がんばれ2011/04/18 00:27

 嬉しいなあ。今村も、福井も、斉藤祐樹も勝って。

「東南角部屋二階の女」2011/04/22 00:22

 簡単に会社辞めた人に、涼しい顔で「分かる」なんて言われたくないんだよ

 結構前のTVの深夜放送なんですが、学校始まってから毎日眠くって、なかなか録画見られません。
気になっていたんだけど、見逃してしまった2008年の映画。
 ものすごく地味なのに、目が離せない画面。
スローリーな静止画面は、カメラ・アイっていうか、人の視線を感じさせます。登場人物が何かを見つめている。その視線の先にあるものは、何気ないようでいて、でも全ての要素が意味を持ってぴたりと収まっているように見えます。
 中心になる人物は三人。
 下請け会社に取引中止を告げるのが心苦しくって、恋人に相談もせず深い考えも無く、親会社を辞めてしまった原人オタクの男。
 成人式に購入して以来の振袖を「もったいないから」と着て行って、見合いサークルで知り合った相手に「結婚したいわけじゃないけど安定したい」と本音言っちゃう三十路近い女。
 父親が作った借金を返すために祖父の持つ土地を売りたいんだけど、でもその土地に立つ古アパートを壊してしまうのは忍びなくって悩む男。
 若い三人が同じ古アパートに集まるのですが、彼らと接する年配の方々の存在感も良かったです。回想シーンもなく、土地の持ち主であるジイサンなんて全然喋らなくって表情も乏しくって視線だけで演技してるんですが、それでも彼らの過ごしてきた人生の、喜怒哀楽を想起させる。
 現実にありそうな、もやもやした閉塞感。行き詰った感じは出ているんだけど、あんまり重たくはならず。
 そこにすうっと風が通るように、希望を感じさせるエンディングなんですが、ご都合主義な感じもない。
 甘いだけじゃなくて、わりとシビアな苛立ちも描かれているからなあ。

第六回 星空コンサート2011/04/24 23:43

 指揮者の前に吊るされた幾つものてるてる坊主。昨日の雨のため、一日延期になって、本日は晴れましたが、まあ、それでもお星様なんてほとんど、見えないんですが。

 本日は友人とランチで黒豚の塊を頂いて抹茶クッキーをオヤツに購入し、それから大阪城へ。
 本番は六時からですが、西日の眩しくなってくる四時過ぎ、リハーサルの途中から、西の丸庭園のそこそこ前の方右手に陣取りました。防寒用の肩掛けを持って行きましたが、それでも日が沈むと結構寒かった。
 星空コンサートへ行くのは初めてです。大植監督が大阪に居るのも今年が最後になるのか、と思うと、参加したくなって。ただでさえ聞き取りにくい監督のお声が、今日はずいぶん嗄れてました。
 曲は、
エルガー「エニグマ変奏曲」よりニムロッド:被災地への祈りをこめてから……

ドヴォルザーク スラヴ舞曲だい8番ト短調:勢いのある曲が来て、 

J.コリー 思い出のサンフランシスコ:大阪市と姉妹都市なんだそうです。

ブラームス ヴァイオリン協奏曲第三楽章:13歳のヴァイオリニストを迎える。大植監督はけっこう積極的に、こういう若い演奏家を舞台に引っ張り出します。難しい曲を、見事な弾きっぷり。

J.ウィリアムズ 「スーパーマン」のテーマ:赤マントな監督。スーパーマンは反水爆主義なんだそうです。

コープランド リンカーンの肖像:山積みの問題を抱えて、それでも未来を築いていかなければならない!……毎度お馴染み、平松市長がナレーション。…来年は橋下さんがやることになるんだろうか、今日の吹田市長選挙も勝ったようで。あのトップ・ダウンっぷりでリンカーンって……
それからなぜか市長と監督とで大阪検定・豆知識なやりとりがあって、

 チャイコフスキー 序曲「1812年」:近大、箕面自由学園、明星学院、そして淀工の吹奏楽部さんも参加して、派手な号砲で有名な曲がトリ。

 賽銭箱みたいな募金箱に紙幣を投入して、監督と市長と握手して、ライトアップされた大阪城を後にしました。

春から夏へ2011/04/27 21:26

 雨が多いのは相変わらずですが。
 暑くなってきました。夏ちかし。昨夜は今年初の、蝉の声を聞く。


 商店街の和菓子屋さんが、四月から料金を上げてしまった!
 そのわりに、味は以前より落ちたんじゃないかと思うんだけどなあ。
 単に私が、緑茶と和菓子なオヤツに飽きてきたのかもしれません。
 そこで、毎日電車通学している弊害が出てきてしまう。外出すると目に入らざるを得ないあちこちのお店のウインドウ。
 駅前の蔦やの隣のマンション一階に入っているケーキ屋さん。セルフでお茶も飲めるようになっていて、ご近所のおばちゃん達とおぼしきマダム達でにぎわっています。
 期間限定桜モンブランは、表面だけは大人しい薄ピンクですが、ひとさじスプーンを入れれば中は抹茶クリームに鮮やかに赤い苺で、断面図の方がずっと華やかな見た目。可愛くて、苺の酸味と桜の塩味がアクセントとなっておいしい。
 美味しいけど、価格とカロリーに注意。

被災地支援コンサート@大阪市役所2011/04/29 02:17

 木曜日は空手教室の日。
 なので、すごく迷ったのですが。結局、晩からの最終公演は、昼間はお勤め等があって夜しか来られない人々に譲ることにして、道着の入ったトートバックを肩に、市役所を去りました。
 ついこの間も阪急電車で電車内チャリティー演奏(全然知らなかった。多分突然過ぎて広報もままならなかったんだと思う)したばかりの大植監督。
いつも「空気の読めない陽気なお祭人間」なイメージの強い大植監督がどんな「運命」を大フィルでやってくれるのか、聴きたかったけど。
 でも、三回も募金箱(各公演が終るたびに出口に構えられている)のところで握手してもらっていたら、記憶に残ったようで。三度目は「またこの人」てなカオされました。午後いっぱい聴きにきているヒマな人だと思われたかなあ(笑)

第③公演12:30~
 12時過ぎに市役所玄関ホールに着きましたが、すでに60人ほどの人。
平日の昼間だというのに、各公演で200名以上は集めていた今回の市役所コンサート。中でも私が、今回一番のお目当てだった、
 チェロ:近藤浩志 ピアノ:大植英次
 贅沢な組み合わせです。今日が学校休みで、本当に良かった!
 大植監督のピアノを聴くのは実は初めてだったのですが、最高です。近藤さんのチェロもさすが!余韻タップリ、落ち着いた柔らかい音色。
 ただし、大植監督、話長い上に日本語が不自由で聞き取れない。トークは近藤さんがダンゼン上手いのですが、監督に譲っちゃって。他者に伝えたいと思っていることが、たくさんおありなのでしょう。ただその表現方法として、言葉よりも音楽のほうに才能が特化してるんでしょうねえ。
サン=サーンス「白鳥」、フォーレ「夢のあとに」はチェロ曲の定番。あとバッハやアヴェ・マリアはなんとか分かるけど、ブルッフの「コル・ニドライ」やもう一曲(聞き取れない)は、マイナーで聴いたことない曲でしたが。
 それでも、格好良い。座席無しの立ち見でも気にならないくらい。

第④公演13:30~
 ヴィオラ(小野眞由美)とコントラバス(松村洋介)の珍しい組み合わせは、昨年の大阪クラシックでも聴かせてもらっていましたが、前の公演が思い切り長引いたために、ディッタースドルフの「ヴィオラとコントラバスのソナタ」は、曲の途中からどっと観客が入ってくると言う有様でした。
 さらにヴァイオリン(橋本安弘)が加わってバッハのトリオ・ソナタ。
 アンコールはメヌエット。ベテラン実力派って感じの上品な演奏でした。

 そのあと、朝からこしらえてきたオニギリで腹ごしらえし、ちょっと休憩してから
第⑦公演15:00~
 その昔マイケル・ジャクソンが大阪のメシの美味さ等に感激してチンパンジーといっしょに市長を電撃訪問したという(大植監督談)、5階市長公室。賓客をお迎えするお部屋で、足元フカフカで椅子も上等(早めに並んだので座れた)でした。
 ヴィオラの吉田陽子さんも大阪クラシックでファンになって、これも期待していた公演。ヴァイオリンは中西朋子さん、浅井ゆきこさん、チェロは松隈千代恵さん。残暑や過密スケジュールが無いせいか、大阪クラシックより今回のチャリティー公演の方が精彩があるような。
 最初は明るく、モーツァルトのディヴェルティメント二長調。
 それから照明を落として、いずみたく「見上げてごらん夜の星を」、ビショップ「ホーム・スイートホーム」(埴生の宿)、ハーライン「星に願いを」。
 途中で大植監督が桜の枝や「ほんまや」のペットボトルを持って乱入したりしてましたが。
 アンコールはチャプリンの「スマイル」。
 被災地支援のテーマにふさわしい、祈りを感じさせる選曲ですね。
 
第⑧公演16:00~
 屋上会議室では、前から二番目の窓際。窓からは曇り空と鐘が見え、窓辺にはパンジーの鉢植えがあって、床に直座りすると頭のすぐ横に鮮やかな花が香りました。演奏を真横から聞く形になっていましたが、あれは、正面から見ていた方が面白かったでしょう。
 ④と⑦が、上手にまとめあげたプロフェッショナルな公演だったのに対し、これは冒険的というか。
ロッシーニの弦楽のためのソナタ第一番と三番。
 やはりトークもアレンジも達者な近藤さんのチェロに、ヴァイオリンの田中美奈さんと三瀬麻紀子さんを対面する形で対象配置にし、そして、弦楽四重奏で、これほどコントラバスが注目された公演はないでしょう。
 コントラバスのソロパートがあるってだけでも珍しいのですが、新真二さん、「落とした!」。「拍手なんてしなくていいですよ」と近藤さんはおっしゃいましたが、会場は大ウケ。その後、コントラバスの入るタイミングで親切にも「ハイ」と合図が入る始末(笑)
 そうですよね。なじみの無いマイナー曲をさらりと弾きこなしたりアレンジしたりできるのは近藤さんくらいなもので、急に決まったチャリティー公演で準備期間も短いと、こういうこともあるでしょう。

第⑨公演17:00~
 会場は市長公室に戻って、豪華なシャンデリアのお部屋に、Tシャツとジーンズの一団。その名(急に決まったらしい)も「岸里1丁目GENNDADAN」。
 大阪クラシックでもお馴染みの弦楽打楽器アンサンブル。歴代の大クラTシャツですが、今年も開催してほしいなあ。
 ルロイ・アンダーソンも定番。「ブルータンゴ」「タイプライター」「シンコペイテッド・クロック」「サンドペーパー・バレエ」。アルミのゴミ箱やバケツを百均菜箸で華麗に打ち鳴らした「フィドル・ファドル」。
 それから、シンスティーン「ロック・トラップ」はボディ・パーカッション。
 ラストは、力武千幸さんのヴァイオリンソロで、モンティ「チャルダッシュ」。ノリノリのタンバリン、観客も陽気に手拍子。

 堪能。連休初日、とってもええ感じでスタートです。

「サガン-悲しみよ こんにちは」2011/04/30 00:58

 破滅するのは、私の自由。
 18でデビューし、名声と巨額の富を得たサガン。しかし映画の冒頭は、そんな彼女が淋しく弱弱しく老いたところから始まる。
 割と普通、というか。その才能でしこたま稼いだのにゴージャスな放蕩三昧で借金に追われるってケース、結構あるんですね(小室某とか)。天性のアーティストっていうのはそのくらい節制のない精神の持ち主でなければつとまらないのですかねえ。
 そんなサガンの精神構造というか人間性を深く掘り下げたものを期待していたのですが、正直、前半はけっこうウトウトしながら見ていました。ドキュメンタリー調というか、ぽこぽこと事実を積み上げていって、ターニングポイントでは彼女の、いかにもフランスっぽい格好つけたモノローグが入る。
 でもそこは、モノローグだけで次の場面へ向かわないで、その山場をどう乗り越えて行ったかをもう少し見せてもらいたかったなあ。
 陰鬱な音楽といい、人生の虚しさを感じさせます。