第106回選手権大会、3回戦最後の激闘 ― 2024/08/18 18:08
第106回選手権大会、3回戦最後の激闘
まだベスト8が出そろったところですが、おそらく、今大会随一の名勝負となったのではないでしょうか。私の見た限りでは、ここ数年のうちでも一番の、熱いゲームでした。
勝利した大社高校も、敗北した早稲田実業も、失策が失点に絡み、会心の試合運びとは言えないでしょう。しかし、両校とも、2回戦に続くタイブレークまでもつれる、しびれる守り合い。
選手にとって痛恨のミス、しかし試合は盛り上がる。試合終盤レフト前安打をトンネルしたスキをついた、激走の勝ち越し点。しかし、相手のミスから得た一点差は、最終回に味方もミスから追いつかれる。
そのまま、九回裏サヨナラ、となるはずだったのに、大社の勢いを止めた、早稲田実業の和泉監督の采配。内野五人シフトで、レフトゴロ(内野なのに!)からの一塁アウト、本塁を刺して窮地を逃れます。
高校野球にタイブレークが導入されてから、対策としてバントを含めた内野ゴロ処理技術が格段に発達してきた感じです。延長十回は両チームとも、バントで走者を進めることができません。
2-2のまま迎えた十一回裏、緊張感の中、奇跡のような三塁線バント。後で知ったのですが、監督が「バント決める自信がある者」とベンチ内に問い、立候補して代打に立ったのが二年生の安松選手だったそうです。この夏初打席、最高の一打を、決めました。
無死満塁、舞台が整ったところで、主役が打席に立つ。今大会、ずっとマウンドで投げ続け、自らを鼓舞して吠え、この日も球数150近くとなる、馬庭投手。早実二番手川上投手の足下をくぐり抜ける、サヨナラ安打。
勝者も敗者も涙、3-2で幕を閉じた、感動のゲームでした。
まだベスト8が出そろったところですが、おそらく、今大会随一の名勝負となったのではないでしょうか。私の見た限りでは、ここ数年のうちでも一番の、熱いゲームでした。
勝利した大社高校も、敗北した早稲田実業も、失策が失点に絡み、会心の試合運びとは言えないでしょう。しかし、両校とも、2回戦に続くタイブレークまでもつれる、しびれる守り合い。
選手にとって痛恨のミス、しかし試合は盛り上がる。試合終盤レフト前安打をトンネルしたスキをついた、激走の勝ち越し点。しかし、相手のミスから得た一点差は、最終回に味方もミスから追いつかれる。
そのまま、九回裏サヨナラ、となるはずだったのに、大社の勢いを止めた、早稲田実業の和泉監督の采配。内野五人シフトで、レフトゴロ(内野なのに!)からの一塁アウト、本塁を刺して窮地を逃れます。
高校野球にタイブレークが導入されてから、対策としてバントを含めた内野ゴロ処理技術が格段に発達してきた感じです。延長十回は両チームとも、バントで走者を進めることができません。
2-2のまま迎えた十一回裏、緊張感の中、奇跡のような三塁線バント。後で知ったのですが、監督が「バント決める自信がある者」とベンチ内に問い、立候補して代打に立ったのが二年生の安松選手だったそうです。この夏初打席、最高の一打を、決めました。
無死満塁、舞台が整ったところで、主役が打席に立つ。今大会、ずっとマウンドで投げ続け、自らを鼓舞して吠え、この日も球数150近くとなる、馬庭投手。早実二番手川上投手の足下をくぐり抜ける、サヨナラ安打。
勝者も敗者も涙、3-2で幕を閉じた、感動のゲームでした。
第106回選手権大会、決勝戦タイブレーク ― 2024/08/25 12:00
球場入り前に、満員電車に揺られるだけで疲れてしまって、お土産を買いそびれてしまう。
最終日なんで、お菓子類は売り切れちゃうんですね。
2-1
安定したダブルエースの活躍で、京都国際初優勝。京都のチームは決勝まで行ってもそこから勝ちきれない、強豪ではあるけど優勝候補の一番手にはなり得ないようなイメージが自分内にあったのですが、やってくれました。
安打は出るし、点が入りそうで、もう一押しできず無得点。飛ばないバット導入による打てない大会、を象徴するような九回まで0-0の試合展開。渋い、しびれる、
でもちょっと物足りなくも感じました。押し出しとか犠牲フライとか内野ゴロとかで、得点シーンが地味でした。
守備力という意味では、関東一の方がほとんどミスなく堅牢だったのですが。
勝敗を分けたのは、打撃力か。
もしくは、相手打線を封じる投手力。もの凄い剛速球は持たずとも、九回四安打無失点の中崎投手が、安定していたこと。二安打も放っていたし。京都国際打線には、なんとかして
九回までに得点して、中崎投手を優勝マウンドに立たせてもらいたかった。
もう一人の西村投手は、今大会自責点0、まだ二年生なので、来年以降も、全国から目標とされるチームであるでしょう。
最終日なんで、お菓子類は売り切れちゃうんですね。
2-1
安定したダブルエースの活躍で、京都国際初優勝。京都のチームは決勝まで行ってもそこから勝ちきれない、強豪ではあるけど優勝候補の一番手にはなり得ないようなイメージが自分内にあったのですが、やってくれました。
安打は出るし、点が入りそうで、もう一押しできず無得点。飛ばないバット導入による打てない大会、を象徴するような九回まで0-0の試合展開。渋い、しびれる、
でもちょっと物足りなくも感じました。押し出しとか犠牲フライとか内野ゴロとかで、得点シーンが地味でした。
守備力という意味では、関東一の方がほとんどミスなく堅牢だったのですが。
勝敗を分けたのは、打撃力か。
もしくは、相手打線を封じる投手力。もの凄い剛速球は持たずとも、九回四安打無失点の中崎投手が、安定していたこと。二安打も放っていたし。京都国際打線には、なんとかして
九回までに得点して、中崎投手を優勝マウンドに立たせてもらいたかった。
もう一人の西村投手は、今大会自責点0、まだ二年生なので、来年以降も、全国から目標とされるチームであるでしょう。
「芙蓉千里」 ― 2024/08/31 11:47
「北の舞姫」「永遠の曠野」と合わせた三部作。海を超え大陸に渡った少女・フミの波乱に満ちた半生。
始めは、女郎宿という、女の世界を主な舞台として、共に売られたタエちゃんとのシスターフットもあり、かろうじて少女小説の形を保つのですが、二巻以降は作品舞台も広がり、やがてモンゴル人の独立運動にまで絡んでいく。ロシア革命以降アジア大陸にもたらした歴史小説の色合いが濃くなります。
角川の文庫版では、長かった最終刊は二冊に分けて全四巻になっていました。
女郎になることを夢見て、ハルビン一の舞姫になるためにあんなにも頑張ったのに。お世話になった人も築き上げてきた生活の基盤も、全てを捨てて、フミが選んだ道が、盗賊のおかみさんになること! ここは、ちょっと共感しづらいものがあります。
努力を惜しまぬ情熱も、酷い目に遭ってもへこたれないタフさも凄いのですが、最終巻ではフミの持つそもそもの基本スペックが超人的であることが示されます。それがあってこそ、激動の時代、命がけの冒険に身を投じて生き延びてこられたのは確かだと思います。
誰かに求められる存在になりたかった少女が。
自分が欲しいものを求めて、恐れること無く駆け巡る。
始めは、女郎宿という、女の世界を主な舞台として、共に売られたタエちゃんとのシスターフットもあり、かろうじて少女小説の形を保つのですが、二巻以降は作品舞台も広がり、やがてモンゴル人の独立運動にまで絡んでいく。ロシア革命以降アジア大陸にもたらした歴史小説の色合いが濃くなります。
角川の文庫版では、長かった最終刊は二冊に分けて全四巻になっていました。
女郎になることを夢見て、ハルビン一の舞姫になるためにあんなにも頑張ったのに。お世話になった人も築き上げてきた生活の基盤も、全てを捨てて、フミが選んだ道が、盗賊のおかみさんになること! ここは、ちょっと共感しづらいものがあります。
努力を惜しまぬ情熱も、酷い目に遭ってもへこたれないタフさも凄いのですが、最終巻ではフミの持つそもそもの基本スペックが超人的であることが示されます。それがあってこそ、激動の時代、命がけの冒険に身を投じて生き延びてこられたのは確かだと思います。
誰かに求められる存在になりたかった少女が。
自分が欲しいものを求めて、恐れること無く駆け巡る。
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