「古事記」2010/09/16 17:05

 岩波文庫で、倉野憲司校注。大学時代に授業で使った奴で、鉛筆で当時の書き込みがチラチラあるのですが、今となっては何を意味する書き込みかさっぱりです。
 先週の大阪クラシックでは大変に待ち時間が長かったのですが、待っている間に読むには最適です。エピソードが細切れで前後が繋がっているようなバラバラなような感じなので、ちまちま読むのにいいです。ツッコミどころも満載です。昔の天皇は百何十歳も長生きしてたんですね。
 たった七歳の目弱王が父親の仇である安康天皇の寝込みを襲って殺害したかと思えば、履中天皇は大酒飲んで寝ているうちに大殿に火をつけられて殺されかけたのになんかノンキにお歌を歌いたまふ。
 推古天皇から、時代を遡りながら読んでいきました。けっこう血みどろで、裏切りだまし討ちの多いこと。
 天皇の祖先はもともと九州にあって、畿内へ進出。そしてもともと出雲で勢力を持っていた大国主一族から平和的に(?)権力を譲り受けて、その後も朝鮮に軍をしかけたり、ヤマトタケルとかをあちこちにやって支配下に治めていったんですね。
 面白いけど系図が分かりにくいのと、似たような名前も多くて、どのエピソードがどの時代のものだったんだか、だんだんこんがらがってくるのが難点です。
 うーん、こういうのを読んでいると、昔の勾玉三部作とか、氷室冴子とかを読み返したくなってきます。