「黒革の手帖」2014/01/17 10:31

 松本清張っていうと、いまだに火曜サスペンス劇場のテーマ曲と竹内まりやの歌声が連想されてしまう私って、なかなか平成の人になれない昭和人なのか。
 でもやっぱり、清張は昭和の女と裏社会を切り取った作家なのだと、改めて思いました。「総会屋」って単語を久しぶりに目にしたのですが、今でもこの商売(?)って繁盛しているのでしょうか。
 始終TVドラマでやっているのでなかなか小説の方を手に取ろうとは思えなかったのですが、「たいへん有名な作家さんでありながら一作もまともに読んだことないのに挑戦してみよう」
 誰からも顧みられることなく地味に銀行勤めをしていた女が、まんまと銀行から大金を横領してみせる。その動機は、男に貢ぐのでもギャンブルに狂ったのでもない。
 面白くもない日常からの脱却。そして彼女は銀座のバーのママになり、策をめぐらし駆け引きを行い、野心を育てていく。
 ヒロインの欲ボケ色ボケと都合の良い展開で、途中ダレてくることもあったのですが。
 ところが、終盤の追い込みが凄かったです。容赦なくて。
 ストーリーの材料となるネタは週刊誌から拾い上げたような感じなんですが、その料理の仕方が、とっても巧みなのでした。

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