「開幕ベルは華やかに」2024/12/11 21:53

作中「殺す」という発言が頻繁にあり、実際に殺人事件も起こる。しかし、サスペンス要素は、ほんのオマケみたいなものに感じました。
「華岡青洲の妻」で時代小説を題材に女たちの人生と心理を描き出した有吉佐和子、現代小説では怨念に満ちた演劇界を描く。
聴衆を魅了する絶対的天才は、舞台裏で他者の人生を踏みにじり振り回し悪びれることなく生き血をすするような、犠牲の上に立っているのだというお話。
登場人物は多いけれど、大女優の特異な人間性に全部持って行かれます。
芸能の世界の、なんて華やかで、残酷なこと。