「孤狼の血」2018/05/21 00:02

米国では学校での発砲事件が今年に入ってもう22件も発生しているとか。
銃で撃たれるシーンはどんなに血が噴き出してもさほど恐ろしさを感じない。なのに、ユビツメはそれがはっきり画面に出なくてもとっても痛そうで怖いのはなぜだろう?
暴力にモノを言わせるのもヤクザ映画も趣味じゃないのに、何故これを観に行ったかと言えば、そんなバイオレンスな原作小説の作者が女性だということで興味を持って。
物語はテンポが良く、役者の皆さんもそれぞれ楽しげに熱演で面白かったです。
だけど、何かが足りない気もする。
昭和の終盤(天皇陛下病状ニュースとか流れてた)、ケータイも無くポケベルで連絡とか……。なぜ今、そんな時代のヤクザの抗争を描くのか。単なる懐古趣味以上の意味が見出せなかった……
昭和のヤクザもののイメージ、な始まりですが、実体は警察もの。役所広司演じる大上刑事は違法行為全開の不良警官で、しかしその行動は目的がはっきりしていて、やること滅茶苦茶だけど、結構理性的。
江口洋介演じる若頭はメッチャ格好良い。だけど惜しい、スマートすぎてこの人だけがなんか平成っぽい。
もう少し狂気が欲しい。そして主人公側の魅力だけじゃなくってヤクザ側の義理人情ももう少し出してほしかった。あれじゃ勢力争いとメンツばかりを気にする集団。せっかく大ボスが伊吹吾郎なのに、刑務所で大人しくしているばっかりでもったいない、凄みをきかせてほしかった。
なんか惜しいトコロばっかりな感じですが。
敵ボスの石橋蓮司がもう、ホンマにその筋の人にしか見えない。
数少ない女性キャラ、真木よう子の美しいこと。
可愛い豚ちゃん。
そして、もう一人の主人公である松坂桃李、真面目な新人刑事なんだけど空手の使い手でちゃんと強いのがツボ(ギャップ感大事)。そしてこういうキャラがうって変わって「仕掛け」ていく、そこをもっと押してほしいと思うのは、私が登場人物の「成長要素」が好きだからだろうなあ。

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