「武士の家計簿」2010/12/09 00:19

 記録をつけるのが好き、というか、記憶に自信がないので記録せざるを得ない、というか。とにかく自分も家計簿をつけるようにしているのですが、それを自身の経済活動にはとんと活かせてないのですよねえ。

 そんなわけで、大人だって金銭の管理というのは難しいものなのに。
まだ小さい男の子が、ハジメテノオツカイどころか自分ちの借金の状況まで親から教えられ、出費を書きとめ家計を任されるというオカシイやらカワイソウやらな状況。
 少年の家は代々そろばん弾いて銭勘定するのを役目としているので、幼い頃からそういう厳しい修行をさせられ、たった十一で会計のお仕事見習いやるわけですが、しかし、男の子がそんなんを格好良いものだとは、なかなか思えませんよねえ。
 芸達者なキャスト、特に堺雅人さんが好きで、前々から見たいと思っていた映画ですが、堺さんの役は主役ではありますがあんまり感情を表に出さない淡々とした穏やかさのある人で、猪山家の他の面々の性格の濃さに押されて影薄かった感じ。
 華やかで朗らかだった猪山家が、借金返済のために家財を売り払い節約生活をするようになってから、明らかにスクリーンに映る家内が殺風景で地味になります。食事内容の変化が分かりやすい。そういう生活くさいコミカルさはよかったのですが。
 生活が質素になっても。
 人間として愛情深く武士として誇り高く。
 そのへんの格好良さをもっと強くプッシュして欲しかったかなあ、演出。ちょっと、淡々と地味すぎた。