劇場版シティーハンター 新宿プライベート・アイズ2026/01/12 22:43

正月休みに録画していた、19年公開劇場版シティーハンターを観て、震えるほど懐かしさがこみ上げる。TVシリーズの主題歌が随所に流されていましたし。
主演の神谷明さんは年齢的にもうヒーロー然とした台詞は厳しいのでは無いかと思っていましたが、それでもやっぱり格好良い。お馴染みの、あり得ない感じの戦闘シーンはちゃんと派手で面白い。すごいや。
XYZは、時代劇シリーズみたいに一種の様式として、長く受け継がれていってもらいたいものです。

「ベルサイユのばら」2025/02/09 23:10

原作未読、宝塚も見たことないので、仏革命というと教科書の記述と「レ・ミゼラブル」と「べにはこべ」のイメージ。
要所に音楽と映像を流し高らかに歌い上げるミュージカル風演出。コレのおかげで、細かいエピソードを丁寧に積み上げることができずとも(上映時間が限られますからね)、不思議と説得力と高揚感をもたらします。
激動の時代、花の都に集った若者たちの四角関係が基本ストーリーですが。
前半は、愛くるしいマリー・アントワネットが激しい思慕の情と、その痛みと喜びを知る。
後半は、凜々しいオスカルが苦悩しながらも戦い、自由な人生をつかみ取っていく。
自由に生きる。
運命に縛られながら、白と赤のばらが、美しく咲きます。

「ハイキュー!!ゴミ捨て場の決戦」2024/06/14 21:35

原作未読、TVシリーズの再放送で内容おさらいできたのが良かった。
最初、音響がうるさく感じたのですが、すぐに気にならなくなりました。白熱のバレーボールを真正面から描く。スピード感あるアクションはProduction.I.Gの大きな魅力です。
物語的には、ライバルチームの研磨君がほとんど主役でした。試合を外側からではなく選手目線で映像化するのはTV版でも時々ありましたが、クライマックスの臨場感のもの凄いこと。
熱い。
集中し、研ぎ澄まし、ぶつかり合う喜び。

「劇場版 響け、ユーフォニアム」2024/01/28 12:20

宇治市在住者にとって、見知った景色が多数。川沿いの虫まで描かれていた。
民放局で放送されていたアニメ作品の、劇場版。最近そういう流れが多いですが、新作はNHKで作成されるそうで、それに先立ち、正月に連続四作品を放送してくれました。
京都の吹奏楽部の部員たちが、全国大会を目指す部活モノ。吹奏楽って打楽器と管楽器だけかと思っていたら、ハープもあるのですね。
高校生たちの繊細な心情、人間関係がストーリーの軸ですが、真の見所はクライマックスの演奏シーンでした。
言葉は、要らない。
モノローグもイメージ映像も無い。
奏でられる音楽と、登場人物たちの姿、表情。
それだけで十分感動的に盛り上げられる。京都アニメーションのクオリティが素晴らしい。
一つだけ残念だったのは、原作と違って、台詞が京都弁じゃないところかなあ。

「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」2023/11/23 13:31

友人が絶賛していたので、観に行った劇場用アニメ作品。
原作の鬼太郎誕生エピソードの前日譚に、こんな冒険があったとは。
前半はドロドロ系ホラー、後半は妖術奇術アクションのバディもの。
その他に印象的だった要素がありました。
戦後10年が経った日本の、閉鎖的な村で起こる怪死事件。見るからに不審な余所者が犯人として捕らえられ、制裁されそうになるところで制止の声が上がります。まだ犯人と決めつけられない、日本は法治国家なのだ。
あたりまえのことです。
しかし、それがどれほど、難しいことか。周囲が殺気立つ中で、一人、人道に基づく正論を述べる。力を欲し野心満々な主人公がみせた、まともさ。
墓土から這い出てきた赤ん坊は、異様で不気味に違いありません。それでも、抱えたぬくもりを虐げることができないのが、ゲゲゲの世界。
子供の頃、TVで観ていた鬼太郎の正義は、そんな人間愛だったなあ。

「進撃の巨人 完結編」2023/11/12 22:19

今月観た「大雪海のカイナ」では、決定的な断を下す人物は知識のみではなく人間性も試されるシステムになっていたことが、大きかった。それでも、人はシステムの裏をかこうとするものですが。

紆余曲折の末、10年かけて、ようやく完結したアニメシリーズ。
巨人の力だ、と言えばなんでもアリになってしまう設定が、ちょっとズルいんじゃないかと思わないでもない。しかし、そこに、美しく、愛しく、過酷な人間の生き様死に様をぶち込まれる。加えて、迫力の映像演出。その熱量から、ドラマと格好良さが生まれる。
よく飲み込めない部分もあるけれど。
破壊願望のある人間に、それを大規模に実現可能なヴィジョンを見せてしまってはいけない。ということは、分かりました。
一族の遠い先祖を成仏させるために、ミカサちゃんが辛い思いをしなければならなかったということも。とんでもなく酷い男を一途に従順に慕い続けるところにシンパシーを感じたのでしょう。
誰かにとって都合の良い「イイ子、イイヒト」では、救われない。
喪失を拒まず焼き尽くす「自由なエゴイスト」では、地獄行き。
人は闘わなければならない。何のために?何を守るために?
完結編の放送が、中東の壁に囲まれた町が踏み潰されている時期に重なった。連想せずにはいられない。

「大雪海のカイナ ほしのけんじゃ」2023/11/11 00:46

人の精神を読み取り干渉し、星を作り替えるほどのテクノロジーがありながら、暗証番号はそこらへんにメモしてある。お約束ですね。
TVアニメシリーズで軍事国家との戦争を収めた主人公たち。劇場版完結編では、水不足の世界を救うために旅立ちます。
SFファンタジーで、ボーイミーツガールで、巨大生物と巨大ロボットで、未知の世界へのドキドキ冒険譚。嫌う人が多いからか、虫要素はTVより少なめ。
正直、それほど期待値は高くなかった(ちゃんと風呂敷をたためるのか心配で)のです。
しかし、盛りだくさんが、きれいにまとまって、大満足でした。壮大で幻想的な世界観は、劇場の大画面にも映えます。
欲を言えば、100分の尺をもう15分ほど延長させ、アメロテさんの素敵な戦闘アクションや髪下ろした図や鎧オフ姿なども見せてもらいたかったです。
原作なしのオリジナル脚本で、この完成度。楽しい。

「君たちはどう生きるか」2023/10/07 23:32

とにかく、わらわらさんたちが、可愛すぎます。あの極めてシンプルな白一色のボディに、絶妙に緩い表情が最高です。

ジブリ映画の少年たちは、みんなすごく良い子。勇敢で思いやりがあって聡明で頼りになる。
しかし、宮崎駿監督の最新作では、年相応に拗らせていて、なんとなくニヤニヤしてしまう。表情は硬く時に攻撃的。眞人くんの引っ越し先は素敵なお屋敷ですが、人物と住まいとの作画タッチがはっきりと違うのも、現実(母の死や父の再婚など)を受け入れられない、現世からの疎外感を表現しているようにも思えます。
そうして引き籠もり予備軍みたいになっていた少年が、異世界での冒険を通して変化していく、という展開。
火災シーンの迫力や、屋敷に住み着く妖怪っぽい(失礼!)おばあちゃんたちや、アオサギの不気味さなど、中盤まではもの凄く面白くてワクワク観ていたのですが。
説明が省略されすぎでしょうか。異世界へ行く前、眞人は母親が自分に残してくれた本を見つけます。映画のタイトルにもなる、それを読んだ彼が大きな感銘を受けたことは想像できます。しかしどの言葉にどんな思いを抱いたのか、最後まで触れられず、なんだかタイトル詐欺にあったような気分です。
わらわらさんたちをはじめとする異世界での不思議な存在たちはなにがしかのメタファーなのでしょうが、世界の創造主が何を思ってああいう場を作り上げたのか。長い時を経て、筋金入りの引き籠もり空間に破綻が生じていたことは分かるのですが。
帰還の物語。
君たちの生きる世界へ、早くお帰り。

「PSYCHO-PASS PROVIDENCE」2023/06/17 17:12

人は正義なんて求めていない
まったく同感だ

十年も続くこのシリーズに、あの二人がメインビジュアルで戻ってきました。
大スクリーンにふさわしいSFアニメアクション大爆発で、情報量もモリモリで、見終わったあとにパンクしそうでした。
ストーリーも、相変わらず死者多数、日本政府は国外で相当アコギな真似をしているようで(武器輸出とかのためだろうか……)、悲しみいっぱいで、おちゃらけたシーン無し。ギノさんぐらいです、とくに面白いことしているわけでもないのに、髪型変わったり最強義手パンチ炸裂したりコウちゃんに食ってかかるだけでなんか微笑ましいという、お得なキャラクターになったなあ。
目的のために手段を選ばぬ奴らが幅をきかせるこのシリーズで、朱ちゃんだけが、正しいやり方、にこだわり、それはときにまどろっこしく感じられる。しかし、遠回りに見えて、それこそが結局は、みんなが幸せになれる道なんじゃないかなあ。今回の、登場人物たちの業背負って抜け出せない感じを見ると、そう思ってしまいます。
そして、そんな我らが真面目なヒロインが、ここにきて、掟破りを決断。劇場版の2118年の時点で、まだたった25歳だっていうのに、今までの全部をかなぐり捨ててきた!自身の信念を守るために。
コウちゃんが外務省に拾われて帰国してから、TV版第3期までの期間に何があったかを描く。いや、どう考えても、3期よりこちらの物語を先に発表するべきでしたよ、あれ、何がなんだか分からないまんまで、非常に不親切でしたからね。

「THE FIRST SLAM DUNK」2023/04/16 00:19

名作の名場面集をコダワリの作画映像演出でご覧ください、という作品。
原作者・井上雄彦によるセルフリメイク。くらいに思っていましたが、作品知名度だけで年末興行から四ヶ月も上映され続けられません。漫画・アニメファンも目の肥えた映画ファンもうならせた、納得の出来栄え。映像監督初作品でこれだけの仕事、井上監督のセンス感性と、スタッフをまとめる人間力が凄すぎる。
山王戦を二時間に収めてしまうのにちょっと不安はありましたが、問題なし。漫画で数コマ・数ページ費やすシーンもアニメでは数秒ですからね。
バスケの迫力だけでなく、人間関係や心情の機微を描くのも上手いことに改めて気づかされました。リョータ君のバックグラウンドを掘り下げる描き方でしたが、他のメンバーも十分格好良かったです。
あえて脚本に難を言うならば、爽やかバスケ少年だったみっちーがどうして不良グループになってそれからどうしてバスケに戻ってきたのか、原作読んでいない人には(そんな客はほとんどいないのかも知れないけど)全く謎であろうということか。
「THE SECOND」を制作するなら、是非とも、そんな三年生たちをメインでリメイクお願いします。