「すばらしき世界」 ― 2021/02/14 23:12
長いオツトメを終えた男が堅気になろうと老眼鏡掛け、職探しをするも、思うようにいかない。結局かつての極道仲間といる方が歓迎されるし肩身の狭い思いをしなくて気楽だ。しかし彼らのような古いタイプのヤクザに未来はないことも分かっている。「娑婆は我慢の連続ですよ」
世の中にそうした生き辛さがあることは承知していたはずだけど、それでも凄く、悲しみがこみ上げてくる。役所広司演じる三上のキャラクターの魅力だ。几帳面で実直、良くも悪くも感情的で、笑顔は人懐こく理不尽に対して本気で怒る。三上の経歴は完全に社会の鼻つまみ者、でも彼を直接知る人たちは、後継人の弁護士もケースワーカーもみんな彼に好意的で助けの手をさしのべ、ようやく就職が決まった時には喜んでお祝いしてくれるのだ。
本作は実在の人物が主人公のモデルであり、ノンフィクション小説を原案としているけど、自分でオリジナル脚本を書いて撮るのが西川美和監督だ。
新しい居場所を失くさぬために職場のいじめを見て見ぬふりし、その日の晩に三上は病に倒れて亡くなった。パンフレットの、就職決まった時の笑顔のカットが悲しすぎる。
世の中にそうした生き辛さがあることは承知していたはずだけど、それでも凄く、悲しみがこみ上げてくる。役所広司演じる三上のキャラクターの魅力だ。几帳面で実直、良くも悪くも感情的で、笑顔は人懐こく理不尽に対して本気で怒る。三上の経歴は完全に社会の鼻つまみ者、でも彼を直接知る人たちは、後継人の弁護士もケースワーカーもみんな彼に好意的で助けの手をさしのべ、ようやく就職が決まった時には喜んでお祝いしてくれるのだ。
本作は実在の人物が主人公のモデルであり、ノンフィクション小説を原案としているけど、自分でオリジナル脚本を書いて撮るのが西川美和監督だ。
新しい居場所を失くさぬために職場のいじめを見て見ぬふりし、その日の晩に三上は病に倒れて亡くなった。パンフレットの、就職決まった時の笑顔のカットが悲しすぎる。
最近のコメント