「南極料理人」2011/01/04 10:09

 こないだ見た「武士の家計簿」でも堺さん、善良で真面目な仕事人を演じてらしたのですが、こちらは、もすこし、ゆるい感じ。


 ごはん食べに、南極まで来たんじゃないから。
 舞台は南極、小さな基地。そこの料理人は、不自由な環境下にいながらも味付けから盛り付けまで、実に見事な仕事ぶり。しかし、食卓に並ぶ美味そうな料理を前に、基地スタッフの面々はさほど関心を寄せず、なんだかガッカリ……
 料理人が主人公ですが、料理漫画のように料理の美味しさを追及するわけではなく、「かもめ食堂」のように美味い料理の周囲に人の和が出来る、というのとも違う。
 逆なのです。
 各々の心情というかテンションによって、食事は美味くも味気なくもなるって感じでしょうか。

 究極の単身赴任と銘打ち、昼も夜もあるようなないような世界で、誰もが(一部を除き)帰国の日を待ちわび、日本の妻子を恋しがり、遠距離恋愛の果てに彼女に振られ……
 まあ、どんな環境であれ人間が生きている限り喜怒哀楽が生じるもので、そこに料理が添えられる……添え物にしては、料理を美味そうに撮りすぎかもしれません。
 なんかテーマが伝わりにくい映画でした。大きな事件が起こるでもなく、地味なんですね。みんなその道のプロフェッショナルたちのはずなのですが、仕事しているより遊んでいる場面の方が多い。冒頭からマージャン、体操ビデオのレオタードお姉さんにニヤケるおじさんたち、漫画読んで、私設バーでカクテルを作り、ピンポンしたりボーリングしたり野球したり。いくら好きだからって、オーロラ観測そっちのけでラーメン食べてるし。
 一番緊張感を殺ぐのが、やたら出てくるパン一姿(それがエンディングにまで繋がるのですが)。そんな薄着で南極、凍死しないものなんでしょうか。

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