「鳩笛草」2022/01/23 21:57

表題作の他に、「燔祭」「朽ちてゆくまで」2編収録。光文社文庫プレミアムって要するに、新装版ってことでしょう。
予知能力、発火能力、他者の心を読む。宮部みゆきのエスパー物。主人公が特殊能力持ちって昨今のエンタメ作品では珍しくもないのですが、物語の巧みさで、とても面白く読ませてくる。前世紀の作品で昭和の香りにちょっと笑っちゃうけど、古臭い感じでもなく。
しかし、ストーリーは、愉快でも痛快でも面白おかしくもないのですね。3人のヒロインはそれぞれ、どこか孤独の影が付いてくる、マイノリティー扱い。事件の真相を追う形式であるけれど、核となるのは彼女たちの苦悩なのだから。
特殊能力で大活躍する話が世に溢れるからこそ、この切り口が逆に新鮮。

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