松林図屏風、近く遠く2017/11/11 01:18

京都国立博物館、混んでいる時は地階のトイレが空いています。ベンチで休憩もできる。

チケットが一枚余ったので、「国宝展」第三期も行ってきました。四期の杜若図屏風と迷ったのですが、等伯の松林図屏風にしました。
前回は雨やら大混雑やらでしたので、今度は金曜日に半休取って、夕方から行きました。
まずはお庭の散策から。勇壮な建築、台座の上の考える人、吹き上がる噴水、色づき始めた木々、平安時代の石仏が佇み、マスコットキャラが愛想を振りまく……晴天だと、敷地内でのんびりするだけでも癒される感じです。
そうやってグズグズしていると、やっぱり混んできました。
前回見たものはさっと通り過ぎるだけ。金印の列には並びませんでしたが、源氏物語絵巻(柏木)は並びました。平家納経(大河ドラマで観た!墨痕黒々鮮やか)にシビレル。牧谿のお猿さんがカワイイ。
そして、お目当ての松林図屏風ですが、まず、「これは展示の仕方が悪い!」と思いました。明らかに、近づいて細部を見るより少し離れて全体を鑑賞する方が良い、というかそうじゃないと全然面白くない作品なのです。しかし、常にガラスの前に人がいて、離れて全体像を見るなんてできやしません。
屏風に張り付いて見ようとする人の気持ちも分かりますよ。でも私と同じように離れた見ようとして不満げな様子の人は少なくありません。混雑でも、ガラスケースのもう少し手前に立入不可ラインを設けるべきなのに……
しかし、閉館間際に再度近世絵画コーナーに行ってみると……松林図屏風から離れた位置に人だかり、最前列の人はしゃがんで鑑賞。人が少なくなって係りの人が正しい鑑賞スタイルを案内したのか、お客さんが自発的に賢い譲り合いをしたのか。
時々空気を読まずにみんながあえて設けた屏風前の空間に踏み入ってくる人も出てきますが、ちゃんと霧の中の松林を味わいました。
長谷川久蔵の桜の花霞も、丸山応挙の黒い松白い雪の鮮やかさも。ちゃんと全体像を見た方が良い、絶対、良い。
……前回観た風神雷神図も、こうやって見たかったなあ、接近して観たんじゃ構図の妙が判りづらい。
今回は豪華図録も買って帰りました。こんな分厚いの全部読んでいるヒマないって分かっているのですが。

雨の京都、風神雷神2017/10/29 23:41

雨にぬれる京都国立博物館、朝一から長蛇の列。国宝展・第二期の最終日で、宗達の「風神雷神」展示がこの日までだったからか。帰りにはそこまで列は伸びていませんでした。台風の接近が午後以降って予報のため朝一に集中したのかもしれない。
意外とお子さんの姿も。一緒に行った友人によると、ビジュチューンなる番組が小学生に人気なのだという。
とにかく一時間ほど並んでから、空海さんの書からスタート。
火焔型土器の圧倒的個性的造形にニヤニヤしたり、
雪舟の秋冬山水図の枯れた美しさにホレボレしたり、
仏画や絵巻物の登場人物のユーモラスさにホッコリしたり、
豪華花嫁道具の数々に徳川家の力を見せつけられ、
凛々しく且つ優美な刀剣・鎧に、
中華風とも和風とも東南アジア風とも思えてしまう琉球衣裳。
ペルシャ風に見えるけどメイド・イン・チャイナ、有名な夢殿の獅子狩紋様錦にしみじみ感動。
しかし、人ごみの中、ミュージアム・ショップも含めて三時間以上かけて見て回って、結構クタクタです。焦らず休憩を取りこっそりカロリー補給しつつ堪能するのがベストかな。

雨の京都、Rapsodie espagnole2017/10/29 23:36

生憎なお天気の週末になってしまいましたが、二日続けて京都市内へお出かけです。

鴨川合流地点、下賀茂神社は初めて。南北に延びる糺の森は、紅葉でも美しいでしょうが、雨でもそれはそれで趣があります。瀬見の小川を渡り、河合社の、再現方丈も見ました。鴨長明さんの簡易住宅、こじんまりとした愛らしさがあります。
相生社、舞殿、みたらし池、花嫁行列。東西の本殿は国宝なんだそうですが、残念ながら賽銭箱とそのずっと奥にご神体があるんだろうなあってだけであんまりいいカンジには見えません。
それから下賀茂本通りを北上し、この日のメインイベントは、渦巻きスロープ・京都コンサートホール。大フィルの特別公演は、以前井上さんのラテンのノリが楽しかったので、今回のスペイン特集も聴きたくて。
●ラヴェル/スペイン狂詩曲
 ひそやかに忍び寄ってくる、ファンタジックな妖しさ。
●ロドリーゴ/アンダルシア協奏曲
 四本のギターとオーケストラ。ギターとトランペットの組み合わせがこんなに格好良いとは。
●ムソルグスキー(ラヴェル編)/組曲「展覧会の絵」
 友達の展覧会の絵にイメージ曲をつけたムソルグスキーさん。いろんな人に編曲されているのは、それだけ魅力があるってことでしょう。大植さん指揮では何回か聞いたことがあるナンバーを、井上道義指揮で。井上さんの指揮は振りつけっていうか創作ダンスっていうか動きが面白いです。

あんまり長くないエキゾチックな曲を三つと、アンコールはハロウィンにちなんでハチャトゥリアン/仮面舞踏会。

つつじを見に2017/05/05 23:15

駅から徒歩15分と書いていましたが、山に向かって登っていくので結構キツイ。
三室戸寺。西国三十三所の十番なので決して格は低くないのですが平等院に比べればうんと知名度に劣り、その分混んでいなくて。
ハスやアジサイ、紅葉なども楽しめるそうですが、一番の売りはツツジ二万株、なので観に行くなら今。山の斜面にツツジの壁。地形を活かしています。ツツジの通路の真ん中に茶屋が設けられてます。
調子にのって、道なき道をずんずん登っていきました。良い眺め。ざっくりとした木の伐採跡から、きっと予算があればこのあたりもちゃんとした道と展望台作る気なんだろうなあ、と思いました。
……お寺って、観光のための施設ではなかったような気もするのですが、来場者(参拝客ではなく)を楽しませるべくお庭を整えることは避けられないの時代なのか。
出口のお土産売り場で、地元菓子屋の蕨餅を購入、昼食後のデザートに頂いたら大変美味でした。

平等院2017/03/19 12:55

お茶でおなじみ、宇治へ。
面接は午前中で終わり、次の面接まで時間があったので、お昼ご飯に茶蕎麦を頂き、何年振りかで平等院へ行ってきました。割と最近改修があったようで、鳳凰堂の朱も鮮やか、屋根のトリさんも金ぴか。
ご本尊の大日如来に、壁面を舞う雲中菩薩たちの楽しげなこと。
この日は風の強い曇りでしたが、気候が良ければもっと美しかったことでしょう。
栄華を極めた大貴族が、極楽浄土までをも求めた。それは貴族の傲慢なのか、終末への恐れ(死の訪れだけは庶民も金持ちも平等)の裏返しなのか。

東より2014/05/01 00:32

 奈良京都が近所にある関西人の多くにとってなじみ薄い東の古都、鎌倉へ行ってまいりました。初鎌倉。
 丸2日間で、1.5日は鎌倉寺社巡り、0.5日は横浜元町通りとか赤レンガ倉庫とか中華街とかをウロウロしていました。中華街では豚まんを食べました。たくさんお店がある中で、おそらく一番値が張るであろう一個500円。多種類の具材が使われて美味しいのですが、汁が多くて垂れてくるのが難点。それだけでお腹いっぱいになるビッグサイズでした。
 鎌倉は、なんといっても六月がアジサイ・菖蒲が美しいと言われるのですが、今回は四月末。木蓮も藤も盛りを過ぎ、ツツジも今一つ。それでも、「お花観光押し」な鎌倉です。建長寺の牡丹は見事に花盛りでした。シャガ(射干)もあっちこっちで可憐に咲いていました。
 シャガは普通に山中の草むらに薄青く咲く花ですが、鎌倉は山の多い土地。山の斜面に寺社が立つ。メッチャ山登りでした。京都のお寺巡りでは見られない、岸壁を四角くくり抜いた中にお墓をつくる様式がたくさん目につきました。やぐら、と言って、これも平地が少ないが故に、そういう形ができたのだとか。
 鶴岡八幡宮や源氏山のあたりは、修学旅行生や遠足小学生が多かったです。月曜は平日でしたからね。
 大仏の中にも入りました。入ったところで何があるわけでもない狭くて薄暗い空間なのですが(大仏建造の技術的なこととか見ただけで分からんもん)、でもプラス20円で国宝の中入れるなら、と。奈良の大仏よりも小柄で、銅像でピカピカしていないし豪華台座もない青空をバックにした大仏様は、なんとなく気安い感じがしました。
 鎌倉大仏にも昔は大仏殿があったそうですが、大水で流されてしまったそうです。海に近いのも、奈良京都とは異なる趣です。相模湾はキレイでウインドサーフィンがたくさん出ていましたが、残念ながら、富士山は見えませんでした。日差しはあったけど、水平線上の空は白く靄がかかっていて。
 それでも、お天気がもってくれただけ良し、とするべきか。二日目に元町をうろついている頃からパラついてきましたが、傘は使いませんでした。
 食べ物は、蕎麦が美味しかったです。シラス丼も。しかし、生シラスは食べ損ないました。春が旬だっていうのに。鎌倉カスターも、買い忘れてしまった!
 次に行くときは、有名なアジサイの季節か、江の島の方面に行こうかな。

高松城2013/11/07 11:59

 先日瀬戸芸に行った際、帰りのバスまで時間があったので、最後に高松城跡(玉藻公園)の夜間無料開放を覗いてきました。
 城跡なので中は広く、その割に入場者が少なくて、たまに人とすれ違うとちょっとホッとするくらいです。
 菊花展や新作石燈籠の展示もあり(けっこう面白かったです)、小道にはもちろん明かりが燈っているのですが、進入禁止の石が置かれたその先は、人工の光の届かない暗闇が静かな塊となっています。
 幽玄。

「八重の桜」2013/05/26 23:47

 今年の大河ドラマは、思ったよりイイです。
 これまでは、京都が舞台になると大河ドラマ、会津が舞台になると朝の連ドラって感じで、この二元構成が効いていると思います。歴史の大きな流れと、一般の人たちの日々の営みの対比が。
 やがて、その両者が合流する。その運命が徐々に、盛り上がります。
 ただ、その盛り上げ方が、悲壮感に溢れてるんですよねー。最初の頃から「会津やばいよ」って空気に満ち溢れていて。
 で、実際歴史を見れば、まさにその通り。明治時代の始まりは会津の悲惨な状況の幕開けで。ドラマ制作スタッフはホントに真面目に忠実に会津の歴史に向き合っているなあって思うのですが。
 ・・・・会津の人たちは幕末から明治にかけて凄いビンボウクジひいて、平成の世でも福島は原発事故で酷い目に合っているのだと思うと、なんだか、いたたまれないような気持ちになってきます。
 福島応援の意味も込めて、会津出身者を描く大河ドラマにしたのでしょうが・・・・主人公の年表見ると、彼女の本番は京都に移って来てからって感じもします。
よってたかって会津がめった打ちにされる歴史ドラマを、地元の方々は、どのような思いで視聴されているのでしょうか・・・・

「広重と北斎の東海道五十三次と浮世絵名品展」2013/05/13 00:21

 副題に、「歌麿・写楽から幕末バラエティーまで」とあって、結構バラバラですが、メインは歌川広重の最初の東海道もの「東海道五拾三次」全55枚。
 うちから原付で20分くらいの文化ホールでの美術展で、五時を回ってもホタルノヒカリとか流さずにダラダラ見せてくれました。親切。

 広重晩年の「五十三次名所図会」がキレイな遠景・淡泊なのに対し、「五拾三次」の方が近景で書き込みが細かくて、人物がユーモラスです。
 各浮世絵の説明も結構詳しくて、江戸時代の風俗を感じつつ、旅気分でした。

そして東山散策2013/05/04 08:00

 そして東山散策。
 京都国立博物館近くの且座喫茶で蕎麦を食べ、とりあえず目の前の三十三間堂へ。建物と本尊は国宝、合唱隊のように階段状に並んだ重文。たくさんの手と顔を持つ異形の象が一千一体、整然と並んで、数で押してきます。
 国宝の風神雷神、二十八部衆像の前には解説のキャプションがあるのですが、日本語よりも英語解説の方が明らかに情報量多い・・・なんで日本人向けには手抜き?
 前に来た時も思ったのですが、足元が冷えるんですよね。厚手の靴下をはいてくるべきでした。五月なのにちょっと肌寒い日でしたし。
 それから北へ。豊国神社(絵馬がひょうたん型)で国宝の唐門、その隣の方広寺で例の有名な大鐘を見る。秀吉ゆかりの寺社のすぐ近くに、彼の政策の犠牲たる耳塚が祭られています。地味だけど戦国末期の時代の流れを感じさせる場所です。
 三年坂や二年坂の土産物屋を冷やかし、八坂の塔(法観寺)のわきを通り、東山霊山の山麓、鷲峰山・高台寺へ。すでに日が暮れかかっていましたが、時々ライトアップ夜間拝観をやっているところです。中に入るのは今回が初めてだったのですが。
 ライトアップはまだしも、「電飾」はどうなのでしょう?枯山水は水のない所に水を感じさせるものだとばかり思っていたのに、水の代わりに電球を配置するって・・・・ある意味、前衛芸術に近いモノかもしれませんが。
 残照の中の庭園を歩き回り、日が落ちて雰囲気たっぷりの狭い石塀小路に迷い込み、そして、宵闇の中で明々と燈る提灯。
 八坂神社も、いつもさらっと通り過ぎるだけなのですが、今回も提灯で明るい舞殿ばかりが目立って(それはそれで、雰囲気はあるのですが)、重文の本殿や石鳥居なんかはあんまりはっきりしません。
 なじみの薄いところは、ちゃんと日中に観て回る方が良かったなあ。
 京阪四条近くのニシン蕎麦屋でニシン定食を食べて、帰宅したのは十時過ぎ。丸一日、京都でした。