「帝国の娘」2023/09/02 16:24

今さらながら、須賀しのぶにはまり、前世紀末の少女小説も手に取る。コバルト文庫の旧表紙が懐かしい。
流血女神伝、という物騒なシリーズ名で、はじまりは、身代わり男装女子。
主人公のカリエちゃん14歳は、病気の王子の身代わりとなるためにスパルタ指導を受け、王宮で他国の軍装王女と友達になったり、美形の僧侶にめろめろになったり、タイプの違う3人の王子たちと寝食をともにしたり。
昨今のファンタジー少女漫画のテンプレみたい(99年当時は、どうだったのだろう??)ですが、それだけではないのが、この作者。
死の影、貴族の横暴、愚鈍な支配者階級への民衆の不満、戦争の気配。そして、人への執着心の深さが刃となって、血が流れる。
過酷な運命に翻弄されながら、様々なことを知ったヒロインが、新しい道へ踏み出していく。
シリーズ序章。