ウィーン・フィル・クレイジー2020/11/12 23:00

これ、ほんまにやるんですか。って、チケット窓口で確認してしまう。
クリスマス前に感染状況沈静化させたい欧州各国は「早めのロック・ダウン」を決行し、オーストリアも例外ではない。劇場は閉鎖、ホテル宿泊はビジネス客のみ、飲食店はデリバリかテイクアウト、夜間は外出するな。
そんな国から、来日。ウィーン・フィルのアジアツアーの一環だそうですが、日本以外に予定通り決行する国あるのか!!???? クラシックコンサートの客入100%が許可され、来日外国人もビジネス関連から制限緩和というけど、100人規模の団体様だ。出待ち厳禁なら聴衆の感染リスクは薄いけど、宿泊先及び会場スタッフの緊張はいかばかりか(万一クラスター発生すれば企画そのものが総叩き、大過なく運べば各種イベント産業は勇気づけられます)。
流石、ユルイ国。主催者の執念と有名楽団のブランド力と異様に高額なチケット収入(先週聴いたセンチュリーの10倍以上)を以てすれば、こんなクレイジーも通用するのだ。
夏に臨時収入(10万円)があったのと、プログラムが自分の好きな曲だったのと、業界全体大注目企画だという野次馬根性によって、海外オケの公演に初参戦する。

当り前だけど、ウィーン・フィルったってウィンナ・ワルツばかり優雅に演奏しているわけではなく、激しい曲もやる。ロシアン・プログラム。指揮者とピアニストさんが旧ソ出身者なのか。
一曲目がチャイコフスキー作、フィッツェンハーゲン改訂のチェロとオーケストラのための変奏曲。ソリストを務めた堤さんは文科系の勲章もらっているような年配の方で、「ウイルス気を付けて!」って言いたくなる。しかし、演奏は絶品でした。「ロココ風の主題による変奏曲」っていうけど、典雅な感じよりもちょっと哲学っぽい小難しさがある。それを、一瞬の緩みも無く格好良く奏でる。ブラボー。
二曲目はプロコフィエフ、ピアノ協奏曲第2番。序盤はお行儀よく、それ以降は、狂気。超絶技巧と大音量演奏。迫力はあるけどだんだん単調に聞こえてきて、ちょっと疲れる。
休憩を挟んで、最後にチャイコフスキーの「悲愴」。寂しさと軽やかさと賑やかさ、全部をゆっくりと味わう。

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