「女のいない男たち」2021/10/23 12:13

先月観た映画の原作本。原作っていうか、原案っていうほうが近い気がします。多言語とか手話とか特徴的な要素は、脚本オリジナルだった。それでいて、元ネタ小説のニュアンスはどこか、残っている気がします。物語を生きる、演じる、その中からの生まれ出る本質的な言葉。
まあ、そもそも村上春樹作品は、解釈の幅が広いものですからねえ。
巻末の描き下ろし作品がこの短編集の表題作であり一番短かったので、それを先に読んだのですが、これが、独特のメタファーに彩られて具体性がとぼしく、つまり私の苦手な読みにくさなのです。
ところが、他の5編は、普通すぎるくらい普通に明確な物語。どうやら、私は読む順番を間違えたようです。女に去られた5人の男たちが抱える、空虚感。それを5つ積み重ねた後、抽象的な世界観へ入っていくべきでした。

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