「居眠り磐音」 ― 2019/06/02 12:09
背が高すぎて時代劇や歴史もの向きとは言い難い。と思いながらも、侍戦隊で松坂桃李君好きになったので、二本差しやってくれるとなんか嬉しくなってしまう。ポスターの色気たっぷりで、映画の中身も、格好良かった。
原作もNHKでやっていたドラマも見ていなかったので予備知識なし、主人公の磐音さんは別に居眠りばっかりしているんじゃなくって、剣の構えのやる気なさそうな感じから道場でそう呼ばれた。性格はおっとりしているけど腕前は一品で、頭も良い。……それだけなら、主人公が活躍してめでたしめでたしなお話しになってくれるのだけど。
故郷・筑前での悲劇的な事件と、江戸の浪人生活との二部構成で、過去の出来事が解決されてない感じでモヤモヤする。
苦しい状況にある婚約者をおいて自分だけ黙って逃げちゃうって、かなり酷いぞ。それなのにあんなに穏やかな江戸ライフしているのに、チグハグ感を覚えました。せめて、過去から現在までの半年間の空白をもう少し説明してほしい。
故郷も家族も捨てて都会に逃げてきたって意味では、前に見た「多十郎殉愛記」と同じ構図。あそこまでヤサぐれることはないだろうけど、主人公の涼しげなイメージを優先して、唐突に出現する闇部分。
映画館では小冊子と、時代劇つながり(?)で兵庫県のお城案内クリアファイルをもらう。小冊子に掲載の藤本有紀脚本を読むと、カットされている部分があって、でもここは残しておいた方が良かったんじゃないかなあ。
原作もNHKでやっていたドラマも見ていなかったので予備知識なし、主人公の磐音さんは別に居眠りばっかりしているんじゃなくって、剣の構えのやる気なさそうな感じから道場でそう呼ばれた。性格はおっとりしているけど腕前は一品で、頭も良い。……それだけなら、主人公が活躍してめでたしめでたしなお話しになってくれるのだけど。
故郷・筑前での悲劇的な事件と、江戸の浪人生活との二部構成で、過去の出来事が解決されてない感じでモヤモヤする。
苦しい状況にある婚約者をおいて自分だけ黙って逃げちゃうって、かなり酷いぞ。それなのにあんなに穏やかな江戸ライフしているのに、チグハグ感を覚えました。せめて、過去から現在までの半年間の空白をもう少し説明してほしい。
故郷も家族も捨てて都会に逃げてきたって意味では、前に見た「多十郎殉愛記」と同じ構図。あそこまでヤサぐれることはないだろうけど、主人公の涼しげなイメージを優先して、唐突に出現する闇部分。
映画館では小冊子と、時代劇つながり(?)で兵庫県のお城案内クリアファイルをもらう。小冊子に掲載の藤本有紀脚本を読むと、カットされている部分があって、でもここは残しておいた方が良かったんじゃないかなあ。
「チャンネルはそのままで!」 ― 2019/06/14 01:14
よく見れば、制作はProduction I.Gで総監督が本広克行、「PSYCHO-PASS」の組み合わせだ、面白いハズだよ。
原作は未読だけど、画面上に現れる書き文字(人物の心の声)が懐かしい、メッチャ佐々木倫子ブシだ。
TV局を舞台にした漫画を、そのモデルとなったTV局がドラマ化、ということらしい。北海道テレビ50周年にふさわしすぎる作品で、最初は地元でしか放送されてなかったのが全国の地方局のシンパシーを集めて関西でも放送されてしまった!?。
主演の芳根京子、こんなにかわいかったのだなあ。カワイイだけじゃなくてなんか、イキイキと輝いている。劇中歌最高で何度もリピートな自分。
基本コメディだけど、お仕事モノの傑作。TVつまんなああああああい見ない、と言う声も少なくない中で、それでも、TVに対する、TVを作る人々に対するリスペクトを感じる。
テレビだけじゃなく。
あらゆる事象の裏側には、陰に日向に笑って悩んで頑張っている人たちがいるんだ。と思えれば、ちょっと優しい気持ちになれるかな。
原作は未読だけど、画面上に現れる書き文字(人物の心の声)が懐かしい、メッチャ佐々木倫子ブシだ。
TV局を舞台にした漫画を、そのモデルとなったTV局がドラマ化、ということらしい。北海道テレビ50周年にふさわしすぎる作品で、最初は地元でしか放送されてなかったのが全国の地方局のシンパシーを集めて関西でも放送されてしまった!?。
主演の芳根京子、こんなにかわいかったのだなあ。カワイイだけじゃなくてなんか、イキイキと輝いている。劇中歌最高で何度もリピートな自分。
基本コメディだけど、お仕事モノの傑作。TVつまんなああああああい見ない、と言う声も少なくない中で、それでも、TVに対する、TVを作る人々に対するリスペクトを感じる。
テレビだけじゃなく。
あらゆる事象の裏側には、陰に日向に笑って悩んで頑張っている人たちがいるんだ。と思えれば、ちょっと優しい気持ちになれるかな。
「額田女王」 ― 2019/06/16 02:03
新元号発表でいきなり万葉集ブームが起こってしまう、なんて単純なのだろうと思ったけれど、しかしその心理は分からなくはない。日本を代表する詩歌文学のひとつであるとはいえ、「じゃあその中で好きな歌をあげてみて」と聞かれて答えられる日本人はどれほどいるだろう?
忘れられた分野に興味を持つのはおおいに結構なのです。でも実際のところ、あれはけっこう長大で漢文で難しい。私ぜんぶ読み切る自信はまるでない。
そこで、井上靖の歴史小説を再読。額田さんだけでなく、有間皇子や斉明天皇や天智天皇やそのお后たちや、この時代の関係者たちのお歌が、ぽつぽつ収録されている。
そう、この時代。いわゆる645年大化の改新から五年後に白雉と改元されるところから始まるのだけど、政変、謀略、遣唐使派遣、東方への出征、遷都、重税を課される民の恨み、そして白村江の大敗。前線基地だった筑紫で、長閑に梅見ているイメージなんて、そういった数々の苦難の時代を経てようやく訪れたのである。
主に中大兄さんを中心とした激動の時代がこの小説の大きな柱であり、そこにもう一本の柱として、宮廷歌人をめぐる三角関係がかかわってくる。
最初に読んだときは、額田さんは神に仕える女官として超然としている印象が強かったのに、改めて読むと、彼女なりの形で、愛情も恋心もある女だった。立場上宮廷のナンバー1や2のお召には逆らえないけど、俗っぽく寵を競ったり嫉妬したりするのはプライドが許さないから後宮に入ってポジション固められるのはゴメンだ。という言い分が、こういう形のツンデレに思えてくる。
一歩引いたところにあっても、彼女の想いは、歌は、直感的で雑じりけない。
忘れられた分野に興味を持つのはおおいに結構なのです。でも実際のところ、あれはけっこう長大で漢文で難しい。私ぜんぶ読み切る自信はまるでない。
そこで、井上靖の歴史小説を再読。額田さんだけでなく、有間皇子や斉明天皇や天智天皇やそのお后たちや、この時代の関係者たちのお歌が、ぽつぽつ収録されている。
そう、この時代。いわゆる645年大化の改新から五年後に白雉と改元されるところから始まるのだけど、政変、謀略、遣唐使派遣、東方への出征、遷都、重税を課される民の恨み、そして白村江の大敗。前線基地だった筑紫で、長閑に梅見ているイメージなんて、そういった数々の苦難の時代を経てようやく訪れたのである。
主に中大兄さんを中心とした激動の時代がこの小説の大きな柱であり、そこにもう一本の柱として、宮廷歌人をめぐる三角関係がかかわってくる。
最初に読んだときは、額田さんは神に仕える女官として超然としている印象が強かったのに、改めて読むと、彼女なりの形で、愛情も恋心もある女だった。立場上宮廷のナンバー1や2のお召には逆らえないけど、俗っぽく寵を競ったり嫉妬したりするのはプライドが許さないから後宮に入ってポジション固められるのはゴメンだ。という言い分が、こういう形のツンデレに思えてくる。
一歩引いたところにあっても、彼女の想いは、歌は、直感的で雑じりけない。
「送り火」 ― 2019/06/16 17:25
平成三十年上半期の芥川賞受賞作。この時は、候補作のひとつが東日本大震災ノンフィクションの盗用じゃないかという話題のほうが大きかったのでした。
では、割を食った感じの、高橋弘希著「送り火」はどんなだったかというと、なんだか読みにくい。文章は硬くて整然としているのに。
大筋は二本。中学三年生の主人公歩くんは、健全無難普通の男の子で、父の転勤ゆえに東京から越してきて、つつがなく田舎生活を送る。
もう一本が、簡単に言うと他者を虐げるイジメ、狂気。本来ならそういうことからは距離を置きたい歩くん。しかし同じ年の男子は六人しかいない環境なので、ぼちぼち付き合っていく。それでも、なんか、この二本の流れがつながらない。深読みすれば関連付けられるのかもしれないけど、やっぱり、まるで別々の物語を一つの作品の中で語っているようで、自分の中で切り替えが追いつかずに感情移入を断ち切られてしまい、読みにくく感じたのかなあ。
中学を卒業後当然のようにこの地を離れるつもりの歩くんは、けっして冷淡な人物ではないけど、どこか他人事。「ウチの中学」ではなく「君たちの中学」という認識。喩えるならば、外国のテロ事件ニュースに「怖いね、可哀想ね」と思うけどでもそれだけ、っていうような、そういう種類の「健全」なのだ。
暴力や狂気の描写の方が派手で目を引くけど、そちらに注目すると結構平凡というか類似作品はけっこうあるように思う。それよりも、それらに対する普通な歩くんのスタンスの方が重要な気がする。
最後に彼自身に直接暴力と狂気が向けられて初めて彼は無難な流れから引きずり出される。彼はそれをどう受け止めたのだろうか。
では、割を食った感じの、高橋弘希著「送り火」はどんなだったかというと、なんだか読みにくい。文章は硬くて整然としているのに。
大筋は二本。中学三年生の主人公歩くんは、健全無難普通の男の子で、父の転勤ゆえに東京から越してきて、つつがなく田舎生活を送る。
もう一本が、簡単に言うと他者を虐げるイジメ、狂気。本来ならそういうことからは距離を置きたい歩くん。しかし同じ年の男子は六人しかいない環境なので、ぼちぼち付き合っていく。それでも、なんか、この二本の流れがつながらない。深読みすれば関連付けられるのかもしれないけど、やっぱり、まるで別々の物語を一つの作品の中で語っているようで、自分の中で切り替えが追いつかずに感情移入を断ち切られてしまい、読みにくく感じたのかなあ。
中学を卒業後当然のようにこの地を離れるつもりの歩くんは、けっして冷淡な人物ではないけど、どこか他人事。「ウチの中学」ではなく「君たちの中学」という認識。喩えるならば、外国のテロ事件ニュースに「怖いね、可哀想ね」と思うけどでもそれだけ、っていうような、そういう種類の「健全」なのだ。
暴力や狂気の描写の方が派手で目を引くけど、そちらに注目すると結構平凡というか類似作品はけっこうあるように思う。それよりも、それらに対する普通な歩くんのスタンスの方が重要な気がする。
最後に彼自身に直接暴力と狂気が向けられて初めて彼は無難な流れから引きずり出される。彼はそれをどう受け止めたのだろうか。
「誰もがそれを知っている」 ― 2019/06/22 06:47
イラン人監督が、スペインでスペイン人大物俳優を起用して撮った映画。
以前観たファルハディ監督の作品(「別離」「セールスマン」)はイランの都市を舞台にしていたのが、スペインの田舎町、それも不景気感漂う古い土地を持ってきた。
映像的には、ドローン使った結婚式の空撮が今風で、探偵マンガみたいにその映像の中に事件解決のヒントか何かあるのだろうと思っていたのだけど。
そういう、決定的なことには、ならない。
ペネロペ・クルス演じるヒロインには就学前くらいの男の子と高校生くらいの娘がいて、誘拐されるのはてっきり男児の方だと思って観ていたのに、予想に反してお転婆娘ちゃんが消えてしまった。犯人の狙いは何なのか、その秘密を知っている者が犯人だ!……でも、小さい村の中では、誰もがうすうすその秘密を知っていたのだった。
サスペンスの手法で物語を作りつつ、シェイクスピアを思わせる巧みな人物描写でゾクリとさせる。感じの良い和気藹々とした人々が、事件をきっかけにポロポロと不平不満を炙り出されてしまう、「イヤミス」の一種とも見える。
しかし、シェイクスピアほどのカタルシスはない。前に観た二作と比べても何か物足りない感じで、それは一体何なのか。
火を噴くようなバチバチの、ぶつかり合いかなあ?
ハビエル・バルデム演じるヒロインの元彼が、一方的に不条理に割を食ってしまう物語になってしまっていて、彼はもっとキレていいと思うのだけど「金より大事なことがあるさ」とでも言わんばかりに静かに受け入れてしまう。
狭い田舎社会で、大爆発は起こらず、「犯人はお前だ」と正面切って指摘されることもない。
でも、タイトル通りだとすれば、真実は「誰もがそれを知っている」ことになるのだろう。
以前観たファルハディ監督の作品(「別離」「セールスマン」)はイランの都市を舞台にしていたのが、スペインの田舎町、それも不景気感漂う古い土地を持ってきた。
映像的には、ドローン使った結婚式の空撮が今風で、探偵マンガみたいにその映像の中に事件解決のヒントか何かあるのだろうと思っていたのだけど。
そういう、決定的なことには、ならない。
ペネロペ・クルス演じるヒロインには就学前くらいの男の子と高校生くらいの娘がいて、誘拐されるのはてっきり男児の方だと思って観ていたのに、予想に反してお転婆娘ちゃんが消えてしまった。犯人の狙いは何なのか、その秘密を知っている者が犯人だ!……でも、小さい村の中では、誰もがうすうすその秘密を知っていたのだった。
サスペンスの手法で物語を作りつつ、シェイクスピアを思わせる巧みな人物描写でゾクリとさせる。感じの良い和気藹々とした人々が、事件をきっかけにポロポロと不平不満を炙り出されてしまう、「イヤミス」の一種とも見える。
しかし、シェイクスピアほどのカタルシスはない。前に観た二作と比べても何か物足りない感じで、それは一体何なのか。
火を噴くようなバチバチの、ぶつかり合いかなあ?
ハビエル・バルデム演じるヒロインの元彼が、一方的に不条理に割を食ってしまう物語になってしまっていて、彼はもっとキレていいと思うのだけど「金より大事なことがあるさ」とでも言わんばかりに静かに受け入れてしまう。
狭い田舎社会で、大爆発は起こらず、「犯人はお前だ」と正面切って指摘されることもない。
でも、タイトル通りだとすれば、真実は「誰もがそれを知っている」ことになるのだろう。
東欧の風 ― 2019/06/23 09:18

夏至の午後荒野の熱風ヤナーチェク
村上春樹の小説に出てくる?それは知らないが、ヤナーチェクは昨年聴いた弦楽四重奏も先週放送のクラシック音楽館も格好良かった。もともとそんな予定ではなかったのだけど、無性に聴きたくなって当日券を求めてシンフォニーホールへ。
同じような人が多かったのか(春樹ファンもいるのか)、マイナー曲の割に、思ったよりお客さん入っている。指揮はヨエル・レヴィ氏、イスラエルの人。
オープニングは、チェコつながりでモーツァルトの38番「プラハ」。何度か聴いたことあるけど、今回が一番楽しく感じた。美しいプラハの街並みが目に浮かぶよう(行ったことないけど)。
休憩を挟んで、狂詩曲「タラス・ブーリバ」。ゴーゴリの小説を元にしたという。昨年聞いた弦楽四重奏「クロイツェル・ソナタ」はトルストイの短編小説を元にしているし、ロシア文学の影響受けた作曲家さんなのだ。軍人さんのお話なだけあって、猛々しさと悲劇性(かんかん鳴るのは弔いの鐘なんだろうか)が入り混じる。
直訳すれば「小交響曲」なシンフォニエッタ。30分足らずのサイズだけど、編成は「プラハ」よりもずっと大規模。オープニングのズラリと並んだトランペットのファンファーレだけで笑える。ヤナーチェクが同じチェコのスメタナやドヴォルザークさんに比べて日本で知名度低いのは気持ちよく鼻歌できるような印象的なメロディ重視じゃないからでしょうが、このファンファーレは、「タルカス」を思いだした。ロックだ。
激しく荒々しい音楽。荒野を吹き抜ける、熱風のように。
村上春樹の小説に出てくる?それは知らないが、ヤナーチェクは昨年聴いた弦楽四重奏も先週放送のクラシック音楽館も格好良かった。もともとそんな予定ではなかったのだけど、無性に聴きたくなって当日券を求めてシンフォニーホールへ。
同じような人が多かったのか(春樹ファンもいるのか)、マイナー曲の割に、思ったよりお客さん入っている。指揮はヨエル・レヴィ氏、イスラエルの人。
オープニングは、チェコつながりでモーツァルトの38番「プラハ」。何度か聴いたことあるけど、今回が一番楽しく感じた。美しいプラハの街並みが目に浮かぶよう(行ったことないけど)。
休憩を挟んで、狂詩曲「タラス・ブーリバ」。ゴーゴリの小説を元にしたという。昨年聞いた弦楽四重奏「クロイツェル・ソナタ」はトルストイの短編小説を元にしているし、ロシア文学の影響受けた作曲家さんなのだ。軍人さんのお話なだけあって、猛々しさと悲劇性(かんかん鳴るのは弔いの鐘なんだろうか)が入り混じる。
直訳すれば「小交響曲」なシンフォニエッタ。30分足らずのサイズだけど、編成は「プラハ」よりもずっと大規模。オープニングのズラリと並んだトランペットのファンファーレだけで笑える。ヤナーチェクが同じチェコのスメタナやドヴォルザークさんに比べて日本で知名度低いのは気持ちよく鼻歌できるような印象的なメロディ重視じゃないからでしょうが、このファンファーレは、「タルカス」を思いだした。ロックだ。
激しく荒々しい音楽。荒野を吹き抜ける、熱風のように。
「メン・イン・ブラック 3」 ― 2019/06/24 22:34
金曜ロードショウ。
人と異形の者たちがドタバタやっている様子に、「血界戦線」を連想してしまう。異世界人を異星人に置き換えたら、そのまんま。
また、缶コーヒーのCMの残像が脳裏をかすめていく。
もちろん、分かっているのです。逆です。このMIBシリーズのイメージが、漫画やCMに反映されているのです。偉大なエンタメの証拠だ。
第一作を観たのも遠い昔で記憶もおぼろ。しかし、ウィル・スミスのお気楽な面白さ、バディものとしてのやり取りの面白さ、おもちゃ箱みたいな賑やかな映像、タイムスリップものの展開の面白さ。
むつかしいことかんがえるな。
てんこ盛りの楽しさを受け取ればOK。
人と異形の者たちがドタバタやっている様子に、「血界戦線」を連想してしまう。異世界人を異星人に置き換えたら、そのまんま。
また、缶コーヒーのCMの残像が脳裏をかすめていく。
もちろん、分かっているのです。逆です。このMIBシリーズのイメージが、漫画やCMに反映されているのです。偉大なエンタメの証拠だ。
第一作を観たのも遠い昔で記憶もおぼろ。しかし、ウィル・スミスのお気楽な面白さ、バディものとしてのやり取りの面白さ、おもちゃ箱みたいな賑やかな映像、タイムスリップものの展開の面白さ。
むつかしいことかんがえるな。
てんこ盛りの楽しさを受け取ればOK。
「ナミヤ雑貨店の奇蹟」 ― 2019/06/30 09:33
東野圭吾原作、毎年のように上映/放送されているので一定以上の集客と期待値と満足度が保たれているのでしょう。しかし無難にまとまっているのだと思うと「劇場まで行かずとも金曜ロウドショウでいいや」となってしまう。
何年か前にちょっと話題になった大学生協の販売員さんによる業務外学生相談お手紙受付を思い出す。同様のことを、雑貨店の店主がやっていた、という設定。当の昔に閉店されたそこに転がり込んできた三人組が、時を越えて相談お手紙受付をすることになってしまったのは、亡き店主の想いと、縁の力としか言いようがない。
「この娘のこと、助けたいな」
このお話の肝は、そこでしょう。
三人組の素性について多くは語られませんが、色々苦い思いをしてきて現在も地に足付けて希望を持って生きている感じではない。現実の苦さを知ってなお、会ったこともない誰かを「助けたい」と思うのは、その誰かもまた、他の誰かを助けるために行動する人だからだ。
この作品の登場人物たちは、みんなそう。
「助けたい」の想いが巡り巡って、自分自身を救う。
何年か前にちょっと話題になった大学生協の販売員さんによる業務外学生相談お手紙受付を思い出す。同様のことを、雑貨店の店主がやっていた、という設定。当の昔に閉店されたそこに転がり込んできた三人組が、時を越えて相談お手紙受付をすることになってしまったのは、亡き店主の想いと、縁の力としか言いようがない。
「この娘のこと、助けたいな」
このお話の肝は、そこでしょう。
三人組の素性について多くは語られませんが、色々苦い思いをしてきて現在も地に足付けて希望を持って生きている感じではない。現実の苦さを知ってなお、会ったこともない誰かを「助けたい」と思うのは、その誰かもまた、他の誰かを助けるために行動する人だからだ。
この作品の登場人物たちは、みんなそう。
「助けたい」の想いが巡り巡って、自分自身を救う。
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