高校野球スペシャル 特別な夏、僕らは2011/09/03 16:02

 AAAはボロ勝で優勝しちゃったし、今年は番組は作ってもらえないのかな?
 今朝放送していたのは、熱闘甲子園の、拡大版みたいな番組。意外だったのは、圧倒的な強さで優勝した日大三については、最後にチラッと映像が流れただけでインタビューも何もなかったことです。
 次につながる敗者をクローズアップした番組制作なのでしょう。
 あれのせいもあるのかな。準優勝した光星学院の選手の飲酒問題。あの大差のついた決勝戦を取り上げようとすると、どうしても対戦相手の不祥事も連想されちゃうよねえ。

 番組を見ていて、いろいろ思い出しました。今年は延長が多かった、致命的なエラーがゲームを盛り上げた、満塁本塁打はやっぱり燃える、終盤にゲームが動いて劇的な結果が生まれて……
いまさらながら今夏のベストゲームを振り返ると。
 ダントツに、一番印象的だったのが、二回戦・八幡商の逆転満塁ホームラン。異様に盛り上がった九回表の攻撃で「今までで一番楽しい打席だった」と後藤君。「苦しいときには、きっとこのホームランを思い出す」
 もうひとり、番組でインタビューされていたのが帝京の松本主将。そう、あの試合、先制の本塁打も打った彼の、あの失策から、ドラマは生まれたのでした。前半は、完全に帝京ペースで、名門の実力を見せていたのにね。一回戦でも、優勢に試合を進めながら花巻東に三度追いつかれる、すっきりしない勝ち方してましたが。
 ぜんぜん勝てる気配のない試合から、まさかの逆転を果たした試合としては、智弁学園ですねえ。九回に8点も取るなんて、誰が予想するよ。名門横浜高校も、今年は二年生中心のチームでしたし、脆さが出ましたが、二試合続けて好投した柳投手は来年、楽しみです。
 満塁本塁打といえば、白樺学園-智弁和歌山。怪我で投げられないエースが、バットで同点に追いつき、強豪校に食らい付く。最後には、延長サヨナラエラーで終わってしまって、それまでの緊張感がとたんにガッカリになってしまったのが残念ですが。
 あと、強力打線によるビッグイニングが目立った大会でしたが、明徳義塾-北海の投手戦とか、最後には大差がつきましたが東洋大姫路-新湊も締まった好ゲームでした。
 チームでいえば、三試合連続で延長戦を勝ち抜いた如水館。初出場ながら常連校相手に善戦した健康福祉大高崎とか。
 ベスト選手は(あえて日大三の選手は除いて)、東洋大姫路の原投手かなあ、頼れる大エースって感じ。甲子園のマウンドでハンカチで汗拭く選手って斉藤以来じゃないかな。

 たくさん試合が見られたのも、今年までかと思っています。就職もしなきゃならないしね。最後の夏を終えた高校球児に負けないように、わたしも次に進まなきゃなあ

「下流の宴」2011/06/15 00:05

 先週もそうだったのですが、月曜の夜、ついつい夜更かししてしまって。
 NHKのイタリア語講座で高橋克己がイタリア人女性二人に楽しそうにイジラレているのを見た後、ドラマの再放送から目が離せなくなって。
 今日は、昨夜の勢いで、10時からの本放送も見てしまいました。
 林真理子の原作は、新聞に連載されていたのを毎日楽しみにして読んでいたんです。ぜひとも、続編を書いて欲しい。
 ドラマもなかなか面白い。原作の流れを上手にまとめた脚本に、キャストのみなさんも、イメージにぴったりで。
 人間は、十頑張ればそれが二十にも三十にもなって返ってくる。しかし、多くを得るために必死になることに、価値はあるのか。
 「医者の娘」というプライドを持つ教育熱心な母親と。
 頑張るのキライで将来のこと考えるのもキライ、なフリーター息子と。
 この二人の考え方の食い違いっぷりが、物語前半の注目点で。どちらも、いかにも現代社会の中で普通に存在していそうなリアリティがあり、それぞれに共感できる点と好きになれない欠点を持っています。
 そして、後半からは、「たまちゃんガンバレ!」な展開になります。以前「フリーター、家を買う」というのがありましたが、このドラマは「フリーター、医者になる」です。
 ドラマでは美波さんという方が「美人ではないけどイイオンナ」を好演しています。このドラマでは女達がパワフルに闘志を燃やし、男達はなんかしょぼいです。
 話の結末は分かっているのですが、続きが楽しみです。

「名探偵コナン 天空の難破船」2011/04/17 16:40

 こないだ映画館に行ったら、過去のコナン劇場版全作品のポスターを一覧にして張り出してあった。G.W時期の恒例作品、ずいぶんたくさんありますね。毎年、よくネタを捻り出してくるものです。
 見たことあるやつも、無いやつも、見たような気はするけどよく覚えてないものも。
 でも、大概は、劇場ではなくTV放映で観てます。

 ハイ・ジャックはされても、難破したわけではありませんでした。
 コナン君は爆弾処理までできちゃいます。賢いだけでなくて、あのボディでちゃんとアクションもやって、ほぼ一人で複数のハイ・ジャック犯たち(プロの傭兵)を倒しているからスゴイもんです。
 メカを駆使しての戦闘は派手だけどけっこうコミカルっていうか、銃弾が発射されてもそれで主人公が致命傷を負うわけありませんからね。で、一番印象的だったのはコナン君がごくシンプルに空飛ぶ飛行船から放り落とされてしまったシーンでした。あれは怖い、普通は助からない。
 怪盗キッドが新一君と同じ顔してるってことは、もう完全にネタなんですね。「怪盗キッドって新一だったの!」思いっきり騙されて悩みまくった上にセクハラ被害にまであってしまった、気の毒な蘭ちゃん。
 面白かったけど、正直、有名人を声優起用するためだけのゲストキャラって、要らないなあ。
なんか冷めちゃう。

「悲しいボーイフレンド」2011/03/06 14:10

 結局、「相棒2」は観に行かないままだったなあ。今期のTVシリーズは良作が多くて楽しめたんですが。

 初代相棒・薫ちゃんこと寺脇康文さんの主演映画。相棒を卒業した頃のもの。
 薬品メーカーの会社員、独身、趣味はお酒と一人カラオケな主人公が、謎の女子中学生に騙されて故郷の兵庫県まで行って、三宮デートしたり中学時代の彼女について喋らされたりする話。
 女子中学生は何者なのか、別れたモトカノとどんな関係があるのか。幻とか幽霊とかにしては、生生しさがあるんですけどねえ。
 主人公の猛烈に「いい人」なところは薫ちゃんを彷彿とさせます。どうせなら、全然別のタイプのキャラクターを演じてくれることを期待していたんですがね。
 しかし、中学時代は若くてアホだった。冷たく傷つけてしまったモトカノから「あなたは優しい人」と言われてしまうのは、確かに悲しいなあ。
 過去から逃げてしまった彼は、「いい人」なのに「本当に優しい人」には、なれなかったってことでしょうか。

「海賊戦隊ゴーカイジャー」2011/02/27 10:23

 なんていうか、軽く百人以上のスーパー戦隊のメンバーがウジャウジャ戦っている光景は、カッコいいというよりも不思議な可笑しさで笑えてきます。
 戦隊シリーズの最新作。
 どうしても、某麦わら海賊団のイメージとかぶってくるのですが。
 それでも、正義を掲げずアウトローな雰囲気の戦隊モノは目新しいし、主演5人の役割分担(個性ってやつです)を最初からはっきり見せていて分かりやすい。悪役の皆さんのスタイルも結構ワタシ好きですよ。
 アクションシーンも良かったです。ロボット戦はおなじみですが、戦艦バトルは珍しいんじゃないでしょうか。何よりもソードアクションとガンアクションの混合、めいっぱい派手にキメてくれました。この辺は本当にすごいなあ、と感心するのですが。
 こんだけ戦えれば、わざわざ他の戦隊ヒーローに変身せんでもええやろ。
 小さい男の子はけっこうオタクだから、こういう多種類性は喜ぶかもしれませんが。
 変身アイテムが、いかにも「子供のおもちゃ」っぽいヒーロー人形。宇宙 海賊スタイルの中で、あの大量のお人形だけがメッチャ違和感あるよ。 お人形握り締めて格好つけてる姿が、やっぱりオカシクって、笑ってしまう。
 シンケンジャーの「顔面が文字」みたいに、そのうち慣れるのかしら?

「江-姫たちの戦国-」2011/02/21 00:08

 昨年観た映画では、やっぱり「今度は愛妻家」が印象深かったので、切なさたっぷりの演技を見せてくれた豊川悦治に主演男優賞取ってもらいたかったのですが。
 でも妻夫木くんも、頑張ったよね。それまでの爽やか好青年のイメージから一転して、閉塞感で身動きできない重苦しい役で、新しい顔を見せてくれました。
 結構好きな役者さんで、一昨年は大河ドラマの主演まで務めたのに、しかしあれは脚本も演出もひどくって、私あんまり観てなかったんです。

 今年も、同じような感じになるのかなあ。
 言ってることもやってることもコジツケくさくて全然説得力がなく、おかしな演出にはしりたがる。
 本能寺の変、(わざとらしく茶碗が割れたり、演出多寡な部分もあったけど)いい感じに信長も森家の兄弟達も男を見せてくれてる、と思ったら、いきなりファンタジーになってしまってがっくりしてしまいました。
 第一話で時任三郎の長政さんがやられて、トヨエツのやりたい放題信長と、上司のパワハラにストレス溜めまくりの市村・明智光秀も退場してしまって、あとはどこを見所にすればいいのやら。
 美術は、気合入ってると思います。安土城(もう焼けちゃったけど)は格好良かったし、ちょっとした調度類やお部屋のしつらえに凝った高級感があって。
 そもそも、主役の三姉妹が、全然お姫様っぽくない。えらく俗っぽくて。ぶっちゃけ、森家の三兄弟の方がよっぽど「キレイドコロ」でした。
江はなんであんなガキ臭い喋り方なのかと思ったら、小谷城陥落の年に生まれた設定(実際は、三、四歳ぐらいだったと思うけど)だから、本能寺の変のあたりだと、十歳くらいなのですね。
 だったら、子役使えよ!

「沈まぬ太陽」2011/02/20 11:03

 昨年の日本アカデミー賞受賞作品。
 これも、長い長い原作を数時間の映画に縮めてもしょうがないだろうと思っていたんですが、先日TV放送されていたので観てみました。

 すぐにお母さんに会えるよね。
運命のわかれ道。死へのカウントダウンの中で恐怖する人々、残された遺族の苦しみ、ずらりと並ぶ棺桶の列。それが胸に迫るのは、まぎれもなく本当にあった光景なのだと知識として知っているためでもあるでしょうが。
 事実を積み重ねる実録・ノンフィクションではなく、フィクションの世界として再構築されたからこそ表現できる「真実」があるのだと思えました。
 飛行機墜落事故の破壊力が凄くて、その他の部分はなんか淡々としたオマケっぽく感じてしまったのですが。小難しいことがよく分かっていないからですね。
 納得し難いもの。人間社会の理不尽さをずずんと追求した力作でした。
 そいつを乗り越え、あるいは癒されるために用意されたのが、宗教とか大自然とか、小さな人間の営みを大きく包み込むものっていうのは、分かりやすいけど割とありきたりな気もしましたが。
 でも、きっと、そういうものなんでしょうね。
 上昇志向やハングリー精神も私は嫌いじゃないのですが。
 自分たちの小ささを受け入れることで、人は安らげるのかも知れません。

「屍鬼」2011/01/14 23:42

 うちに閉じこもりっぱなしじゃアレですね。本屋うろつくの楽しいです。
「ゴーストハント」の新装版は、表紙がゴチャゴチャしてんのが気に入らなくて買う気にならない。読みたいんだけど、久しぶりに。

 TVアニメ放送が終ってしまいましたよ、「屍鬼」。
 原作小説読んでて先の展開は分かっていても、十分楽しめました。深夜アニメはこうでなければ。吸血鬼モノ、血を吸った相手を操れるって設定で、ちょっと某死神ノート思い出したりして。
 小説の方は、最初の方が村の日常を描くばっかりでなかなか話が進まないのですが(そこを乗り越えればもう、怒涛の勢いなんですが)、日常描写の退屈なあたりかなりばっさり抑えて構成し直してくれていました。
 実際これ、構成が難しいと思うのですよ。昔、実写映画になるって噂がありましたけど結局立ち消えになりましたし。主な主人公だけでも少年、医者、坊さんの三人で、他にも登場人物たくさんいてそれぞれにドラマがあって。
 その辺を丁寧に、でも退屈にはならないように再構築したフジリューに拍手です。独特の髪型やらファッションやらに賛否両論はあるでしょうが、漫画にデフォルメはつきものなので私は気にならないや。むしろ、あの絵でフジリューワールドを創りつつ、原作の持つ怖さ悲しさを損なわず表現できるところがすごい。幼稚園児の持つ文楽人形の不気味さはフジリューならでは。
 じわじわと人間を狩る屍鬼の恐怖と
 いっきに屍鬼を狩る人間の狂気と
 ビジュアルや構成だけでなくストーリーにも変更は加えられていましたが、登場人物の心情、性格設定は原作に忠実なので、すんなり受け入れられるのです。
 アニメも、限られた尺の中で削られたエピソードも多々ありましたが、頑張ってくれたと思います。終盤はちょっと心配してたんですよね、アニメ版ゴーストハントはもう、駆け足すぎだったから。

「サウンド・オブ・ミュージック」2011/01/10 23:41

 小学校で英語教育始まるそうですが、この辺から親しんでいけばいいんじゃないかと思う。音楽の時間も使って、一年かけて英語で歌っていけば、最終的に英語劇でしめくくれるんじゃないでしょうか。

 歌って、踊って、実に楽しげなミュージカル映画。30年代オーストリアという重苦しい時代背景を背負っていながら、晴れやかで楽しい。
 ストーリーは説明不要な超有名作品ですが、TVで池上さん(映画解説までやるのですね)が言うには、史実では列車で国外逃亡するところを、映画では徒歩で山脈を越えて、山=困難を乗り越える演出にしたそうです。
 このラストの山々を初めとして、湖とか町並みとかトラップ大佐の豪華なお屋敷とか、映像的にも素晴らしく美しい。マリアと大佐のダンスシーンの優美なこと。デジタル処理の恩恵なんでしょうね、昔見たときは、夜間のシーンなんか暗すぎて何が映ってるのかよく見えなかったんですが。
 45年も前に、こんなにも素晴らしい映画が作られている。

 いまどきの子ども達が観ても、感動できるんじゃないでしょうか。

「戦国疾風伝・二人の軍師~秀吉に天下を取らせた男たち」2011/01/03 22:15

 今年の「相棒 元日スペシャル」は、ちゃんと面白かった。主役は相棒の二人じゃなくて南果歩でしたが。母親の執念!
 新春は、NHKのニューイヤーオペラコンサートも華やかでいいです。

 ニートはやっぱりヒマなんだなあ、と再認識。例年は見ることのない、長ったらしい新春時代劇、見ちゃうのですから。
 手軽な録画機能のおかげ(疲れたら休憩できる)でもありますが、ちょっと変わった人物にスポットが当っていたのに興味を持って。
 竹中半兵衛と、黒田官兵衛。軍師モノです。
 マイナーだけど、突っ込んでみればなかなかドラマティックな人生。
 山本耕史演じる半兵衛は、なんか浮世離れした感じで、嬉しそうに桜を眺めたり好物の香の物にこだわったり。ひどく欲がない人物像は、下克上で城取りしたかと思ったら元のバカ殿にお城返して若くして隠居しちゃうようなエピソードから。
 高橋克典演じる官兵衛は、もっと熱く天下を語る、野心のある人。戦闘シーンも絵になっていました。それが地下牢に閉じ込められて足を悪くして、人質に出してた息子が助かったことに安堵し、半兵衛の死の知らせに涙した辺りから、落ち着いたキレを見せるようになったと思ったら……最後、やっぱり野心は残ってた。
 本能寺の変のついでみたいに端折られがちな秀吉の岡山攻略が詳しく語られていたのが嬉しい。尼子一族の滅亡や清水宗治の切腹をちゃんと描かれて。
 秀吉の、半兵衛を丁重なもてなす様子(上座に座らせて、拝まんばかり)が、さすが上手いなあ、西田敏行。信長の死を聞いて大いに嘆きながらも「使者を切れ、情報を漏らすな」とちゃんと戦略考えてる秀吉。
 石田光成のお堅い真面目っぷりも端的に表していました。
 官兵衛ゆかりの中津城も出てきました。ああ、この人が主役で大河ドラマでも作ってもらえれば、九州の田舎のあの町も、もうちょっと賑わうかなあ。
 「風林火山」みたいに、マイナーな人をメインに持って来ることも受け入れられつつあるのだから。ぜひ、九州大名も。