「遠い声、遠い部屋」2017/08/06 23:42

確かに昔読んだはずなのに内容が一個も頭に残っていない。
T・カポーティの処女作、1948年刊行。
空想壁のあるジョエル君13才は、母親の死をきっかけに父親と暮らすためにニューオーリンズからスカリイズへやってきたのですが、「病気」だという父親にはサッパリ会わせてもらえないばかりか、屋敷の人たちは父親の話題を避ける。郷里への手紙は握りつぶされるし謎の女(幽霊?)を目撃したり。
えらく辺鄙な地にあるらしいそこでは、大人たちは皆、過去の中に生きています。空想ではない、リアル「遠い部屋」であり、閉ざされた世界。
もちろん、未来ある若者たちが、そんな環境に留まってなどいられない。
出ていく機会を掴んだのは、ジョエル君を含めて三人。しかし、いずれも散々な目に合って戻ってきてしまう。
なんて閉塞感だらけで救いのない話なんだろう。
少年は、あの環境で、本当に少年時代から脱することができたのだろうか?

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