「小さいおうち」2014/03/08 21:54

ダブルヒロイン映画で、ベルリンで女優賞取った時には「どっから切っても華のある松たか子よりも、絵にかいたような田舎出の娘さんな黒木華の方が外人には受けるのかー」なんて思ったものですが。観て、納得。
時子奥様は女性としての美しさ華やかさと同時に感情的になる面もあって、ある意味これも典型的な女性像。劇中で「風と共に去りぬ」を読むシーンがありましたが、なるほどスカーレットを日本風に縮小させたと見えなくもないです。
女中のタキちゃんは大人しくて地味に見えても、純朴で良く働いて奥様に一途にお仕えしますって感じで、みんなから愛されるタイプ。控えめなところが、好感度高い。
黒木さん、昨年は「船を編む」とかドラマ「リーガル・ハイ」とか、「おおかみこどもの雨と雪」で声優もやってたり、大いに活躍中な若手女優さん。今回は東北娘でしたが、大阪出身ですしいつか関西弁キャラもやってほしい。
しかし、華やかなダブルヒロインが及びもつかないほど円熟の存在感だったのが倍賞千恵子さん(平成時代のタキちゃん。「永遠の0」といい、戦争中と現代の若者を交互に描く形が今の流行っていうかやりやすいのかなあ)でした。さすがでした。
ストーリーは、不倫モノとも百合映画とも見えるのですが、私には戦争映画のイメージが強かったです。物語の中心は小さいおうちの中の小さい出来事、なのですが、それに影響を与える大きなもの、戦争の存在感。「戦勝大売出し」とか浮かれ騒いでいるのが、日本が泥沼に転がり落ちる入口だったと、現代に生きる我々には分かっているわけですが。
女性たちの着物や、昭和モダンの調度がオシャレ。それなのに、時々画面が人形劇のセットみたいに見えるのが不思議でした。小さいおうちも、なんかママゴトみたいに。
終盤に絵本が出てきて、そういうコトなのかなあ、と思いました。小さいおうちの、絵本のイメージで撮っていたのか、と。

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