「本屋のダイアナ」2022/07/10 00:15

好みも家庭環境も全く違う、しかしお互いに対して(小学生らしい無い物ねだり的な)憧れを持つ少女たちの、成長物語。
柚木麻子の小説は設定や展開が上手くいきすぎに感じることがあって、この作品もその類なのですが、しかし読んでいて違和感はありませんでした。両者の主観と客観が提示されるダブルヒロイン構成がいいバランスで、そして何よりも彼女たちの共通の趣味である少女小説が、なつかしい。作者の愛を感じます
……文庫本巻末にお馴染みの<既刊シリーズ>に、「赤毛のアン」シリーズをはじめとした作中で触れられる作品名著者名がズラリと並んでいるのには笑いました。
アンと、その腹心の友、ダイアナを、等サイズで描くイメージ。それに、柚木麻子の一大テーマである女性問題も絡めてくる。
女たちの実情と理想が読める。

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