「ヒトラーの忘れ物」2017/02/12 23:06

LAND OF MINE
ヒトラーは出てきません。この人のインパクト知名度を以て観客の注意を引こうとする意図はわかるんですが、ワンパターンな邦題になるのが残念。
忘れ物の話では、あります。デンマークで、忘れられつつあった歴史。
憎しみから始まる映画です。
自分たちの国を支配していた「ナチスの兵隊」を、人々が憎むのは当然。さらに、海岸に設置された大量の地雷を、当の「ナチスの兵隊」たちに撤去させようと考えるのも、(捕虜の待遇として非人道的ではありますが)分からない話ではありません。
しかし。
「ナチスの兵隊」たちを、一人一人の人間と見れば、その多くがまだ高校生くらいの少年。故郷に帰って、勉強して働いて稼いで……将来を夢見る彼らが、食料もろくに与えられずプロでも危険な地雷除去作業をすることになり、
ドカン!
彼らの監視役であるデンマーク人軍曹は、「ナチスの兵隊」という集団として憎み、それぞれ個別の「人間」として親しみと同情を寄せて、難しい葛藤が生まれます。
そして最後にとった彼の決断に驚きました。
人間を人間としてみれば、なかなか、憎み切れないんだ。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://mimikaki.asablo.jp/blog/2017/02/12/8359446/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。