「クライマーズ・ハイ」2011/03/22 22:21

2008年に書いた、映画の感想を引っ張り出す。
これ観た時は、「山から下りる」話だと思ったんだけど、原作読むと、なんか違ってたなあ。





 映画館の大きなスクリーンで雄大な風景を見るとわくわくしてきます。それは、小さい子供が巨大怪獣や巨大ロボットに対して感じる高揚感に近いように思えます。なんの哲学も詩情も入り込まない単純さ。

 飛行機事故に対する、地方新聞社の熱い日々。
 とにかく熱い。細かいところは分からないんですが、誰もが熱くて、すると当然ぶつかり合いがあって、いくつかの昼と夜と私情と使命感と緊張と弛緩を繰り返す。そんなごっちゃりした「戦場」が実にリアルに映されていました。
 堺雅人さんが好きなんですが、温和に見えて、でも怖い顔もちゃんと出来る。
 ところが、主人公の悠木「全権」は、このハイテンションに乗って博打に突っ走ったりせず、最後は<抑制>という選択肢をとってしまう。しかし、それは決して冷めた決断ではない。
 「チェック、ダブルチェック」の哲学を胸に、熱いままで力いっぱいブレーキをかけた。
 ノリの悪いヤツです、不器用な男です。でもそういう格好良さもある、ということはきちんと描かれていたんじゃないでしょうか。

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