そよそよと風が流れ、昼間に青年団の皆さんが吊り下げていた提灯の列がゆらゆらと宵闇に灯っています。

 秋ですね。
 甲子園球場から球児たちが去ってしまうと、もう気分的に秋です。どんなに残暑が厳しくても。
 高校野球雑誌もそろそろ今年の大会のが出てくるでしょうし、どれを購入しようか。
 今年は決勝戦に代表されるように接戦が少なく、圧倒的な打力で一気に大量得点を取って試合を決めるゲームが目に付きましたが、しかしそういう試合を作ってしまったのは強力打線より寧ろ守備のほころびだったように思えます。
 野球失策は付き物ですが、しかし、「そのミスによって試合がドラマティックに盛り上がった」と感じるものと、「そのミスによって試合が壊れた」と感じる時とがあります。仕方ないよ、と思うか、残念だ、と思うかの違い。
 何万回とノックを受けてきて、その成果を発揮できないもどかしさ。試合では焦ってしまうのでしょうね。技術うんぬんより、メンタルの強さがモノを言ったのです。
 そして、圧倒的強さで春夏連覇の偉業を成した興南は、心技体全てにおいて本当に優れていたのですが、余りにも強すぎて。大差が付いた決勝戦にしても、一番好印象だったのが敗れた一二三投手の序盤の気合の入りよう(ぶっ壊れてもいい、という言葉のとおり)だったりします。
 そういう意味でこの夏の興南の一番の見せ場は準々決勝での5点差をひっくり返した試合だったわけですが、それも確かに凄いのですが、しかし何か物足りない。
 PL戦の死闘を勝ち抜いた松坂とか。
 5打席敬遠の松井とか。
 田中と再試合を投げ合った斉藤とか。
 ただの強豪ではない、「伝説」となるには、それ相応の苦難が必要なんですねえ。(ある意味、興南にとっての苦難は昨年の打てなかった時期とか「沖縄」の歴史なんでしょうか)
 沖縄勢の強さが目立つ近年の高校野球界ですが。
 これからは、彼らに匹敵する強いチームを、全国で作って行って欲しい。
 報徳の一年生投手とか、聖光の二年生投手とか、今後が期待される素材もあることですし。
 さあ、秋です。