「チェンジリング」2011/01/06 00:13

 今年の相棒元日スペシャルは母親の執念の描かれ方が秀逸でしたが、しかし、ラストがなあ。
 自分の息子との思い出の場所を爆弾でフッ飛ばしたいと思う母親が、いるでしょうか?
 ここが、コジツケくさくって残念でした。



 これも、母親の嘆きと執念が出てました。一昨年の春見た映画。

 映画の冒頭で、「真実の話」と。
 大きな異常事態は、二つ。
 一つは、子供ばかりを誘拐して殺しまくる殺人鬼。
 一つは、誘拐された子供が戻ってきた、と言って別の子供を母親に押し付けようとする警察。母親が抗議すると、医者とグルになって精神病院に入れてしまい、当局のミスを無かったことにしようとする。
 母親はひどい目に合いながらも精神病院から出られたのですが、そのきっかけが「行方不明の息子が殺人鬼に殺害された疑いが浮上したから」では、救われません。
 ところが、その殺人気の元から逃げたという子供が現れて……
 この子供が、泣かせるのです。逃げたはいいが、殺人鬼への恐怖から、何年も真実を話せずに隠れていた。殺人鬼が捕まってしまったら、ますます話せなくなる。自分がすぐに殺人鬼のことを訴えなかったばかりに、その後も殺人が続いたから。
 この子の場合は、最初は恐怖のために。続いて罪悪感のために。
 人間の社会や行動はメビウスの輪のように捩れて、まっすぐ歩こうとしていても、奇妙に不条理な罠の中に踏み込んでしまう。
 ある意味人間らしいのですが、しかし、不条理の輪を断ち切るための刃を持たねばなりません。他者と戦うため。あるいは己と戦うため。
 子供は、母親に会いたい気持ちが恐怖や罪悪感を上回り、名乗り出た。
 母親は、非道な警察を訴え、処刑前の殺人鬼に会いに行き、そして。
 生死も分からぬ息子を生涯、捜し続ける…