「聖徳太子の密使」2010/12/21 23:59

 「かわせみ」シリーズも好きですが、平岩弓枝作品に最初に興味を持ったのは「西遊記」で、この「聖徳太子の密使」も同じ系統、妖怪変化マジカル道中です。
 聖徳太子の娘である珠光王女が、王子の姿になって船に乗り、斑鳩の宮から難波津へ、瀬戸内を抜けて九州、沖縄、東南アジアにインド、果てはエジプトまで旅をします。
 魅力的なのが王女よりもそのお供たちで、北斗、オリオン、スバルという3匹の猫なんですが、とてもユーモラスで、実にかいがいしく王女につくし、行く先々で王女に従って妖怪を退治し困っている人たちを助けていきます。
 とても微笑ましいのですが、やはり「西遊記」に比べると物足りないです。
 思うに、光ちゃんも猫たちも、なんか真っ直ぐでいい子過ぎるんですよね。やはりこういうパーティー小説は、乱暴者の猿が素直に成長していくとことか、トラブルメーカーの豚とか、疑うことを知らずに騙され続ける坊さんとか、それぞれの欠点とか悩みとかが相互作用して面白くなっていくものなんですね。

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