「地球保護区」2021/08/01 12:36

四百年前に環境汚染で一度は「滅びた」地球。地球環境回復のために、地球外の外来種や人工的に加工された生物を排除し、純地球産の自然発生物については手を付けないようにしよう……というのが「地球保護委員会」の方針。しかし地球に再移住している人間たちからすれば、自分たちの生命や生活を脅かす存在は、保護じゃなく排除を希望するしかない。二律背反。
人と自然との共存って、たとえば「もののけ姫」なんかにもある、永遠のテーマだ。
著者の小林めぐみさんはけっこう昔からカドカワ系でSF風ラノベを書いていた方ですが、自分が読んだのは大人になってから、早川文庫のみ。でも、十代の頃に読んでみたかったかな。
主人公がクローンで、SF的世界ですが、この作者の本分は十代二十代の若者の青臭い自意識を描くことなんじゃないだろうか。
個人的な葛藤と、社会の有り様を結びつけるSF小説。

2021夏、大阪大会決勝2021/08/02 22:53

選手村の皆様はワクチン打っているから確率は低い。という期待はあったけれど、それでも、はるばる日本までやってきて検査陽性のためにトンボがえりというヒドイおもてなしを受けるアスリートがぼつぼつ出てきている。どうせ五輪やるなら、もう一年延期して「完全な形」で開催すりゃよかったのに、政治日程優先さ。
ワクチン未接種の高校球児なら、なおさら「戦わずして去る」可能性は高くなる。センバツ優勝校が神奈川大会辞退、監督さんはこの夏勇退予定だっていうのに。あの素晴らしいエースピッチャーは、夏の甲子園には戻ってこない。


そんな憂い心持を晴らしてくれるような、好ゲームでした。大阪に非常事態宣言発令直前の、大阪大会決勝。両チームとも、前日に延長戦までもつれた準決勝を勝ち抜いての、連戦。
大方の予想通り、序盤から押せ押せの大阪桐蔭、長打で先制、スクイズで追加点という、1点を大事に貪欲に獲っていくいつものスタイル。対する興国は守りのチーム、度々先頭打者を出塁させながら、投手リレーで粘り、1-3のロースコアで最終回。
大阪桐蔭の先発・松浦投手も疲れてくる、そして勝ちを焦ってくる。この試合初めて興国に連打が生まれ、3-3の同点に追いついた、大盛り上がり。
それでも、横綱は相手の勢いに呑まれたりなんかしない、慌てず騒がず、九回裏、「俺が決めたるわ!」という心の声が聞こえてきそうな、火を噴くような主将の一打が、サヨナラタイムリー。
大阪桐蔭、春夏連続出場おめでとうございます。
興国高校は、46年前に甲子園に出て、と言われても全く知らない話でしたが、大阪の誇る二強の一角に競り勝って、もう一角とも最終回までもつれる1点差ゲーム、堂々たる準優勝です。この夏の活躍から、今後さらに力強くなっていくことを期待です。

「探偵物語」2021/08/06 23:22

毎年のように作品が映画化されている推理作家、といえば、現在では東野圭吾ですが、四十年前では赤川次郎でした。トコトン軽くて読みやすい、基本会話文で物語が進んでいくのも、映像作品向きですね。
いいの。どうせ父の口座から落ちるんだもの。
知恵と勇気と財力で突き進んでいくお嬢さんと、人の好いぺっぽこ探偵の凸凹コンビが、ヤクザの手から逃れつつ、殺人事件の謎を解く。
しかし、ハタチの娘と43才(自分、同い年……)のオジサン探偵が絆を深めていくのを、周囲のみなさんが割と肯定的に受け止めているのに引いてしまう。説教好きのヤクザだけが普通に懸念を表明したくらい。
あれ、おっさんブーム(?)に乗りきれない、私の認識が古いのか?

「ハドソン川の奇跡」2021/08/08 17:07

イーストウッド監督映画は、着眼点は興味深いし映画的盛り上げドコロも心得ていて、まず、ハズレない。でも深々と突き刺さるほどのインパクトも無い(実話を基にし、ストーリーのネタバレ多め、安心感重視なのだ)ので、劇場に観に行くよりは、専ら、土曜プレミアムとかで視聴。
これだけ科学技術が発達していても、飛行機は鳥を避けられず、エンジンを止められてしまう。そんなトラブルが起こった時、どうするか。トム・ハンクス演じる機長は、空港に戻るのは無理だと判断し、ハドソン川に不時着水、危機を乗り切り、死者0名。
一躍ヒーローとして扱われることにも違和感を覚える彼の身に、一つの疑惑がもちあがる。危険を冒して川に着水せずとも、空港まで戻れたんじゃないか。
人為的ミスを調査するなら、人間的に。
問題点を合理的に徹底的に洗い上げるスタイルは、物事をあいまいにしがちな日本と違って、アメリカの美徳だと思う。
しかし、実際の事故と、シミュレーションとを比較するときには、条件設定をきめ細やかに配慮する必要があるのでしょう。
いろんな要素が絡んでくるのだ。

「烏は主を選ばない」2021/08/10 11:41

台風で高校野球の開幕が延期になったため、振替休日の月曜いちにちポッカリ予定が開く。
午後からずっと読書。こんなの久しぶり、幸せだ。


人の姿と烏の姿に変身すること以外は、どうもファンタジー色が薄い。
このシリーズは、陰謀画策心理駆引欺き合いがメインなのか。オツムが良いのを見込まれてしまったばっかりに、政争の中心部でヒドイ目に合う少年の物語。思いっきり巻き込まれているのに、重要なことは何も教えてもらえない彼はグレてもしょうがないと思うのだけど、とてもいい子だ。
それなのに、彼がお仕えする、肝心の若宮が何を目指しているのかちゃんと示されず、今のところはただ身を守り政敵を排除していくばかり。
ハードな、というより、殺伐とした世界観。

第103回高校野球選手権大会、二日目、初出場2021/08/11 23:04

伝統常連チームが多い本日の組み合わせの中で、第四試合は、愛知の名門校が宮城の初出場校を迎え撃つ形に。最近はそんなものなのか、東北学院はボーズ頭のキマリはないようだ。頭良さそうな(なんとなく)学生コーチの存在も今時っぽい。
そこで、まったくノーマークだったところに、自分好みの選手が見つかってホクホクするのも、高校野球。エースで四番、伊藤君は大柄だけどもの凄い剛速球って感じには見えない。でも、打ちにくそうな(伸びがある?)ストレートで、しかも、コントロールが良い。ミットに吸い込まれるようにイイところに投球が決まっていくのが、心地よい。
愛工大名電は序盤四死球の多さでつまずいたけど、キビキビとした守備に、終盤本塁打で2点差に迫る力強さ。……本日の第二試合で九回に2点差をひっくり返すサヨナラ3ランがあったばかりだし、最後までどちらに転ぶか、緊張感が持続。
しかし最後まで、エースの制球力は衰えなかった。東北学院が5-3で甲子園初勝利。初出場チーム贔屓目もあるけど、がむしゃらな勢いを感じるぞ。
二回戦は、第三試合で17得点快勝の松商学園。こちらも長野の名門ですが、再びの大物食い、なるか。

「天竺熱風録」2021/08/13 15:39

田中芳樹という作家、なんだかんだ言ってアルスラーンもドラゴン兄弟のシリーズも完結させ(最後まで読んでないけど)、その一方でライフワークの中華歴史ものも、派手さはなくとも十分評価されるべき仕事ぶり、凄いなあって思います。
かの有名な三蔵法師もちょっとだけ出演するけど、主人公は中国史でもほぼ無名の文官・王玄策。一外交員だったはずの彼が、二度目の天竺行が王様死去による政情変化のタイミングに重なってしまったがために、チベットやネパールの軍隊を率いて(借りて)戦闘の采配をすることになってしまう。他の国の歴史ものと比べて特徴的なのが、インドでの冒険は象(強大)と牛(神聖)の存在が欠かせないことでしょう。
彼が寡兵を以てインドの大軍を打ち破るのが見所で、この作者らしいお茶目でトボケたキャラクターも登場しますが、どちらかというと、当時のアジアの社会的文化的背景を披露することに力が入っている気もします。
巻末の年表をみれば、日本ではちょうど大化の改新あたり。七世紀は大陸でも列島でも社会がダイナミックに変化していく時期だったのです。

第103回高校野球選手権大会、三日目、まだ三日目!?2021/08/15 21:58

週間天気予報の絶えることなき傘の絵に、一日五試合消化も囁かれる。多少の雨なら強行するものの、警報が出るレベルでは延期やむを得ずで、今朝も起床時の大雨で「ムリかー」と思ったのだけど、三時間遅れでプレイボール。

第一試合、は三日前の再試合
秋田・明桜の注目投手、風間くん(球打って藤川球児以来のピンポイント命名だ)、140後半の速球で10.奪三振。4-2で二回戦進出。
しかし対照的だったのが相手投手の球速で、120前半のストレートで嘘みたいに凡打の山を築く。帯広農業は昨年の幻のセンバツ21世紀枠で出場しそびれ、しかし夏の交流試合で関東の強豪相手にノビノビと気持ちよい野球で勝利した。今日の試合も堅守に足を絡めた積極攻撃で一時は逆転したものの、もうひとつ、及ばず。

第二試合、は名将登場
明徳義塾VS県立岐阜商の戦いだけど、馬渕VS鍛治舎の監督対決みたいになるのがなあ。両チームあんまり打てない中で、中軸がいいところで仕事した、明徳義塾が3-2でサヨナラ。
馬渕監督が、次の明桜戦で注目投手をどう攻略するか。

第三試合、はセンバツ以来の再戦
自分観てないやつですが、延長で3-2の接戦だった模様。当然リベンジしたい北海、迎え撃つ神戸国際大付属。今回も接戦になり、2-1。
北海の木村投手は、風間投手と並ぶ150キロ超注目投手、のはずなんですが、あまり球速は出ず球数も多い。それでも粘っていたのだけど、序盤のスクイズとタイムリーでの2失点を取り返せず。今日一日で北海道二校とも甲子園を去る。

第四試合、は大会史上最も遅い試合開始時刻(19時10分)
本日の組み合わせで最も前評判話題性に乏しいカードでしたが、試合内容は十分熱い。石川・小松大谷が序盤で5-0リードしながら、四回に山口・高川学園が一点差に追い上げる。
それ以降は高川学園ペースで、ガンガン攻めるし、河野投手の調子が上がっていく。
小松大谷は投手交代で逃げ切ろうとするものの、九回裏、痛恨のサヨナラ押し出し。
7-6で高川学園甲子園初勝利。

第103回高校野球選手権大会、九日目?・・・まだ二回戦2021/08/22 22:42

兵庫県緊急事態宣言により今日から甲子園に応援団ブラスバンド入場不可となる。ご家族の応援は可なので五輪よりは配慮されているのだけど。
解せない。変異株は以前より若者に感染しやすくなっているのを考慮しても、なお。
現時点で日本より新規感染者多数な英国米国のスポーツ興行がお客さん大入りで開催されているじゃないか。


明徳義塾8-2明桜
秋田から来た好投手に球数を投げさせて降板させ、無死満塁のピンチも無失点で切り抜けて。明徳義塾が思い通りにゲームを支配し、三回戦進出。

神戸国際大4-3高川学園
山口大会から一人で投げてきたエースは「打たれたし失点したけどそれが何、俺は次のアウトを取るために投げるだけさ」って幻聴が聞こえてきそうなくらい、シブトイ、頼もしい。一回戦で5点ビアインドをはね返してサヨナラした勢いそのまま、相手のミスにも乗じて中盤逆転した高川学園。
しかし、先制2点本塁打といい逆転タイムリーといい、投打に渡って神戸国際の阪上投手にやられてしまった。第一試合と同様、好機で得点し損なったのがあとあと響いた。

長崎商6-2専大松戸
千葉・専大松戸は二試合連続九州勢対戦。零封した一回戦とはうって変わって、点差以上に打ちこまれた印象。三回になんとか2-2に追いついたものの、勢い止められず。
長崎商はコツコツ打って。大雨で九州ヒドイ感じだし、せめて甲子園から景気づけ。

盛岡大付属4-0沖縄尚学
切れ目のない、という意味のわんこ蕎麦打線。あれだけいい当たりを打たれて4点に抑えたのはむしろ沖縄尚学守備陣が連打を防いで良くしのいだと見てもイイくらいだと思いますが、攻撃ではイイところなし。八回二死まで一人の走者も出せない。
完全試合をし損なった渡辺投手、今日は被安打1四球1、一回戦に続いての完封。チームは本塁打2を含めた二桁安打に無失策。

第103回高校野球選手権大会、準々決勝、近畿大会か!2021/08/28 17:26

8強の内5つが近畿勢、4強全て近畿勢という偏りっぷりの今年の夏。コロナやら長雨やらで制約が多くなると、近くの学校の方が有利な面も出てくるのか。
いやー、観客入場OKならこの土日は満員だったでしょうに。

第一試合 5-1
近江は大阪桐蔭に神戸国際大、そして準決勝の智弁和歌山、ほとんど甲子園で近畿大会しに来たようなもんです。
この夏は投手二枚看板で勝ち進んできたのですが、本日は先発山田を引っ張る。五回の満塁のピンチをしのいだときの気迫は凄かったけど。どうやら二人目の岩佐は限界が来てしまったようで、投げられない。
しかし、投手リレーがいつも通りにいっても、勝利は難しかったかもしれない。智弁和歌山のエース・中谷に歯が立たず。

第二試合 3-1
京都国際は夏初出場。今年のセンバツでは近江と同様二枚看板で勝負していたのに夏は森下の完投が続き、準々決勝でようやく投手リレーが復活して調子は上向き。
と、思ったのだけど、智弁学園の小畠投手一人にしてやられた感じ。当人もびっくりの三点本塁打。1失点は失策がらみの犠牲フライだから自責点0。エース西村が出るまでもなく。

今日敗れた近江と京都国際は主戦が二年生なので、来年も期待できます。
そして決勝は、智弁対決。