「帰ってきたヒトラー」2019/11/17 12:28

Er ist wider da 2015年のドイツ映画で、最近イタリアでムソリーニ版が制作されてしまったくらい話題になった。当時気になっていたけど見逃してしまったこの作品、深夜TVで放送してくれていたのをウキウキ録画。
数ある「ヒトラーもの」の中でも問題作とされるこのコメディ映画、印象的なところを三点あげるとすると、
ひとつ、ヒトラーが格好良い。タイムスリップ(?)して現代によみがえった彼は、現状を把握するべくせっせと新聞を読んで勉強し、市井の人々の政治に対する不満に耳を傾け、気さくに求められるまま写真撮影に応じる。
そして堂々たる態度で民衆に道を指し示すのだ。まさに人々を導く頼れるリーダーの姿。
ふたつ、「お前のことは覚えている、まったく同じだ!!!!!!」認知症の老婆の中に消えることのない、ユダヤ人虐殺の恨みが、怒りが、激しく燃え上がる。そう、民衆が求めた頼もしい指導者は非道な狂人であったという、真実。
みっつ、犬重要。大人気のヒトラー総統芸人が一斉に非難を浴びることになったのは、癇癪起こして犬射殺した映像のため。ドイツ人犬大好きですねー。ヒトラーの精神の幼稚さとかよりも、「いぬ可哀想」という単純な感情論こそが物事を動かす。
ヒトラーはよみがえる。
みんなの中に、彼はいる。

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