「むらさきのスカートの女」2020/11/12 22:58

先月観た「星の子」がおもしろかったので、原作者・今村夏子の昨年の芥川賞受賞作を読んでみました。
これは、あれです。スマッシュ・ヒットを放った「コンビニ人間」と同じ系統の、異様な人間像を描く小説。読みやすい平易な文体でノーマルとアブノーマルの境界線が取り払われていく。「それがどうした」と言われるとそれ以上の発展はない(そこが「コンビニ人間」との違い)のだけど。
読み始めは、語り手の女の妄想がうっとうしくてしんどかったのですが、妄想が「むらさきのスカートの女」の実態に移っていくと、面白くなってきます。
ストーカー女のピントのずれた妄執、狂気。そんなグロテスクをユーモラスに語る手際が凄い。

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