「平家物語 犬王の巻」 ― 2023/01/05 23:19
古川日出男著、河出文庫で、解説は池澤夏樹。昨年観たアニメーション映画の原作小説。
小説ですが、明らかに映像向けっていうか、読む、よりも語る・聞くを意識した文体。
リズム重視、繰り返しを多用し、情景描写はほぼ無い。
空白の多い語り文芸なので、そこを自由に埋めていった映画版の方が濃密で面白い。そのうえで、映画では略された犬王舞台についての説明や、権力者・足利義満の人物像、歴史的背景なども分かり易く興味深かったです。
ラストで犬王が友魚の霊を迎えに行くところは、原作の方が私好みでした。
呪いを受け、一人は視力を失い、一人は醜く崩れた肉体で生まれてきた。琵琶法師として、能役者として生きた二人。霊験の闇、現世の闇に囚われた彼らが、光を目指します。
小説ですが、明らかに映像向けっていうか、読む、よりも語る・聞くを意識した文体。
リズム重視、繰り返しを多用し、情景描写はほぼ無い。
空白の多い語り文芸なので、そこを自由に埋めていった映画版の方が濃密で面白い。そのうえで、映画では略された犬王舞台についての説明や、権力者・足利義満の人物像、歴史的背景なども分かり易く興味深かったです。
ラストで犬王が友魚の霊を迎えに行くところは、原作の方が私好みでした。
呪いを受け、一人は視力を失い、一人は醜く崩れた肉体で生まれてきた。琵琶法師として、能役者として生きた二人。霊験の闇、現世の闇に囚われた彼らが、光を目指します。
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