「桜田門外ノ変」2010/10/20 23:40

 alanって「レッド・クリフ」でも主題歌歌っていた人、この人の声が好きだなあ。

 茨城のご当地映画、でありながら身内ウケで終らないレベル、観光産業の一つとして成り立つ作品を製作されたことが話題になって、観に行きました。行き過ぎた商業主義はシラケますが、上手な商売ッ気は活力に繋がるもんです。
 桜田門のセットに続々と観光客が訪れているそうですが、実を言うと私は、雪の中の暗殺場面はけっこう眠たかったんですよね。(一番面白かったのは、なんか唐突に現れた剣客との一騎打ちシーン。唐突だったのに格好よくて)
 幕府の偉いサンの暗殺、という意味で先日観た「十三人の刺客」とイメージ被りますが、中心に持ってきているものが違いました。「十三人」は襲撃がクライマックスでしたが、「桜田門」は襲撃のあとで、時代背景をペリー来航から回想していって、襲撃にいたるまでの通商条約やら安政の大獄やらを説明してくれるわけです。
 そして切ないのが、水戸藩士たちのその後。襲撃で命を失った者、腹を切った者。方々へ逃亡した者たちにも次々と追っ手がかかり、その家族にも責めが及ぶ。
 井伊大老ひとり殺すのにどれほどの血が流れたのか。
 水戸の斉明にも見捨てられた。
 一緒に立ち上がろうと言ってくれた他藩の者たちも手のひら返した。
 結局何も、変えられなかったのではないか。
 ……水戸のみなさんはちょっと、動くのが早すぎたんですねえ。
 画面は明治維新時代の桜田門、そして現代の桜田門へと移り、さらにデカデカと聳え立つ国会議事堂へ。
 多くの人々の想いと流血の上にある、憂国の日本。

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