「MOTHER」2020/07/18 15:25

喜怒哀楽を失くしたような無表情な子供、よりも、色々語りたげな寄る辺ない後ろ姿、よりも、スクリーンにたっぷり見せつける長沢まさみの脚が映像的にインパクト大。
どこまでが事実に基づいているのか詳細は分からないけど、毒親、というにはあまりにもモンスターな母親。身勝手な大人に振り回される子供、っていうと是枝監督の「誰も知らない」「万引き家族」をぱっと思い出すけど、あれには子供らしさや人情味とかもある。しかし大森立嗣監督が描いたのは、まるで救いのないウツ映画だった。洗脳とか共依存とか、何かの言葉を当てはめられるようでいて、しかし「理解できるもんならやってみろや」って感じ、安易な解答を拒む。
それでもあえて理解しようとするならば、この母親は自分を立ち直らせて救いの手を伸ばしてくれる人よりも、ダメな自分を拒むことなく共に堕落してくれる相手が欲しいんだなあ。
そんなのダメだって分かっていながら、どこまでも母親に従ってしまう息子の方が、不可解。子供は反抗期を迎えるものだと思うし、守るべき妹だっているのに。とんでもなく優しい子なのか、なんの希望も持たない諦めきった子なのか。

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