「歩道橋の魔術師」 ― 2026/05/09 15:57

天橋上的魔術師
2021年の河出文庫、表紙の装画も著者・呉明益で、びっくり。この絵によって、日本人には馴染みの無い中華商場という作品舞台がイメージしやすくなります。
台湾作家の小説は初めてでしたが、なんとなく村上春樹っぽいイメージ。具体的にどこがと言われると、なんだか意味があるような無いようなエピソードが一人称で語られるってくらいですが。
40代の大人になって、80年代あたりの子供時代を回想する。ほのぼのしたノスタルジーよりも、死と消失のイメージが濃い。そして、子供達に不思議を見せる、魔術師。
現実を異界が交わる場。登場人物が皆本名でなく通称(トムとかテレサとか英語名が多い)で語られたり着ぐるみで象になったりしているのは、彼らが異界に足を踏み入れた存在として描かれているってことなのか??