「サラサーテの盤」2012/02/25 22:14

 世界文学遺産、として、様々な作品を紹介していく。
 日曜の午前10時から、作家の小川洋子のラジオ番組を聴きながら、洗い物やら部屋掃除やらをするのが習慣になっています。
 明日はひな祭り前ということで、「長靴下のピッピ」。
 世界一強い女の子。子供の頃、楽しく読んでた本です。

 小川洋子大絶賛だった内田百閒(同郷なんだそうです)、なんですが、ラジオで聞いた時には「サラサーテの晩」だとばかり思っていました。
 死んだ友人の後妻が、友人から借りたままになっていた品を、あれやこれや返してもらいにやってくる。という、それだけのストーリーなんですが。
 サラサーテさんとはヴァイオリニストで、彼の演奏するチゴイネルワイゼンのレコードには、彼自身の声だと噂される、人の声が録音されてしまっている。
 これは実在するレコードで、ラジオでちゃんとその「盤」をかけてくれました。
 人の声っぽいものは確かに聞き取れるのですが、何を言っているのかは分からない。
 しかし、友人の後妻は、その声に対してブツブツと何か返事してるんですよ。
 そんな感じの、なんか微妙に不気味で不思議な感じの短編集です。
 冒頭にある「東京日記」では、堀から巨大ウナギが現れるとか、富士山が噴火してたりとか、飯屋の客がみんな服着た動物だったりとか。
 面白いような、ワケわかんないような。
 解説で三島由紀夫が大絶賛していた「柳検校の小閑」は、ちょっと趣が異なっていて、目の見えない人の物の感じ方捉え方が、繊細に描かれていて、なんだか清廉な感じでした。

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