モーツァルト、モーツァルト、モーツァルト、2017/12/01 00:35

先週、勤労感謝の日に聴きにいった、大フィル定期公演。
モーツァルトの交響曲さいごの3つ。モーツァルトはBGMにはうってつけだけどじっくり聞こうとすると眠たくなるのですが、これらは有名だから。
三大交響曲っていいますが、39番をじっくり聴いたのはこれが初めて。
40番は、モーツァルトには珍しい短調ですが、暗くも重くもなく、やっぱり優美。モーツァルトらしい軽快さの中に緊張感を含む感じで、好きな曲です。
そして41番、「ジュピター」。
コンサートのあと梅田へ出たのですが、一緒に呑んでいた人が「(クラシックは聴かないけど)これは知っている」と。アニメのBGMに使われていたそうです。どんなシーンなんだろう。ど派手に踊り狂っているような場面(イメージ)???

東寺へ2017/12/17 07:03

この時期にこういう所へ行くと、必ず注文してしまう善哉。若い衆のように抹茶ソフトなんかオーダーできません。暖と糖を補給。

法大師さんゆかりの東寺へ。正式名称・教王護国寺ってなんか偉そう。
先月散々国宝仏像見たのにまたかいって感じですが。
最初に食堂で朱印記載してもらって版画展を見て回って。
どっしりした薬師如来さんに、その下の十二神将さんたちの、今にも動き出しそうな躍動感。静と動。
ずらり並んだ立体曼荼羅、彼らを見ていると深夜に密やかに会議など行っているような気になってきます。「今日はかわいい娘が来てたね」「あの不倫旅行の二人には仏罰当てとこうか?」……なんて。漫画の「とめはね!」でもあったけど、端正なお顔の帝釈天さんが象に座ってポーズ決めているのはなんか笑えます。
宮本武蔵作の襖絵はなんだか薄汚れていて鷲が飛んでいるの、分かりにくいです。
五重塔は近くで見ると巨大で貫録あります。これは内部も見てみたいなあ。

「風と共に去りぬ」2017/12/23 22:54

Gone with the Wind
今年の秋から初冬にかけて、私の夜更かしの一因になっていたのがこの大河小説。
「伊藤君A to E」で語られていたので読んでみたのですが(読了後改めて読み返してニヤニヤしたり)、これがメチャメチャ面白い。さすが。
文庫本で5巻もあるのですが、内容充実です。
まず、歴史ものとして面白い。目からウロコ、米国史って。かの国でも「欲しがりません勝つまでは」的な時代があったなんて。今の北朝鮮が二本の戦前戦中に通じるところがある、という意見を目にしたことがありましたが、南北戦争時の南部アメリカにも重なる所があるかもしれません。
アトランタ陥落までのリアル、軍隊による略奪、占領下の治安の悪化。
歴史って、時代も国家も民族も越えて繰り返されるのかなあ。
そして、スカーレットを中心とした四角関係。スカーレットっていうのはギャルのイメージ(?)
美人で勝気、虚栄心が強く何事も自己中心的。目先の欲求を追求するためには抜け目なく力強く行動するけど深い考えは持たないので結構いろんなものを失っていく。
エゴイズムって、男が描くと暗くて卑屈で重苦しくなりがちだけど、女性視点で描くとある種の活力の方が勝ってくるのはなぜだろう?
お友達になるにはちょおっと度胸がいるけど、でもこういう人ってきっといるよなあ。独自の道を歩いて成功するか、逆に何もかも失って破滅するかってタイプ。
今回は新潮文庫版だったけど、いつか岩波文庫版で読み返してみたいなあ。

「おちくぼ物語」2017/12/30 23:48

きっかけや経緯は様々あるでしょうが。
相手の人格を無視して強制的に自分の支配下に置こうとする。その自己中心的な非道さに、自分では気づかない。自覚のないまま、暗い歪みはエスカレートしていき……

1979年の文集文庫の新装版。これが出版社の姑息な手段だと分かってはいても、いのまたむつみの表紙絵がカワイイことに異論はない。平安時代のお姫様がこんなお目目パッチリ美少女なわけないことなど大した問題ではなく。
作中でこの時代の生活風俗について色々解説してくれていて(石山詣でとか、結婚の仕組みとか、方違えとか)、なんか田辺聖子による平安・古典文学入門書、を読んでいる気にもなってきます。……ジャパネスクを思い出すなあ。
また、田辺聖子による人間解説(要するに、男ってやつは、女ってやつは、という)もどこか冷めた感じが面白いです。
ストーリーは単純なもので、継母に虐められているお姫様がリッチなイケメンに助けられてめでたしめでたし。
しかし、この姫様の、人は良いけど気弱すぎる部分に、ちょっとイライラしてきます。もっとガツンと言ってやればいいのに、と思う場面がいくつかあって、歯がゆい。
きっぱり自己主張しない女の方が悲劇のヒロインって感じはするのでしょうが。
現実は、素敵な殿方が助けてくれるなんてことは滅多にないのです。
人知れず、餓えて凍えて死んでしまうかもしれないのだ。
殺してしまうかもしれないのだ。