「夜市」 ― 2010/11/01 19:12
人は何故、自ら怖い思いをしようと恐怖小説なんぞというジャンルを作るのでしょうか。
日本ホラー小説大賞っていうと、どう考えてもこれはSFやろって言いたくなる第2回の「パラサイト・イブ」とか、あと短編で第6回の「ぼっけえ、きょうてえ」が怖かった。
「よいち」、と読む、常川光太郎の短編。これはH17年、第12回大賞。
妖怪たちが集い、何でも買うことのできる夜市。子供のころ、そこに迷い込んでしまった兄は、人攫いに弟を売って買い物をしてしまった。歳月が経ち、再び夜市に行く機会を得た兄は、弟を買い戻そうとして人攫いの店を探す。
淡々とした語り口ですぐに読み終わります。ホラーって言うより幻想的なファンタジー色が強いです。怖くはないけど(水木しげるあたりに作画してもらったら怖くなりそう)題材が面白く、ストーリーも軽やかにひねってあって、お話にひきこまれます。
もう一本収録されてあった「風の古道」のほうが私は好きです。
異界に入り込んでしまった登場人物が出られなくなったり、そこで出会った人の数奇な運命が語られるあたりは「夜市」と同じ形式なんですが。
こちらのほうがページ数が多く、人物描写が丁寧で感情移入しやすいんです。レンさんが格好良いです。
日本ホラー小説大賞っていうと、どう考えてもこれはSFやろって言いたくなる第2回の「パラサイト・イブ」とか、あと短編で第6回の「ぼっけえ、きょうてえ」が怖かった。
「よいち」、と読む、常川光太郎の短編。これはH17年、第12回大賞。
妖怪たちが集い、何でも買うことのできる夜市。子供のころ、そこに迷い込んでしまった兄は、人攫いに弟を売って買い物をしてしまった。歳月が経ち、再び夜市に行く機会を得た兄は、弟を買い戻そうとして人攫いの店を探す。
淡々とした語り口ですぐに読み終わります。ホラーって言うより幻想的なファンタジー色が強いです。怖くはないけど(水木しげるあたりに作画してもらったら怖くなりそう)題材が面白く、ストーリーも軽やかにひねってあって、お話にひきこまれます。
もう一本収録されてあった「風の古道」のほうが私は好きです。
異界に入り込んでしまった登場人物が出られなくなったり、そこで出会った人の数奇な運命が語られるあたりは「夜市」と同じ形式なんですが。
こちらのほうがページ数が多く、人物描写が丁寧で感情移入しやすいんです。レンさんが格好良いです。
北の国から ― 2010/11/02 15:33
朝起きたときはお日様が出てると思ったのに、すぐ曇ってしまう。
ぱあっと晴れてくれないかなあ。
メドベージェフさんが「ここはウチの領土」と主張する、そこは正しいと思うんですよね。
ただ、「大戦終了時のドサクサにソ連が侵略した領土」という説明を欠いているのが問題なのさ。
住むところを追われた島民の皆さんが未だに故郷へ帰還できていないということを、恥ずかしながら今回のことで初めて知りました。
ロシア国民の皆さんは、そのことをご存知なんでしょうか?
国際世論に強く訴えるべきは、そこだよ、きっと。
ぱあっと晴れてくれないかなあ。
メドベージェフさんが「ここはウチの領土」と主張する、そこは正しいと思うんですよね。
ただ、「大戦終了時のドサクサにソ連が侵略した領土」という説明を欠いているのが問題なのさ。
住むところを追われた島民の皆さんが未だに故郷へ帰還できていないということを、恥ずかしながら今回のことで初めて知りました。
ロシア国民の皆さんは、そのことをご存知なんでしょうか?
国際世論に強く訴えるべきは、そこだよ、きっと。
日本シリーズより盛り上がってる ― 2010/11/04 00:32
途中までTVで観てました、早慶戦。
初回から早稲田ばんばん点取ってるし、斉藤も調子よく投げてるんでこれはイケるなあ、と思って、試合途中で切り上げて実家の方へ行ってしまったんですが。
八回途中までノーヒット投球ですか、すごいなあ。
投球ももちろん凄いんですが、エースにして早稲田大学野球部第百代主将、斉藤佑樹、さすがインタビュー慣れしているというか演説上手というか。
入部当初からヒーロー扱いでなんだかんだ騒がれて、普通は、やりにくいところも色々出てくると思うんですよ。周囲から浮いてしまってもおかしくないんじゃないか。
それなのに、優勝インタビューであれだけ堂々と「仲間」をキーワードに語れるんだから。彼自身の人徳と早稲田野球部のチームワークに敬意を感じます。
いいなあ。
今日の試合だって、味方のエラーから点取られて降板しているのに、「自分には仲間がいる」と誇らしげに言えるのですよ。
たとえそれがどんなに痛恨のミスであっても「失策も野球のうちで、お互い様」と呑み込むことのできるアマチュア野球(プロではそうはいかないでしょう、やっぱり)の寛容さが私は好きです。
初回から早稲田ばんばん点取ってるし、斉藤も調子よく投げてるんでこれはイケるなあ、と思って、試合途中で切り上げて実家の方へ行ってしまったんですが。
八回途中までノーヒット投球ですか、すごいなあ。
投球ももちろん凄いんですが、エースにして早稲田大学野球部第百代主将、斉藤佑樹、さすがインタビュー慣れしているというか演説上手というか。
入部当初からヒーロー扱いでなんだかんだ騒がれて、普通は、やりにくいところも色々出てくると思うんですよ。周囲から浮いてしまってもおかしくないんじゃないか。
それなのに、優勝インタビューであれだけ堂々と「仲間」をキーワードに語れるんだから。彼自身の人徳と早稲田野球部のチームワークに敬意を感じます。
いいなあ。
今日の試合だって、味方のエラーから点取られて降板しているのに、「自分には仲間がいる」と誇らしげに言えるのですよ。
たとえそれがどんなに痛恨のミスであっても「失策も野球のうちで、お互い様」と呑み込むことのできるアマチュア野球(プロではそうはいかないでしょう、やっぱり)の寛容さが私は好きです。
「クロッシング」 ― 2010/11/06 20:34
警官が黒人の少年を射殺する事件が起きて、NT市警に対する市民の非難の声が大きくなっていた。
やたらバンバンと発砲されるのにびっくりです。いくら相手が麻薬組織だからって、警告もなく撃ちまくるもんだから無用な死傷者まで出てくる。
刑事モノ映画ですが、主人公は三人。
一人は黒人で、マフィアに潜入捜査をしているのですが、ターゲットである麻薬の売人に友情を感じてしまう。
一人は子だくさんの貧乏人。命がけで麻薬組織に突入していても「死ななきゃ(死亡見舞金が出る)家族が養えない」もんだから、突入のどさくさにまぎれてマフィアのアガリをネコババしようとする。
一人は定年間近の制服警官で、普段は拳銃に弾丸をこめない主義。とても良心的な人ですが、とにかく地味でショボクレている。
タイトルで言うほど三人はクロッシングしていなくて(ちょっとすれ違うくらい)、それぞれのラストシーンの現場がすぐ近くだったってだけなのに拍子抜けでした。
役者さんは三人ともきっちり演技してくれていたのに、なんか散漫な感じがして残念です。これなら誰か一人をメインに持ってきたほうが面白かったんじゃないかなあ。
最後のリチャード・ギア「やってやったぞ」って顔が良かった。
やたらバンバンと発砲されるのにびっくりです。いくら相手が麻薬組織だからって、警告もなく撃ちまくるもんだから無用な死傷者まで出てくる。
刑事モノ映画ですが、主人公は三人。
一人は黒人で、マフィアに潜入捜査をしているのですが、ターゲットである麻薬の売人に友情を感じてしまう。
一人は子だくさんの貧乏人。命がけで麻薬組織に突入していても「死ななきゃ(死亡見舞金が出る)家族が養えない」もんだから、突入のどさくさにまぎれてマフィアのアガリをネコババしようとする。
一人は定年間近の制服警官で、普段は拳銃に弾丸をこめない主義。とても良心的な人ですが、とにかく地味でショボクレている。
タイトルで言うほど三人はクロッシングしていなくて(ちょっとすれ違うくらい)、それぞれのラストシーンの現場がすぐ近くだったってだけなのに拍子抜けでした。
役者さんは三人ともきっちり演技してくれていたのに、なんか散漫な感じがして残念です。これなら誰か一人をメインに持ってきたほうが面白かったんじゃないかなあ。
最後のリチャード・ギア「やってやったぞ」って顔が良かった。
「アラトリステ」 ― 2010/11/13 10:18
来週スペインに旅立つ予定なので、色々スペイン関連に引っかかるのですが。
昨年観たこの映画もスペインの物語。もう少し、スペイン事情を知ってから鑑賞したら、もっと別の見方ができたかも知れませんが。
従者の男の子がステキな美少年だったのですが、10年後、がっかりな成長をとげてしまいました。あんな可愛い子ならもっと男前になるでしょうに。
しかし、変に美しく温い演出が無いのが、この映画の良さでもあります。冒頭の寒中水泳を始めとする過酷な戦場描写、衣食住のみすぼらしい様、いかにも痛そうなチャンバラシーン。衣装やセットも凝っているのですが、華やかさよりも、汗臭く埃っぽいくたびれた感じに力をいれています。
17世紀。フェリペ二世統治下のスペインを舞台に、幾多の戦場を潜り抜けた傭兵・アラトリステの生き様を描く。
この映画の何が残念かというと、ストーリーがあるようなないような感じであること。やたら戦闘シーンが多いのですが、誰が何のために戦っているのか、よく分からないのです。
自分がスペイン史にうといから、ではありませんでした。スペインで人気の冒険小説が原作なのですが、それは五巻か六巻か、そのくらいボリュームがあるそうで、そいつを二時間半ほどに納めようとしたわけですから。
分からないなりに、主人公のアラトリステがなんか格好良いというのは伝わるのですがねえ、名場面集。
原作を読んでいる人には、とっても楽しめたと思います。戦闘シーンも良かったし、映像的にカッコいいのですよ。原作既読なら、登場人物がみな帽子に髭にマントでも、誰がどういう地位のなんて人なのかちゃんと区別つくでしょう。
ううん、消化不良。
昨年観たこの映画もスペインの物語。もう少し、スペイン事情を知ってから鑑賞したら、もっと別の見方ができたかも知れませんが。
従者の男の子がステキな美少年だったのですが、10年後、がっかりな成長をとげてしまいました。あんな可愛い子ならもっと男前になるでしょうに。
しかし、変に美しく温い演出が無いのが、この映画の良さでもあります。冒頭の寒中水泳を始めとする過酷な戦場描写、衣食住のみすぼらしい様、いかにも痛そうなチャンバラシーン。衣装やセットも凝っているのですが、華やかさよりも、汗臭く埃っぽいくたびれた感じに力をいれています。
17世紀。フェリペ二世統治下のスペインを舞台に、幾多の戦場を潜り抜けた傭兵・アラトリステの生き様を描く。
この映画の何が残念かというと、ストーリーがあるようなないような感じであること。やたら戦闘シーンが多いのですが、誰が何のために戦っているのか、よく分からないのです。
自分がスペイン史にうといから、ではありませんでした。スペインで人気の冒険小説が原作なのですが、それは五巻か六巻か、そのくらいボリュームがあるそうで、そいつを二時間半ほどに納めようとしたわけですから。
分からないなりに、主人公のアラトリステがなんか格好良いというのは伝わるのですがねえ、名場面集。
原作を読んでいる人には、とっても楽しめたと思います。戦闘シーンも良かったし、映像的にカッコいいのですよ。原作既読なら、登場人物がみな帽子に髭にマントでも、誰がどういう地位のなんて人なのかちゃんと区別つくでしょう。
ううん、消化不良。
「宮廷画家ゴヤ 荒ぶる魂のさけび」 ― 2010/11/14 16:14
作者はドイツ生まれの米国亡命ユダヤ人、リオン・フォイヒトヴァンガー。
562ページもある読みごたえのある小説で、ゴヤが宰相ドゴイに近付くあたりから、『ロス・カプリチョス』の原版を王家に贈り、『巨人』の着想を得るところまでを描いています。巻末の年表を参照すると、事件や作品制作の順番が食い違うところも見られますがまあ、そこは「歴史書」じゃなくて「小説」ですから、盛り上がりさえすればあんまり気にしない。
もう少し長く、せめてフランス軍に攻め込まれたりドゴイが逮捕されたり『戦争の惨禍』を製作するあたりまでやってほしかったですが、まだ、そこまで混乱していなかった、古くからの迷信や俗習が残っていた時代のスペイン。仏革命の影響を受けた進歩主義と教会と王家を絶対視する保守主義とのせめぎ合いが本書の大きな筋となっています。
登場人物一覧が欲しかったですね、みんな個性的です。たとえばマリア・ルイーサ王妃とアルバ女公爵との女の戦いとか、ゴヤと同様低い身分からのし上がったドゴイが政争と女関係に腐心している(そしてスペイン国政はダメになっていくんですね)とことか、激しくケンカしながらも互いを認め合うゴヤと助手のアウグスチンとの関係とか、見所です。
最初のうちは、大勢いる登場人物が私の中で整理し切れなかったし、主役のゴヤがなんか乱暴で偏屈な怒りっぽいおっさんに思えて、あんまり面白く思えなかったのですが。
本書の副題にあるとおり、激しく情熱的な国民性について丹念に語っています。冒頭にから、スペイン人はドン・キホーテを滑稽だと笑いながら、しかし古い騎士道精神を称えるとあります。英雄を好み、人を愛し、陽気で喧嘩っ早くて、颯爽と格好つける。マホとマハ、本書では「伊達男」「伊達女」とも表記される、熱いスペインの庶民たち。
農夫の息子であるゴヤもそんなマホの一人であり、同時にエレガントで陰謀渦巻く宮廷にも属す。古き良き保守主義の魅力と欠点を持ち、芸術面では進歩的な業績を残した宮廷画家の、やたらと浮き沈みする魂のさけび。
562ページもある読みごたえのある小説で、ゴヤが宰相ドゴイに近付くあたりから、『ロス・カプリチョス』の原版を王家に贈り、『巨人』の着想を得るところまでを描いています。巻末の年表を参照すると、事件や作品制作の順番が食い違うところも見られますがまあ、そこは「歴史書」じゃなくて「小説」ですから、盛り上がりさえすればあんまり気にしない。
もう少し長く、せめてフランス軍に攻め込まれたりドゴイが逮捕されたり『戦争の惨禍』を製作するあたりまでやってほしかったですが、まだ、そこまで混乱していなかった、古くからの迷信や俗習が残っていた時代のスペイン。仏革命の影響を受けた進歩主義と教会と王家を絶対視する保守主義とのせめぎ合いが本書の大きな筋となっています。
登場人物一覧が欲しかったですね、みんな個性的です。たとえばマリア・ルイーサ王妃とアルバ女公爵との女の戦いとか、ゴヤと同様低い身分からのし上がったドゴイが政争と女関係に腐心している(そしてスペイン国政はダメになっていくんですね)とことか、激しくケンカしながらも互いを認め合うゴヤと助手のアウグスチンとの関係とか、見所です。
最初のうちは、大勢いる登場人物が私の中で整理し切れなかったし、主役のゴヤがなんか乱暴で偏屈な怒りっぽいおっさんに思えて、あんまり面白く思えなかったのですが。
本書の副題にあるとおり、激しく情熱的な国民性について丹念に語っています。冒頭にから、スペイン人はドン・キホーテを滑稽だと笑いながら、しかし古い騎士道精神を称えるとあります。英雄を好み、人を愛し、陽気で喧嘩っ早くて、颯爽と格好つける。マホとマハ、本書では「伊達男」「伊達女」とも表記される、熱いスペインの庶民たち。
農夫の息子であるゴヤもそんなマホの一人であり、同時にエレガントで陰謀渦巻く宮廷にも属す。古き良き保守主義の魅力と欠点を持ち、芸術面では進歩的な業績を残した宮廷画家の、やたらと浮き沈みする魂のさけび。
乗り継ぎ ― 2010/11/23 23:54
頭痛でヘロヘロすることもありましたが。
初のヨーロッパから、無事に日本に帰って来ました。スペインに行っている間に日本と中国で戦争とか始まってたらどうしよう(どうもできやしないけど)、なんて思っていましたが、ドンパチは半島の方で起こったのですね。
さて、行く時は難波から夜行バスで成田空港へ行きましたが、帰りは本日の朝に成田に到着したので大阪への直通バスはありません。
スカイライナーに乗り、せかっく東京の方へ出たので、浅草寺へ寄り道しました。……東京の路線図って複雑ですね。どうにか、たどり着いて、お参り。
祝日だからでしょうか、人がいっぱいです。外人も多い、出店で着物見ている。七五三の子どもと親。人力車、お辞儀する猿回しの猿。
行列のできていたお店の煎餅とスイートポテトを買い食いしました。メンチカツも頂きました。サクサクで、肉の旨味がジュワワッ、アツアツアツアツッてなっていると揚げ物でも油っぽさを感じないし塩味やソースなどなくても美味しいのです。日本の食べ物って嬉しい。
隅田川に掛かる赤い吾妻橋では、おっちゃんがなんか物悲しげなハーモニカを吹く。
あの金のオブジェと、金の長方形と、その向こうの作りかけのタワーを眺めて来ました。こうして見ると、東京もなかなかエキセントリック!またブラブラしたいものです。
さすがに、夜行バスの時間まで遊び続ける気力は無く、あとは新幹線。今日は成田スカイライナーにも乗ったし、山手線にも東京メトロにも乗ったし、大いに満足なんですが、久しぶりの新幹線では泥のように寝ておりました。
新大阪からは御堂筋線いっぽんで。分かっているんです、JRで帰った方がうんと安くつくということは。でももういい加減、乗り継ぎがしんどくなって。
本日一番苦しかったのは、自分の部屋(三階)までスーツケースを持って階段上がっていく時でした。
初のヨーロッパから、無事に日本に帰って来ました。スペインに行っている間に日本と中国で戦争とか始まってたらどうしよう(どうもできやしないけど)、なんて思っていましたが、ドンパチは半島の方で起こったのですね。
さて、行く時は難波から夜行バスで成田空港へ行きましたが、帰りは本日の朝に成田に到着したので大阪への直通バスはありません。
スカイライナーに乗り、せかっく東京の方へ出たので、浅草寺へ寄り道しました。……東京の路線図って複雑ですね。どうにか、たどり着いて、お参り。
祝日だからでしょうか、人がいっぱいです。外人も多い、出店で着物見ている。七五三の子どもと親。人力車、お辞儀する猿回しの猿。
行列のできていたお店の煎餅とスイートポテトを買い食いしました。メンチカツも頂きました。サクサクで、肉の旨味がジュワワッ、アツアツアツアツッてなっていると揚げ物でも油っぽさを感じないし塩味やソースなどなくても美味しいのです。日本の食べ物って嬉しい。
隅田川に掛かる赤い吾妻橋では、おっちゃんがなんか物悲しげなハーモニカを吹く。
あの金のオブジェと、金の長方形と、その向こうの作りかけのタワーを眺めて来ました。こうして見ると、東京もなかなかエキセントリック!またブラブラしたいものです。
さすがに、夜行バスの時間まで遊び続ける気力は無く、あとは新幹線。今日は成田スカイライナーにも乗ったし、山手線にも東京メトロにも乗ったし、大いに満足なんですが、久しぶりの新幹線では泥のように寝ておりました。
新大阪からは御堂筋線いっぽんで。分かっているんです、JRで帰った方がうんと安くつくということは。でももういい加減、乗り継ぎがしんどくなって。
本日一番苦しかったのは、自分の部屋(三階)までスーツケースを持って階段上がっていく時でした。
旅行気分が抜けない ― 2010/11/25 00:26

今回のスペイン行きで見損なった(休館日……)「ゲルニカ」は無差別爆撃の混乱を描いていましたが。
無差別砲撃かあ。この寒いのに、自宅から追い出されてしまった民間住人の皆様、大変なことでしょうね。
朝起きたら昼でした。
午前中に洗濯物を片付ける予定だったのに。下着なんかは古いヤツをホテルで捨ててきたのもありましたが、それでも溜まっちゃうから。
洗濯物を干して遅い昼食を取った後は、またスペインの地図に通ったところをマーカーでなぞったり、音楽堂の写真を眺めたり、「日本の扇子のほうが幽遠な感じで好きだと思ったけどスペインの扇も悪くないなあ(片手で閉じたり開いたりしやすい)」なんて思ったりしているうちに、もう窓の外が暗くなってしまった。
駄目だ、しばらく、スペイン関連は見えないところに封印しとかないと余韻に浸りきって他のことが何にもできなくなる。
でも、ホテルでもらったサグラダ・ファミリアの絵の着いたカード・キーだけは裏にセロテープでマグネットを付けて冷蔵庫に張ってあります。
無差別砲撃かあ。この寒いのに、自宅から追い出されてしまった民間住人の皆様、大変なことでしょうね。
朝起きたら昼でした。
午前中に洗濯物を片付ける予定だったのに。下着なんかは古いヤツをホテルで捨ててきたのもありましたが、それでも溜まっちゃうから。
洗濯物を干して遅い昼食を取った後は、またスペインの地図に通ったところをマーカーでなぞったり、音楽堂の写真を眺めたり、「日本の扇子のほうが幽遠な感じで好きだと思ったけどスペインの扇も悪くないなあ(片手で閉じたり開いたりしやすい)」なんて思ったりしているうちに、もう窓の外が暗くなってしまった。
駄目だ、しばらく、スペイン関連は見えないところに封印しとかないと余韻に浸りきって他のことが何にもできなくなる。
でも、ホテルでもらったサグラダ・ファミリアの絵の着いたカード・キーだけは裏にセロテープでマグネットを付けて冷蔵庫に張ってあります。
伏見へ ― 2010/11/30 22:09
君は嫌疑を負いて故郷に帰り
我は敵に遂われる如く崎陽に向かう
海山千里相離れるの恨み
折りて尽くさず鴨川上の楊
正直、どんどん主人公が偉そうになって言うこともやることもパワフルすぎて観てるこちらは少々冷めてきて、最終回もさほど感動することなく暗殺シーンを迎えて結局「弥太郎いいヤツだよなあ」と思った今年の大河ドラマでした。
分かりやすく幕末の世情を訴えてくるとことか、要所要所の画面に光る演出とか、凄く好きだったんですけどね。
武市さんが投獄された時も、ドラマでは土佐まで助けに戻るというヒーローじみた活躍の場を設けましたが、本日、上記の詩を目にして、「どうすることもできずに互いの身の不運を嘆いて悶々と苦しむほうが視聴者は共感できるんじゃないか」と思った寺田屋の二階座敷。
と、いうことで、「龍馬伝」最終回記念、京阪電車を中書島まで行ってきました。
何故か女子中学生が玄関で愛想ふりまいていた(そういう授業?があるらしい)寺田屋の参観券(400円)は、土佐國銀札を模した形。
龍馬が描いたという掛け軸の絵を見て、龍馬の肖像画も見て、弾痕(本物?)に指突っ込んで、例の「裸のおりょうさんで有名な(分かりやすい説明…)」風呂も見てきました。
ドラマの寺田屋襲撃は本当に良くできていて、緊迫感あったんですよね。
それで、寺田屋を出てから龍馬商店街を北へ。おりょうさんが助けを求めに走ったという薩摩藩邸跡(今では石碑だけ)までテクテク歩いて(ゆっくり歩いて約15分。さすがに走っていく度胸はない)距離感を実体験です。
それから黄桜記念館へ(無料)。カッパカントリーが素敵でした。CMにイロッペエ河童を使用しているだけあって、並々ならぬ河童への愛情を感じられる施設でした。全国に河童村ってたくさんあるんですね。
河童に感動した勢いでお昼ごはん、そこのレストランで龍馬御前(千円)を頂く。せっかくだから、お酒も頼めばよかったかなあ。歴史趣味が目的の伏見訪問だったのですが、あれだけ酒蔵・日本酒を見てくると、一杯やりたくなってきます。
しかし、お酒より、漬物が美味いのに驚きでした。あんな塩分たっぷりなもの普段買いませんし、たいてい残すのですが、今日は他のオカズを平らげてお腹一杯だったにも関わらずパクパク食べました。
京都の漬物ってこんな美味いのか?「あれってここの土産物屋で売っているやつですか?」と尋ねるとレジのおねえさんは正直にもチガウとおっしゃる。「ドコで売ってるやつですか(ここで買わずにそこで買って帰ります)」とまでは聞けなかった私。
伏見は「伏水」、いい酒はいい水があってこそ。と、あちこちでアピールしてあるのですが。酒造りの過程を人形展示で解説してあるコーナーで、どう考えても観光客向けに「お水を味わって」と設けられているところでペットボトル10本ほども水を詰めている奥さんには、興醒めでした。
朝はきらきらと秋晴れだったのですが、黄桜を出る頃は空はねずみ色。それでも十石船は本日十一月末までが営業で宇治川流派を運行していました。季節が良い折なら気持ち良さげですが、やっぱり寒そうなので、植物の枯れ行く川べりを黄色いイチョウを踏んで行き、長健寺へ。
八本腕の弁財天がご本尊という、「お参り・お願い事OK」なお寺。ちんまりとした山門がなかなか面白い形をしていて、これまたちんまりした境内に楓が赤く、ちんまりしてるけどちょっといい感じなお寺でした。蛙石の側の手水鉢で手を洗い、美味しい(本当に)お水を飲む。
帰りに駅でスタンプ押して、景品の「平成の京阪大鳥瞰図」をもらいました。なんてことはない、京阪の路線図をちょっと風雅な感じに描いてるだけでしたよ。
そして四時十五分の特急に乗り、伏見の地を後にしたのでした。
我は敵に遂われる如く崎陽に向かう
海山千里相離れるの恨み
折りて尽くさず鴨川上の楊
正直、どんどん主人公が偉そうになって言うこともやることもパワフルすぎて観てるこちらは少々冷めてきて、最終回もさほど感動することなく暗殺シーンを迎えて結局「弥太郎いいヤツだよなあ」と思った今年の大河ドラマでした。
分かりやすく幕末の世情を訴えてくるとことか、要所要所の画面に光る演出とか、凄く好きだったんですけどね。
武市さんが投獄された時も、ドラマでは土佐まで助けに戻るというヒーローじみた活躍の場を設けましたが、本日、上記の詩を目にして、「どうすることもできずに互いの身の不運を嘆いて悶々と苦しむほうが視聴者は共感できるんじゃないか」と思った寺田屋の二階座敷。
と、いうことで、「龍馬伝」最終回記念、京阪電車を中書島まで行ってきました。
何故か女子中学生が玄関で愛想ふりまいていた(そういう授業?があるらしい)寺田屋の参観券(400円)は、土佐國銀札を模した形。
龍馬が描いたという掛け軸の絵を見て、龍馬の肖像画も見て、弾痕(本物?)に指突っ込んで、例の「裸のおりょうさんで有名な(分かりやすい説明…)」風呂も見てきました。
ドラマの寺田屋襲撃は本当に良くできていて、緊迫感あったんですよね。
それで、寺田屋を出てから龍馬商店街を北へ。おりょうさんが助けを求めに走ったという薩摩藩邸跡(今では石碑だけ)までテクテク歩いて(ゆっくり歩いて約15分。さすがに走っていく度胸はない)距離感を実体験です。
それから黄桜記念館へ(無料)。カッパカントリーが素敵でした。CMにイロッペエ河童を使用しているだけあって、並々ならぬ河童への愛情を感じられる施設でした。全国に河童村ってたくさんあるんですね。
河童に感動した勢いでお昼ごはん、そこのレストランで龍馬御前(千円)を頂く。せっかくだから、お酒も頼めばよかったかなあ。歴史趣味が目的の伏見訪問だったのですが、あれだけ酒蔵・日本酒を見てくると、一杯やりたくなってきます。
しかし、お酒より、漬物が美味いのに驚きでした。あんな塩分たっぷりなもの普段買いませんし、たいてい残すのですが、今日は他のオカズを平らげてお腹一杯だったにも関わらずパクパク食べました。
京都の漬物ってこんな美味いのか?「あれってここの土産物屋で売っているやつですか?」と尋ねるとレジのおねえさんは正直にもチガウとおっしゃる。「ドコで売ってるやつですか(ここで買わずにそこで買って帰ります)」とまでは聞けなかった私。
伏見は「伏水」、いい酒はいい水があってこそ。と、あちこちでアピールしてあるのですが。酒造りの過程を人形展示で解説してあるコーナーで、どう考えても観光客向けに「お水を味わって」と設けられているところでペットボトル10本ほども水を詰めている奥さんには、興醒めでした。
朝はきらきらと秋晴れだったのですが、黄桜を出る頃は空はねずみ色。それでも十石船は本日十一月末までが営業で宇治川流派を運行していました。季節が良い折なら気持ち良さげですが、やっぱり寒そうなので、植物の枯れ行く川べりを黄色いイチョウを踏んで行き、長健寺へ。
八本腕の弁財天がご本尊という、「お参り・お願い事OK」なお寺。ちんまりとした山門がなかなか面白い形をしていて、これまたちんまりした境内に楓が赤く、ちんまりしてるけどちょっといい感じなお寺でした。蛙石の側の手水鉢で手を洗い、美味しい(本当に)お水を飲む。
帰りに駅でスタンプ押して、景品の「平成の京阪大鳥瞰図」をもらいました。なんてことはない、京阪の路線図をちょっと風雅な感じに描いてるだけでしたよ。
そして四時十五分の特急に乗り、伏見の地を後にしたのでした。
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