「悪夢の棲む家」2010/08/23 13:54

 毎年、夏の終わりには読み返しているような気がします。
 小野不由美の悪霊シリーズの続編。悪霊シリーズ本編は図書室で読んだので漫画版しか持っていないのですが。
 ていうか、本編を読む前にこの続編の方を読んでしまって、本編のネタを先に知ってしまったのが今でも残念に思います。
 小野不由美はホラーでもファンタジーでも、どこか出来の良い推理小説を思わせる、理論的な書き方で説得力を持ちます。お話の一つ一つの要素がピタリピタリとはまって、読み終わると完成されたジグソーパズルを見るような気になります。
 購入した家屋に引っ越してきた母娘は、数々の怪異に見舞われる。依頼を受けて調査に乗り込んでくるSPRの面々と、このお話で初登場の、心霊現象否定派頭カチカチ公務員。
 この家で起こる異変はイタズラなのか、それとも幽霊の仕業なのか。
 ホラーなので、悲しくて怖いシーンももちろんあるのですが、ナルちゃんによる理論武装した毒舌に他の面々によるお笑いが楽しい。
 キャラクターが面白いんですよねえ。私はぼーさんが好き。

 早く新刊、出してもらえないかなあ。