「雲は湧き、光あふれて」2023/05/04 22:24

高校野球ファンですが、高校野球小説ってほとんど読んだことないかも。野球漫画は読むけど。野球モノは、ノンフィクションに熱い名作が多いのですが、小説では、どうか。
たいへん、ツボでした。高校生男子特有のエモさっていうのかなあ。この間観た「THE FIRST SLAM DUNK」もそうですが、笑っても泣いても苦しんでも、キラキラだ。
野球技術や戦略の細かい部分は描写されず、雑誌Cobaltや集英社オレンジ文庫の読者の求めるところを存分に提供してくる。
3編あるうち、最後の一つは、舞台が太平洋戦争中。不幸な時代に青春時代を台無しにされた野球人たちのエピソードは、ある意味語り尽くされているのですが。著者執筆当時に予見できるわけありませんが、コービック19のために大会が中止になったり、開催されてもチーム感染で辞退することになったり、まだ記憶に新しい悲劇とも重ねて読める。
須賀しのぶ、何を書いてももの凄く達者な作家さんとの評価に、偽りなかった。他の作品も読んでみよう。

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