「ジュラシック・パーク」と「ロスト・ワールド」2016/09/11 00:03

この夏、私を熱くしてくれた、高校野球と恐竜たち。

バイオ・テクノロジーで現代に復活した太古の生物。ポケットに入りきらないモンスターを、と思って子供の頃以来のマイケル・クライトンです。久々に読んで、こんな話だったけ?と思う所もあるけど、しかしやっぱり、抜群に面白い。
子供の頃には大して気にならなかったことでしたが、これは企業の危機管理の問題とも言えるかもしれません。大事件になる前にも人死を含めて色々問題は出てきているのに、大丈夫だ、大したことではない、と真剣に向き合わない経営者。完璧なシステムを作ったつもりでも、人のやることには限界があり、想定外は起こり得る。
それから、作者はジブリとか好きかも、と思いました。人と、人以外の生命、世界との関わりについての思想。ちょっと「もののけ姫」っぽいなあって。
続編の方は読むの初めてです。研究施設の有る島で放し飼いされた恐竜たちが独自の生態系を作る。そこへ、てっきり前作で死んだとばかり思っていた数学者が、仲間たちと共に乗り込んでくる。
バイオ・テクノロジーの可能性に度肝をぬかれる「ジュラシック・パーク」に比べ、「ロスト・ワールド」はもっと冒険ものっぽくて、冒険用の特殊車両を作ってきたり、ハラハラよりもワクワク感が強い。
そして、キャラクターが濃い。特に、わがままトラブル・メーカーの古生物学者が面白かったです。いつも偉そうにして周囲を振り回して、それでも、文句言いつつもみんな彼を助けようとするし中学生の生徒にも慕われているし、なんか憎めない。そして肝心な時にはまるっきりヘタレで役に立たないという。
頭でっかちな古生物学者と数学者が危機的状況で完全に戦力外になるのに対して、大活躍な動物学者のサラさん。インディ・ジョーンズばりのアクション、タフで賢くて優しくて、めっちゃ格好良いです。
大切なのは知識や理屈じゃなくて。それをどう使って現実に立ち向かうかを考え実行できることなのでした。

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