「屍鬼」 ― 2011/01/14 23:42
うちに閉じこもりっぱなしじゃアレですね。本屋うろつくの楽しいです。
「ゴーストハント」の新装版は、表紙がゴチャゴチャしてんのが気に入らなくて買う気にならない。読みたいんだけど、久しぶりに。
TVアニメ放送が終ってしまいましたよ、「屍鬼」。
原作小説読んでて先の展開は分かっていても、十分楽しめました。深夜アニメはこうでなければ。吸血鬼モノ、血を吸った相手を操れるって設定で、ちょっと某死神ノート思い出したりして。
小説の方は、最初の方が村の日常を描くばっかりでなかなか話が進まないのですが(そこを乗り越えればもう、怒涛の勢いなんですが)、日常描写の退屈なあたりかなりばっさり抑えて構成し直してくれていました。
実際これ、構成が難しいと思うのですよ。昔、実写映画になるって噂がありましたけど結局立ち消えになりましたし。主な主人公だけでも少年、医者、坊さんの三人で、他にも登場人物たくさんいてそれぞれにドラマがあって。
その辺を丁寧に、でも退屈にはならないように再構築したフジリューに拍手です。独特の髪型やらファッションやらに賛否両論はあるでしょうが、漫画にデフォルメはつきものなので私は気にならないや。むしろ、あの絵でフジリューワールドを創りつつ、原作の持つ怖さ悲しさを損なわず表現できるところがすごい。幼稚園児の持つ文楽人形の不気味さはフジリューならでは。
じわじわと人間を狩る屍鬼の恐怖と
いっきに屍鬼を狩る人間の狂気と
ビジュアルや構成だけでなくストーリーにも変更は加えられていましたが、登場人物の心情、性格設定は原作に忠実なので、すんなり受け入れられるのです。
アニメも、限られた尺の中で削られたエピソードも多々ありましたが、頑張ってくれたと思います。終盤はちょっと心配してたんですよね、アニメ版ゴーストハントはもう、駆け足すぎだったから。
「ゴーストハント」の新装版は、表紙がゴチャゴチャしてんのが気に入らなくて買う気にならない。読みたいんだけど、久しぶりに。
TVアニメ放送が終ってしまいましたよ、「屍鬼」。
原作小説読んでて先の展開は分かっていても、十分楽しめました。深夜アニメはこうでなければ。吸血鬼モノ、血を吸った相手を操れるって設定で、ちょっと某死神ノート思い出したりして。
小説の方は、最初の方が村の日常を描くばっかりでなかなか話が進まないのですが(そこを乗り越えればもう、怒涛の勢いなんですが)、日常描写の退屈なあたりかなりばっさり抑えて構成し直してくれていました。
実際これ、構成が難しいと思うのですよ。昔、実写映画になるって噂がありましたけど結局立ち消えになりましたし。主な主人公だけでも少年、医者、坊さんの三人で、他にも登場人物たくさんいてそれぞれにドラマがあって。
その辺を丁寧に、でも退屈にはならないように再構築したフジリューに拍手です。独特の髪型やらファッションやらに賛否両論はあるでしょうが、漫画にデフォルメはつきものなので私は気にならないや。むしろ、あの絵でフジリューワールドを創りつつ、原作の持つ怖さ悲しさを損なわず表現できるところがすごい。幼稚園児の持つ文楽人形の不気味さはフジリューならでは。
じわじわと人間を狩る屍鬼の恐怖と
いっきに屍鬼を狩る人間の狂気と
ビジュアルや構成だけでなくストーリーにも変更は加えられていましたが、登場人物の心情、性格設定は原作に忠実なので、すんなり受け入れられるのです。
アニメも、限られた尺の中で削られたエピソードも多々ありましたが、頑張ってくれたと思います。終盤はちょっと心配してたんですよね、アニメ版ゴーストハントはもう、駆け足すぎだったから。
「太陽の塔」 ― 2011/01/17 15:48
森見登美彦作品は初めてです。「夜は短し歩けよ乙女」で本屋大賞でしたっけ。
こちらはデビュー作なんですが、好き嫌いが別れそうです。
奈良生まれ大阪育ち京大農学部、という、作者プロフィールとおんなじ経歴を持つ大学五回生の、実にダメダメな日常を綴った手記。
肥大しまくった自意識と虚勢によるもって回った言い回しで「華」のない男たちの生息が描かれるのですが、結構ウザいです。研究、と称して元カノをストーカーして長大なレポートを作成する、とか。
このままストーカー日記が続いたらキツイなあ、と思ったのですが、幸いその辺の詳細は語られず、別のしょうもない話題にぽんぽんと移っていきました。コキブリキューブの応酬は笑えました、一生懸命なくだらなさが。
第十五回ファンタジーノベル大賞受賞作品なのですが、半分以上読み進めても、どこがファンタジーなんかぜんぜん分かりませんでした。まあ、京都という舞台はそもそもファンタジックなんだ、とか太陽の塔なんて存在そのものが異次元ファンタジーだ、とかモテナイ学生のウザい妄想や夢は悲しいファンタジーじゃないか、と言えなくもないかも。
私も、「華」のある大学生活おくってたわけじゃないですが。
モテナイ若者というのは、そんなにもクリスマスが憎いものなんでしょうか?
京都に住んでる人にはなかなか面白いかも知れません。この辺の地理に詳しくない人には全く分からない面白さがあると思う。
大げさな言い回しによる妄想(強がり)とその実態のダメダメさ加減のギャップに愛を感じられるか、それともただ単にウザイと感じるか。
こちらはデビュー作なんですが、好き嫌いが別れそうです。
奈良生まれ大阪育ち京大農学部、という、作者プロフィールとおんなじ経歴を持つ大学五回生の、実にダメダメな日常を綴った手記。
肥大しまくった自意識と虚勢によるもって回った言い回しで「華」のない男たちの生息が描かれるのですが、結構ウザいです。研究、と称して元カノをストーカーして長大なレポートを作成する、とか。
このままストーカー日記が続いたらキツイなあ、と思ったのですが、幸いその辺の詳細は語られず、別のしょうもない話題にぽんぽんと移っていきました。コキブリキューブの応酬は笑えました、一生懸命なくだらなさが。
第十五回ファンタジーノベル大賞受賞作品なのですが、半分以上読み進めても、どこがファンタジーなんかぜんぜん分かりませんでした。まあ、京都という舞台はそもそもファンタジックなんだ、とか太陽の塔なんて存在そのものが異次元ファンタジーだ、とかモテナイ学生のウザい妄想や夢は悲しいファンタジーじゃないか、と言えなくもないかも。
私も、「華」のある大学生活おくってたわけじゃないですが。
モテナイ若者というのは、そんなにもクリスマスが憎いものなんでしょうか?
京都に住んでる人にはなかなか面白いかも知れません。この辺の地理に詳しくない人には全く分からない面白さがあると思う。
大げさな言い回しによる妄想(強がり)とその実態のダメダメさ加減のギャップに愛を感じられるか、それともただ単にウザイと感じるか。
「アンダーグラウンド」 ― 2011/01/21 20:32
関西では「1・17」が毎年大きく報道されますが、首都圏では「3・20」なんでしょうね。
言わずと知れた、地下鉄サリンテロの関係者インタビュー集。
村上春樹は、文章がちょっと苦手で、なんかワビサビとかモノノアワレとかいう感じの、シンとした情感を削ぎ落としたような文で、いまひとつ物語の中に入って行きづらいのです。しかし、こういう他者からの話を写す作品では、予断を排して誠実に事実を表そうという公平さを感じられて良かったです。
しかし、分厚い本で、長かった。途中でダレました。やっぱり最初の方の、駅員さんとかお医者さんとかのプロフェッショナルの立場の人々のお話や、重大な被害者の身内の方々のお話のほうが、熱くて盛り上がるんですね。そうではない、大勢の普通の人々の体験も、決して軽く見ていいわけではないのですが。
あと、首都圏の地下鉄路線には全然疎いのですが、本書の最初の方に路線図が掲載されているのを大分読み進んでから気付いた間抜けな私。
インタビューの後に続く作者自身の意見「終わりの無い悪夢」は、難しくて正直よく分からなかったのですが、物事にキチンと向かい合おうとしているのでしょうね。
私にとって、「物事にキチンと向かい合う」とは
1、それを自分や他の人々にも直接的、あるいは間接的に関係あるモノとして認識する。
2、それは自分や他の人々の前に、形を変えて現れる可能性があると認識する。
の、2パターンあるんですが、村上春樹なんかは後者の意識が強いほうだと思っていました。「それは私自身でもあり、あなたたちでもある」。国境を越えて幅広く読者を持っているわけですから、人類共通の普遍性が作品にあるのでしょう。
しかし意外と、インタビューした方々のパーソナリティーを重視しているのが印象的でした。出身地とか生い立ちとか家族構成とか趣味とか性格とか。事件自体には直接関係なくとも、個々の「体験」には大いに影響を与えているものですからねえ。
恐ろしく、不気味な事件でした。
この世の「普通」の裏側には、きっと今でもあちこちにこんな魑魅魍魎がいて、地表に噴出すマグマのように、表に出る時期を伺っているのでしょうね。
言わずと知れた、地下鉄サリンテロの関係者インタビュー集。
村上春樹は、文章がちょっと苦手で、なんかワビサビとかモノノアワレとかいう感じの、シンとした情感を削ぎ落としたような文で、いまひとつ物語の中に入って行きづらいのです。しかし、こういう他者からの話を写す作品では、予断を排して誠実に事実を表そうという公平さを感じられて良かったです。
しかし、分厚い本で、長かった。途中でダレました。やっぱり最初の方の、駅員さんとかお医者さんとかのプロフェッショナルの立場の人々のお話や、重大な被害者の身内の方々のお話のほうが、熱くて盛り上がるんですね。そうではない、大勢の普通の人々の体験も、決して軽く見ていいわけではないのですが。
あと、首都圏の地下鉄路線には全然疎いのですが、本書の最初の方に路線図が掲載されているのを大分読み進んでから気付いた間抜けな私。
インタビューの後に続く作者自身の意見「終わりの無い悪夢」は、難しくて正直よく分からなかったのですが、物事にキチンと向かい合おうとしているのでしょうね。
私にとって、「物事にキチンと向かい合う」とは
1、それを自分や他の人々にも直接的、あるいは間接的に関係あるモノとして認識する。
2、それは自分や他の人々の前に、形を変えて現れる可能性があると認識する。
の、2パターンあるんですが、村上春樹なんかは後者の意識が強いほうだと思っていました。「それは私自身でもあり、あなたたちでもある」。国境を越えて幅広く読者を持っているわけですから、人類共通の普遍性が作品にあるのでしょう。
しかし意外と、インタビューした方々のパーソナリティーを重視しているのが印象的でした。出身地とか生い立ちとか家族構成とか趣味とか性格とか。事件自体には直接関係なくとも、個々の「体験」には大いに影響を与えているものですからねえ。
恐ろしく、不気味な事件でした。
この世の「普通」の裏側には、きっと今でもあちこちにこんな魑魅魍魎がいて、地表に噴出すマグマのように、表に出る時期を伺っているのでしょうね。
「李陵・山月記 弟子・名人伝」 ― 2011/01/23 19:34
李徴はどうして虎になってしまったのでしょうね。彼の中の「尊大な羞恥心」が虎だったのだ、ということですが、でも虎って、そんなこと考えながら生きてるんでしょうか。羞恥心だの自尊心だのいうのは大脳の膨らんだ猿の一族に特有のものだと思うのですよ。ある意味、李徴は完全に虎になってしまって初めて、それらの性情から脱することができるのではないでしょうか。それと同時に、夢や家族や友人も失ってしまうわけですが。
学生の頃古本屋で購入した角川文庫は、作者年譜や解説が豊富で、参考文として中国古典も書き下し文で掲載していてお得感があります。ちなみに「人虎伝」によれば、李徴は人だった頃放火殺人をやったと告白しています。こちらの方が虎っぽい。
「山月記」以外では、
「李陵」
ご存知、李陵が可哀想すぎるお話。どんな苦難の中でも匈奴に屈せず武帝の死に涙する蘇武は、儒教的君臣論では申し分ない立派な人なのかもしれません。しかし親近感が持てるというか、共感できるのは李陵のほうですよ。
ただし、もう一人の主人公・司馬遷が「身を全うし妻子を保んずること」をのみ考える者を批判していることからも、己の都合ばかりで大儀のない行いは人としてダメだってことなんでしょうね。理屈は分かるのですが。人間らしくって、如何に?
「弟子」
まっすぐすぎる<大きな子供>な子路。なんだかんだ言って現実主義な孔子との対比が面白い。というかこの話では、己の保身より正道を行くことを選ぶ子路のほうが好感もてるんですよねえ。
「名人伝」
ありえない系の落語のような。弓の道を極めようとした男が、極端な修行の果てにありえない境地に行き着くこと。この話にしろ、蘇武や司馬遷にしろ、立派な人ほどドコか変な感じ。
「悟浄出世」
かの「西遊記」主要メンバーの中で最も影の薄い彼は、三蔵の弟子になる前はかなりウツ気味な妖怪。<自己および世界の究極の意味>などというたいそうなモノを知るために妖怪世界の哲学者たちを何人も何人も訪ねてゆき、それぞれのテンでバラバラな思想を聞いて返ってわけ分からなくなり・・・・・最終的には「考えるより、動け!」ってことで。
「悟浄驚異-沙門悟浄の手記-」
思索家・悟浄による西遊記メンバーのキャラクター紹介。それぞれの良いも悪いもよくよく考察した上でいずれもただならぬ人物であると評価するのですが、そういう悟浄自身もなかなかステキな人だと思う。
学生の頃古本屋で購入した角川文庫は、作者年譜や解説が豊富で、参考文として中国古典も書き下し文で掲載していてお得感があります。ちなみに「人虎伝」によれば、李徴は人だった頃放火殺人をやったと告白しています。こちらの方が虎っぽい。
「山月記」以外では、
「李陵」
ご存知、李陵が可哀想すぎるお話。どんな苦難の中でも匈奴に屈せず武帝の死に涙する蘇武は、儒教的君臣論では申し分ない立派な人なのかもしれません。しかし親近感が持てるというか、共感できるのは李陵のほうですよ。
ただし、もう一人の主人公・司馬遷が「身を全うし妻子を保んずること」をのみ考える者を批判していることからも、己の都合ばかりで大儀のない行いは人としてダメだってことなんでしょうね。理屈は分かるのですが。人間らしくって、如何に?
「弟子」
まっすぐすぎる<大きな子供>な子路。なんだかんだ言って現実主義な孔子との対比が面白い。というかこの話では、己の保身より正道を行くことを選ぶ子路のほうが好感もてるんですよねえ。
「名人伝」
ありえない系の落語のような。弓の道を極めようとした男が、極端な修行の果てにありえない境地に行き着くこと。この話にしろ、蘇武や司馬遷にしろ、立派な人ほどドコか変な感じ。
「悟浄出世」
かの「西遊記」主要メンバーの中で最も影の薄い彼は、三蔵の弟子になる前はかなりウツ気味な妖怪。<自己および世界の究極の意味>などというたいそうなモノを知るために妖怪世界の哲学者たちを何人も何人も訪ねてゆき、それぞれのテンでバラバラな思想を聞いて返ってわけ分からなくなり・・・・・最終的には「考えるより、動け!」ってことで。
「悟浄驚異-沙門悟浄の手記-」
思索家・悟浄による西遊記メンバーのキャラクター紹介。それぞれの良いも悪いもよくよく考察した上でいずれもただならぬ人物であると評価するのですが、そういう悟浄自身もなかなかステキな人だと思う。
「宇宙戦争」 ― 2011/01/26 00:16
映画では、とってつけたような米軍の活躍シーンがありましたが。
その昔、子供向けSF小説で、この話のラストを読んだ時には、「細菌ってスゲエ!」と感嘆したものです。
こないだ土曜プレミアムでやってた映画。
これは、ちゃんと映画館で観た方が断然面白かったでしょうね。映像が迫力ありました。その巨大さは怪獣映画のようで、その不気味さは怪奇映画のようで。
宇宙人の乗る巨大兵器の登場で、何人かがカメラのレンズを向けていましたが、これが日本だったら何人か、どころかほとんど全員がケータイカメラ向けてまるっきりギャグみたいな画面になっただろうな、なんて思ったり。
巨大兵器は恐ろしい感じでしたが、中に乗ってた宇宙人は可愛らしいデザインに思えました。なんか、目が澄んでいて。
映像的にも優れていましたが、主演のトムも、異常事態にテンパリまくった父親役を好演していました。すごく格好いいヒーローではなくて、どちらかと言えば子供たちからもナメられてる駄目オヤジなんですが、強大すぎる危機に見舞われて不安でいっぱいになりながらもなんとか子供たちを護ろうと、頑張ります。
彼の二人の子供たちも良かったです。血気にはやる長男に、おびえてパニックになる妹。
昨年観た「ザ・ロード」も危機的状況における父と子の逃避行でしたが、そっちはその状況が10年続いていて、パニックなんかとっくに通り越して絶望的すぎるウツ映画でした。
それに比べれば、川からどんぶら流れてくる大量死体とか恐慌状態の民衆とか血塗られた赤い風景とか悲惨なシーンもありましたが、ちゃんと安心して楽しく鑑賞できました。
その昔、子供向けSF小説で、この話のラストを読んだ時には、「細菌ってスゲエ!」と感嘆したものです。
こないだ土曜プレミアムでやってた映画。
これは、ちゃんと映画館で観た方が断然面白かったでしょうね。映像が迫力ありました。その巨大さは怪獣映画のようで、その不気味さは怪奇映画のようで。
宇宙人の乗る巨大兵器の登場で、何人かがカメラのレンズを向けていましたが、これが日本だったら何人か、どころかほとんど全員がケータイカメラ向けてまるっきりギャグみたいな画面になっただろうな、なんて思ったり。
巨大兵器は恐ろしい感じでしたが、中に乗ってた宇宙人は可愛らしいデザインに思えました。なんか、目が澄んでいて。
映像的にも優れていましたが、主演のトムも、異常事態にテンパリまくった父親役を好演していました。すごく格好いいヒーローではなくて、どちらかと言えば子供たちからもナメられてる駄目オヤジなんですが、強大すぎる危機に見舞われて不安でいっぱいになりながらもなんとか子供たちを護ろうと、頑張ります。
彼の二人の子供たちも良かったです。血気にはやる長男に、おびえてパニックになる妹。
昨年観た「ザ・ロード」も危機的状況における父と子の逃避行でしたが、そっちはその状況が10年続いていて、パニックなんかとっくに通り越して絶望的すぎるウツ映画でした。
それに比べれば、川からどんぶら流れてくる大量死体とか恐慌状態の民衆とか血塗られた赤い風景とか悲惨なシーンもありましたが、ちゃんと安心して楽しく鑑賞できました。
「ダ・ヴィンチ・コード 」 ― 2011/01/28 19:59
映画にもなり、作品の舞台となったルーブルの入館者数アップに貢献したという、数年前の世界的ベストセラーを今更になって読みました。
殺人事件から始まりますが、犯人探しではなく、「宝物」探しと暗号解きのミステリー。暗号を解けば、また次の暗号があり、それを解けばまた次の暗号・・・・というように、幾重にも幾重にも封をされていて、なかなか最後の答えにまでたどり着けない。
どんだけ厳重なのか、と、途中で思いましたが、それはキリスト教社会をひっくり返すような秘密だったのです!・・・・私はクリスチャンじゃないんでぴんときませんが、これを読んで不愉快に感じた人々が、実際に大勢いたそうです。普通のことなのに。
その秘密を巡る争いと、暗号解きに関連して、ダ・ヴィンチの作品やキリスト教などついての薀蓄がたくさん語られているのもこの作品の特徴ですが。長い薀蓄といっても、たとえば京極堂シリーズなんかに比べれば実に簡潔に述べられているので、すいすいと読めます。
ひとつ残念なことは、この作品があまりにも有名になりすぎたことでしょうか。なんとなく、覚えているんですねえ。キリストの子孫のこととか、最後の晩餐の謎とか。書評だったか映画評だったか、特集番組かなにかで断片的にネタバレ聞いていて。たいへん分かりやすいダ・ヴィンチ・ブームで。だから年数をおいてから読んだのですが。
もう少し予備知識が乏しい方が、ヒロインの驚きに共感できたかもしれません。それでも、おもしろかったですけどね。
殺人事件から始まりますが、犯人探しではなく、「宝物」探しと暗号解きのミステリー。暗号を解けば、また次の暗号があり、それを解けばまた次の暗号・・・・というように、幾重にも幾重にも封をされていて、なかなか最後の答えにまでたどり着けない。
どんだけ厳重なのか、と、途中で思いましたが、それはキリスト教社会をひっくり返すような秘密だったのです!・・・・私はクリスチャンじゃないんでぴんときませんが、これを読んで不愉快に感じた人々が、実際に大勢いたそうです。普通のことなのに。
その秘密を巡る争いと、暗号解きに関連して、ダ・ヴィンチの作品やキリスト教などついての薀蓄がたくさん語られているのもこの作品の特徴ですが。長い薀蓄といっても、たとえば京極堂シリーズなんかに比べれば実に簡潔に述べられているので、すいすいと読めます。
ひとつ残念なことは、この作品があまりにも有名になりすぎたことでしょうか。なんとなく、覚えているんですねえ。キリストの子孫のこととか、最後の晩餐の謎とか。書評だったか映画評だったか、特集番組かなにかで断片的にネタバレ聞いていて。たいへん分かりやすいダ・ヴィンチ・ブームで。だから年数をおいてから読んだのですが。
もう少し予備知識が乏しい方が、ヒロインの驚きに共感できたかもしれません。それでも、おもしろかったですけどね。
大阪文化再発見講座 文楽の魅力 ― 2011/01/30 22:31

原付で行けない距離じゃなかったのですが、あまりにも寒かったのでJRに乗車。
そこでJR西日本に提案なんですが、府内でも雪国みたいに手動で開け閉めしましょうよ、その方がエコですよ。
特急列車の通過待ちの度に、ドアは全開のままで車内冷蔵庫状態。さむっ。
和泉市の弥生文化博物館に行ってきました。
前々から気になっていた所。ここ数年イベントに力を入れていて、ミュージアムコンサートは年間二十数回もやっている。二月最終日曜日の室内アンサンブルで通算200回目だとか。
現在は常設展の他に特別展として四国の発掘物展示がありました。古代の土人形とか、けっこう面白いものです。ミュージアムショップには土偶キューピーとか勾玉とか金印グッズとか。
他に、なぜか乾漆器作品が展示されていて、技法や作品の説明会もあったのですが、大勢がザワザワと行き来している所なのにマイクを用意するの遅いし、もうすこし融通利かせて待ってくれればいいのに説明の途中で整理番号の呼び出し始めちゃうし。
私の受け取った整理番号は39。170席用意されていたようですが、立ち見も出ました。
今回のお目当ての、文楽講座です。こないだ観た「最後の忠臣蔵」でも挿入されていた、世界無形文化遺産です。
太夫(語る人)、三味線(結構音が響く。猫皮と犬皮は中国産だそうです)、そして
人形の説明。仕掛けを操ると目やら眉やら口やらがピコピコ動く。三人で操るのですが、足役から始まって、一流になるには何十年もかかるという。
人形遣いに限らず、五十代後半でも「若手」なのが文楽業界。
ミニ公演は「艶容女舞衣(はですがたおんなまいぎぬ)」酒屋の段。亭主の浮気を嘆く若妻。人形は生きているようで、太夫は男性なのに女性が泣いているようにしか聞こえません。
とても面白かったです。
そこでJR西日本に提案なんですが、府内でも雪国みたいに手動で開け閉めしましょうよ、その方がエコですよ。
特急列車の通過待ちの度に、ドアは全開のままで車内冷蔵庫状態。さむっ。
和泉市の弥生文化博物館に行ってきました。
前々から気になっていた所。ここ数年イベントに力を入れていて、ミュージアムコンサートは年間二十数回もやっている。二月最終日曜日の室内アンサンブルで通算200回目だとか。
現在は常設展の他に特別展として四国の発掘物展示がありました。古代の土人形とか、けっこう面白いものです。ミュージアムショップには土偶キューピーとか勾玉とか金印グッズとか。
他に、なぜか乾漆器作品が展示されていて、技法や作品の説明会もあったのですが、大勢がザワザワと行き来している所なのにマイクを用意するの遅いし、もうすこし融通利かせて待ってくれればいいのに説明の途中で整理番号の呼び出し始めちゃうし。
私の受け取った整理番号は39。170席用意されていたようですが、立ち見も出ました。
今回のお目当ての、文楽講座です。こないだ観た「最後の忠臣蔵」でも挿入されていた、世界無形文化遺産です。
太夫(語る人)、三味線(結構音が響く。猫皮と犬皮は中国産だそうです)、そして
人形の説明。仕掛けを操ると目やら眉やら口やらがピコピコ動く。三人で操るのですが、足役から始まって、一流になるには何十年もかかるという。
人形遣いに限らず、五十代後半でも「若手」なのが文楽業界。
ミニ公演は「艶容女舞衣(はですがたおんなまいぎぬ)」酒屋の段。亭主の浮気を嘆く若妻。人形は生きているようで、太夫は男性なのに女性が泣いているようにしか聞こえません。
とても面白かったです。
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